若松2D協奏曲

枝豆

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文化祭

ふたたびの磯山学園

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今日の朝は早い。

7時に電車に乗る。
行き先は「磯山学園」。

昨日会計報告書を須藤くんが突貫で済ませて、監査を待った。

「みんなで行きたいよね。」
誰ともなく言い出した言葉。
日を開けたらみんな忙しくて行けなくなる。
そろそろ秋の新人戦が各部活で始まる。
吹部は来週は全国大会に遠征になる。
文化祭の代休、この日は部活動も活動停止になる。

疾風くんと皇子くんが乗り込んできて…。
「おはよう。」
「賭けようか?北斗どこから乗ってくるか?」
「…掛けにならない!絶対優ちゃんの駅!」
と笑った。

昨日私には優ちゃんからメッセージが届いた。

「お騒がせしました。」
「ご心配掛けました。」
土下座する絵文字…。
良かった、仲直り出来て。

花音ちゃんと優ちゃんとやっぱり北斗くんが乗り込んできて。

あっ!手を繋いでる!

「ラブラブ過ぎて居た堪れない。」
と花音ちゃんが呆れていた。
何にも知らなかった花音ちゃんは、北斗くんと優ちゃんの様子にすごくビックリしたらしい。

いつもならきっと疾風くんも皇子くんもここぞとばかりに北斗くんを揶揄ったと思うけど、今日は、ううん、今は、それは突っ込まない。

照れ屋の優ちゃんが堂々とみんなの前で手を繋ぐなんて、きっと今だけだと思う。
ニヤニヤしながら、あえて少し離れた入り口に立つ2人を眺めてる。

私は磯山学園に私が行くのは初めて。
「どんなところ?」
「うん、楽しかったよ。」
と絵里ちゃん達は言っていたけど。

絵里ちゃん、富田くん、仁志くん…。少しずつみんなが集まり始める。

学園に着いて、大歓迎を受けて。
寄付金と、作った袋(売れ残りでごめんなさい…だけど。)を渡した。

子供達が歌を歌ってくれて、手書きのお手紙と絵を貰った。

私と中野さんと西さん、吹部の3人で一曲披露させてもらった。

外で北斗くんを中心にバスケをしている子達と、体育館で富田くん達を中心に剣道をしている子達。

絵里ちゃんがリトミックをやっている。
英語で!
「head  shoulder knee…」
と歌いながら身体を動かして…。

しばらくみんなと子供達と時間を過ごした。

「この絵、可愛い。」
私が描いた楽譜。
「これね、ちゃんと音楽になるんだよ。」
ピアノをお借りして、演奏して見せると、
「教えて、お姉さん。」
と何人かの子に頼まれた。
「もちろん、最初はココ。」
白鍵をひとつポーンと弾いてみせる。
「ココ?」
小さな手がひとつポーン、と音を奏でた。


あっという間の1日だった。
楽しい楽しい思い出の1日。

文化祭、クラスの思い出は私には他のみんなよりは少ないかもしれない。
だけど、大切なひとつの、大きな思い出が出来た。

…今年の文化祭も楽しかったな。
2年D組の、3日間の文化祭が終わった。
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