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新年
話し合い 疾風
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シーンとした道場に少しずつみんなが集まってくる。
覚悟を決めた絵里は潔かった。
どこまで話すか、誰に話すか?
その全部を
「クラス全員に、全部話したって構わない。」
と言いのけた。
翠はずっと絵里の手を握っている。
富田もずっと側にいる。
俺と悠太は少し離れて座った。
直ぐにきたのは花音と菜々子。そして皇。
最後に仁志と北斗と優がやってきた。
「揃った?」
絵里が不安そうに聞いてくるから、
「ああ、揃った。」と答えた。
たまたま応援団のグループラインを使ったけれど、実質これは最近の普段のグループだ。
「急に来てもらってごめん。今日はこのところ私に起きたことをみんなに知って貰いたいと思ったの。」
絵里から説明をしていく。
「留学前の事はいいんじゃないか?」
と俺は言ったけど、全部話すと絵里が決めた。
「知ってる人も知らない人もいるけど、改めて全部話す。」
そう前置きして絵里は話し始めた。
長い長い話になった。
1年の時の事はそれでもサラッとだったけど、文化祭後からの事は丁寧に丁寧に話す。
時折、富田が自分に起きたことも付け加える。
鳩の事は誰も知らなかった。
絵里さえも…。
絵里は貴行の退学の理由も話した。
別に口止めをされていた訳じゃないけれど、絵里が話したくなかったのは貴行が警察に引き渡されたことだった。
「私が逃げていたせいで、貴行をおかしくした。」
絵里はそう思っている。
「違う。アイツはもう詰んでた。山本にしたことはバレてた。見逃されたのは捕まる前にやめたから。
新田のせいじゃ無い。」
と富田が絵里を庇う。
どっちも違う。
そう言ったのは皇だった。
「面と向かって、ちゃんと告げていたとしても、きっと貴行は変わらない。
どんなに言葉を尽くしても真摯に向き合っても、結局貴行は選ばれなかったってことだから。
貴行がそうならない為には、絵里が我慢し続けて貴行の側にいることしかなかった気がする。
それは絵里にとって良いことだとは思えないし。
選ばれなかった事は、辛いけど貴行が自分で折り合いをつけなきゃいけなかった。
そう俺は思う。」
「…皇子、ありがとう。
でもまるで選ばれなかった事があるような言い方だね。」
「あるさ、それくらい。俺にだって。」
「…皇子にもあるんだ。」
「えっ!?俺は知らない!!」
皇が選ばれなかった事なんかない、と思ってた。
「…疾風黙ってろ。脱線するだろ。」
って北斗に叱られた。
まあ、確かに。
覚悟を決めた絵里は潔かった。
どこまで話すか、誰に話すか?
その全部を
「クラス全員に、全部話したって構わない。」
と言いのけた。
翠はずっと絵里の手を握っている。
富田もずっと側にいる。
俺と悠太は少し離れて座った。
直ぐにきたのは花音と菜々子。そして皇。
最後に仁志と北斗と優がやってきた。
「揃った?」
絵里が不安そうに聞いてくるから、
「ああ、揃った。」と答えた。
たまたま応援団のグループラインを使ったけれど、実質これは最近の普段のグループだ。
「急に来てもらってごめん。今日はこのところ私に起きたことをみんなに知って貰いたいと思ったの。」
絵里から説明をしていく。
「留学前の事はいいんじゃないか?」
と俺は言ったけど、全部話すと絵里が決めた。
「知ってる人も知らない人もいるけど、改めて全部話す。」
そう前置きして絵里は話し始めた。
長い長い話になった。
1年の時の事はそれでもサラッとだったけど、文化祭後からの事は丁寧に丁寧に話す。
時折、富田が自分に起きたことも付け加える。
鳩の事は誰も知らなかった。
絵里さえも…。
絵里は貴行の退学の理由も話した。
別に口止めをされていた訳じゃないけれど、絵里が話したくなかったのは貴行が警察に引き渡されたことだった。
「私が逃げていたせいで、貴行をおかしくした。」
絵里はそう思っている。
「違う。アイツはもう詰んでた。山本にしたことはバレてた。見逃されたのは捕まる前にやめたから。
新田のせいじゃ無い。」
と富田が絵里を庇う。
どっちも違う。
そう言ったのは皇だった。
「面と向かって、ちゃんと告げていたとしても、きっと貴行は変わらない。
どんなに言葉を尽くしても真摯に向き合っても、結局貴行は選ばれなかったってことだから。
貴行がそうならない為には、絵里が我慢し続けて貴行の側にいることしかなかった気がする。
それは絵里にとって良いことだとは思えないし。
選ばれなかった事は、辛いけど貴行が自分で折り合いをつけなきゃいけなかった。
そう俺は思う。」
「…皇子、ありがとう。
でもまるで選ばれなかった事があるような言い方だね。」
「あるさ、それくらい。俺にだって。」
「…皇子にもあるんだ。」
「えっ!?俺は知らない!!」
皇が選ばれなかった事なんかない、と思ってた。
「…疾風黙ってろ。脱線するだろ。」
って北斗に叱られた。
まあ、確かに。
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