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27 訪問の知らせ
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「なに?父上と母上が?」
ローリエの誕生日から数日後・・・いつものように早く仕事を終わらせようとしている俺は、執事のジークからの報告に思わず眉を顰めてしまった。
そんな俺に構わずジークは言った。
「はい。オスカー様とリシャーナ様が近々こちらに来られるとのことです」
カリスさんの父親である、前公爵のオスカー・フォールと、母親のリシャーナ・フォール。この二人は現在、領地の一つでひっそりと隠居生活をエンジョイしているはずなのだが・・・
「このタイミングでの訪問となると・・・サーシャの妊娠か?」
それしか考えられなかった。しかし、俺はその報告をカリスさんの両親にはしていない。そうなると消去法でその報告をしそうな人物は絞られてきたので、俺は目の前のジークに聞いた。
「ジーク・・・お前、父上と母上に定期的に報告をいれてるのか?」
「お二人からカリス様とサーシャ様の近況を聞かれたので答えたまでです」
涼しい顔をしてそう言うジーク。まあ、それはいいが・・・しかしどうしたものか。
サーシャやローリエ、屋敷の人間は俺の性格の変化に関してはプラスの感情を持ってくれているからいいだろうが、何年も会ってない両親に関してはなんとも言えなかった。
カリスさんの記憶の両親はそこまで悪い人ではないが・・・ただ、カリスさんの性格のせいか両親とはあまり良好な関係とは言えなかったみたいだ。
そもそも、カリスさんが公爵家を継いでから、ローリエを作るまでがそれなりの年数がかかっている上に、カリスさんの両親との最後の記憶は、『いつになったら子供が出来るんだ』という急かすような父親との会話が最後の記憶なのだ。
騎士団の仕事やら、公爵家の仕事・・・まあ、あとはサーシャとの体の相性から子供が出来にくいと言い訳をしていたカリスさんなのだが・・・サーシャとの相性に関しては、ここ最近の俺の人格になってからの夜の時間で抜群の相性なのがわかっているので、ただの言い訳なのは明白だった。
いや、もちろんカリスさんにも事情が色々あったんだろうが・・・にしても、ここまで相性のいい妻がいるのに今までその手の行為を控えていたカリスさんの精神力には驚きましたよ。
まあ、カリスさん自身があまり女に興味がない・・・というか、むしろ女性が苦手なレベルだったから仕方ないのだろうが・・・それでもあんなに可愛くて健気なサーシャを放置していたことには俺からすれば驚きしかなかった。
まあ、カリスさんがあまり手を出してなかったからこそ、初な反応をするサーシャを目一杯愛でることが出来るので、ある意味感謝はあるが・・・同時にあんなに可愛いサーシャを何年も放置していたことに若干苛立ちを覚えてしまうのは仕方ないよね。
両親もカリスさんが女を苦手とする理由に関してはわかっていたみたいだが・・・二人は子供が出来にくい体質のようで、カリスさん以降には子供が出来なかったのでカリスさんに期待をしてしまうのは仕方ないことなのだろう。
まあそれはいいとして・・・さて、どうしたものか・・・
「ジーク。今の私を見たら父上と母上はどんな反応をすると思う?」
「率直に申しますと感動されるかと」
多少、妻と娘を愛でるだけでそんな反応をされるカリスさんに改めて涙が浮かぶが・・・俺はそれを抑えてため息をついてからいった。
「わかった・・・とりあえず二人のためにできる限りの準備を頼む。サーシャとローリエには私から話しておこう」
「わかりました」
そんなこんなで両親の訪問が決まったが・・・はて、さて、どうしたものかね。
ローリエの誕生日から数日後・・・いつものように早く仕事を終わらせようとしている俺は、執事のジークからの報告に思わず眉を顰めてしまった。
そんな俺に構わずジークは言った。
「はい。オスカー様とリシャーナ様が近々こちらに来られるとのことです」
カリスさんの父親である、前公爵のオスカー・フォールと、母親のリシャーナ・フォール。この二人は現在、領地の一つでひっそりと隠居生活をエンジョイしているはずなのだが・・・
「このタイミングでの訪問となると・・・サーシャの妊娠か?」
それしか考えられなかった。しかし、俺はその報告をカリスさんの両親にはしていない。そうなると消去法でその報告をしそうな人物は絞られてきたので、俺は目の前のジークに聞いた。
「ジーク・・・お前、父上と母上に定期的に報告をいれてるのか?」
「お二人からカリス様とサーシャ様の近況を聞かれたので答えたまでです」
涼しい顔をしてそう言うジーク。まあ、それはいいが・・・しかしどうしたものか。
サーシャやローリエ、屋敷の人間は俺の性格の変化に関してはプラスの感情を持ってくれているからいいだろうが、何年も会ってない両親に関してはなんとも言えなかった。
カリスさんの記憶の両親はそこまで悪い人ではないが・・・ただ、カリスさんの性格のせいか両親とはあまり良好な関係とは言えなかったみたいだ。
そもそも、カリスさんが公爵家を継いでから、ローリエを作るまでがそれなりの年数がかかっている上に、カリスさんの両親との最後の記憶は、『いつになったら子供が出来るんだ』という急かすような父親との会話が最後の記憶なのだ。
騎士団の仕事やら、公爵家の仕事・・・まあ、あとはサーシャとの体の相性から子供が出来にくいと言い訳をしていたカリスさんなのだが・・・サーシャとの相性に関しては、ここ最近の俺の人格になってからの夜の時間で抜群の相性なのがわかっているので、ただの言い訳なのは明白だった。
いや、もちろんカリスさんにも事情が色々あったんだろうが・・・にしても、ここまで相性のいい妻がいるのに今までその手の行為を控えていたカリスさんの精神力には驚きましたよ。
まあ、カリスさん自身があまり女に興味がない・・・というか、むしろ女性が苦手なレベルだったから仕方ないのだろうが・・・それでもあんなに可愛くて健気なサーシャを放置していたことには俺からすれば驚きしかなかった。
まあ、カリスさんがあまり手を出してなかったからこそ、初な反応をするサーシャを目一杯愛でることが出来るので、ある意味感謝はあるが・・・同時にあんなに可愛いサーシャを何年も放置していたことに若干苛立ちを覚えてしまうのは仕方ないよね。
両親もカリスさんが女を苦手とする理由に関してはわかっていたみたいだが・・・二人は子供が出来にくい体質のようで、カリスさん以降には子供が出来なかったのでカリスさんに期待をしてしまうのは仕方ないことなのだろう。
まあそれはいいとして・・・さて、どうしたものか・・・
「ジーク。今の私を見たら父上と母上はどんな反応をすると思う?」
「率直に申しますと感動されるかと」
多少、妻と娘を愛でるだけでそんな反応をされるカリスさんに改めて涙が浮かぶが・・・俺はそれを抑えてため息をついてからいった。
「わかった・・・とりあえず二人のためにできる限りの準備を頼む。サーシャとローリエには私から話しておこう」
「わかりました」
そんなこんなで両親の訪問が決まったが・・・はて、さて、どうしたものかね。
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