商店街のお茶屋さん~運命の番にスルーされたので、心機一転都会の下町で店を経営する!~

柚ノ木 碧/柚木 彗

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「坊主と何とやらは丸儲け」

「それ、【風が吹けば桶屋が儲かる】と現在店長ちゃんが一匹も釣れていない状況である【坊主】を合わせてない?」

「大正解」

「で、店長ちゃんはこの後どうするの?」


 呆れた様な顔付きで此方を見る京夏君。

 時刻はもう少しでお昼。
 結構長い間楽しみにしていた釣り堀で釣りをしていたのだが、レンタルをした釣り竿が悪いのか、それとも俺の釣りの腕が無いのか……。


「実家に居た時は夕飯の献立にはなるぐらいの数が釣れたのに」


 ガックリと肩を落とす。
 家族分位の魚はよく釣れたのだが、この釣堀では成果ゼロ。


「まぁ、理由はわかるよ」


 そう、釣り堀のおさかなクン達は見事に肥えていたのである。


「自然界の魚は餌とか普段無いから基本餌があると貪欲に食い付くし、ついでに言うと彼奴等は木陰や静かな場所に身を潜めているから」


 以下略。
 そう、此処の釣り堀。
 前回来た時は平日の午後で、男性客ばかりで静かでイイとこだな~と遠巻きに見ていただけだったので気が付かなかった。まさか肝心要の魚が肥え太っていて、釣り堀の餌に食い付かないなんて言う罠があるとは。
 更におまけに。


「お遊戯会…」

「釣り堀の真裏が幼稚園だったなんてね~」


 そう、幼稚園。
 よちよち歩きのヒヨコちゃん達が幼稚園で何かのイベント?をしているらしく、その音が漏れている。一応対策として窓は閉めているらしいが、ダダ漏れ。
 これはもう仕方がない。


「そう言えば入る時に釣り堀の店主が「この時期だから」「騒音が」って他の客と話していたけど、こういう事だったってことだね~」

「音漏れは仕方がね―か」

「そうそう」

「で、京夏君。成果の程は?」

「聞かないで~♪」

「どっこいか」

「何も釣れない、坊主同士って事で!」


 と元気よく笑う京夏君。
 それでも先程からチラチラと、とある方向に視線が向く。


「気になる?」

「俺の落合先輩が居るからね~気にならないわけ無いじゃん」


 そう。
 何故か落合君と嵯峨さんのα男子ーズ。
 お遊戯会の保護者、もしくはそのお婆さん?らしき女性陣にキャーキャー言われて居る最中。
 勿論当初京夏君もその輪に居たのだけど、気が付いたら俺の方に逃げて来ていた。

 曰く「化粧か香水かなぁ?俺だけみたいだけど、微弱な誘発剤のように感じるから逃げて来た。ああいう匂いは無理」とのこと。

 …もしかしてヒート?
 Ωの中には特殊な匂いの人も居るって聞いたことがあるしって思ったが、キャーキャー言っている女性陣の中には少なくともΩは居ない。
 居るのはβとαっぽい女性のみ。
 その女性陣は釣り堀の外から観戦?応援?うーん何だろ、見学中という感じ。落合君と嵯峨さんのイケメンコンビにお熱を上げているらしく、騒がしい。


「うーん…そろそろ引き上げた方が良いね」


 少なくとも他の釣り堀の客に迷惑を掛けている。


「仕方ないなぁ……って、ええ」


 嵯峨さん、嵯峨さん。
 貴方何故こんな肥えたお魚さんばかりが居る釣り堀で、釣り上げたバケツの中に何匹も魚が居るの!?そして落合君まで数匹も魚が入っているの!?

 イケメンは何か俺と属性が違うって言うのか!?
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