悪役令嬢の父親に転生したので、妻と娘を溺愛します

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68 執事候補の発掘

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本日はローリエを連れて領地に来ていた。それなりに距離があるのでサーシャは自宅でお留守番だ。少しだけ拗ねていたけど、帰ってから目一杯愛でることを伝えたら大人しくなった。領地に行く目的は仕事もそうだが、ミントとバジルの誕生祝いのお礼も兼ねてだ。まあ、領民からの贈り物にお礼をする領主というのはかなり奇特みたいだが、当たり前のことなので俺はそうする。

目的の場所を何件か回ってから孤児院に着くと神父のような格好をした男に出迎えられる。

「これはこれはフォール公爵様。よくおいでくださいました」
「お久しぶりです、神父。この前は生誕祝いありがとうございます」

そう言うと孤児院と教会のトップである神父は恭しく頭を下げて言った。

「フォール公爵様には様々なことで助けられております。その感謝を少しでも返したいと子供達から発案したことなのです」
「そうなんですか・・・子供達は元気ですか?」
「ええ、それはもう。お会いになりますよね?」
「ええ、ローリエも大人の話ばかりではなく子供同士で羽を伸ばしたいでしょうし寄らせてもらいます」
「ではこちらへ」

そう言って案内されるのは教会の隣に建てられた小さな孤児院。今は丁度読み書きを教わっているのか子供達は室内にいる。孤児院なのに何故読み書きを教わっているのか・・・結果から言えば俺が教師を斡旋したからだ。

この先大人になってから様々な選択肢を用意するために知識というのはあって困らないものだからだ。

「あ、公爵様だ!」

そんなことを考えていると、室内の子供が俺とローリエの存在に気づいたのか集まってくる。教師はその様子に苦笑しながら俺に頭を下げた。

「お久しぶりです。フォール公爵様」
「授業の邪魔をしたようですまない」
「いいえ、丁度終わりますから大丈夫です」
「そうですか・・・ローリエ、それなら皆と遊んできなさい」
「いいんですか?」

首を傾げるローリエに微笑んで言った。

「怪我をしない程度なら構わないよ」
「・・・はい!」

そう言ってからローリエは何人かの女の子と一緒にその場を離れた。その様子を見ていた神父は微笑ましげに言った。

「相変わらず仲がよろしいですな」
「可愛い娘ですから。それで・・・今は足りないものなどはないですか?」
「毎月の公爵様からの援助だけで十分すぎますので大丈夫です」
「そうですか・・・何か火急の事態があれば遠慮なく言ってください」

そう言うと神父はほほっと笑ってから答えた。

「私達の領地以外ならここまで手厚い援助はありませんからな。十分すぎます」
「ならいいのですが。私としても子供達が少しでも幸せになれるよう出来るだけのことをしたいのですよ」
「そのお言葉だけでも皆嬉しいと思いますよ。ところで・・・公爵様のところは人手は足りていますか?」
「突然どうされたのですか?」

いきなりの質問に首を傾げると神父は笑いながら言った。

「実は何名か、公爵様の家で将来働きたいという子供がおりましてな。まだ幼いですが、ここで習う基礎的な授業の課程は終了しておりまして、公爵様がもし気に入れば雇っていただきたいのです」

そう言われて少しだけ考える。この孤児院では読み書きから計算、一般的な常識やマナーなど将来的に必要になる教育を施しているので、確かに戦力としては使える可能性は高いが・・・

「ちなみにその子達は今会えますか?」
「ええ、もちろん」

そう言ってから神父は教師に合図を送ると、すぐに4人の子供を連れてきた。女の子が3人に、男の子が1人。しかも男の子は両目で色が違うーーーオッドアイってやつなのかな?でも、なんだか男の子には見覚えがある気がしなくないが、うん、多分気のせいだろうと思い俺は4人に話しかけた。

「君たちが家で働きたいと言ってると神父から聞いたが・・・本当かね?」
「は、はい!私達、公爵様のお役に立ちたいのです!」
「ふむ・・・本当に家でいいのかね?もっと他にやりたいことがあれば遠慮する必要はないが」
「公爵様が私達に色々良くしてくださいました・・・なので少しでも恩返しがしたいです!」

なんとも殊勝な心掛けだが、しかしどう見てもまだ10才くらいの子供なんだよなぁ・・・まあ、これも社会勉強として受け入れてあげるべきか。幸いにも子供達の身辺調査(とはいえほとんど孤児なので限度はあるが)はある程度できる範囲で済んでいるはずだし問題なければ雇うとするか。

俺は子供達に目線をあわせてから緊張してるその子達に優しく聞いた。

「名前を聞いてもいいかな?」
「み、ミリアです!」
「・・・ユリーです」
「レイナです」
「ミゲルです」
「よし、じゃあミリアとユリー、レイナは侍女としてまず簡単に研修をしてから働いてもらうけど・・・ミゲル、君は執事見習いとして入ってもらうことになると思うが、問題ないかな?」

そう聞くと全員頷いてからミゲルがしっかりとこちらに視線をよこして言った。

「公爵様のお役にたてるならどんなことでもします。お任せください!」

元気があってよろしいが・・・さて、我が家の執事長のジークのお眼鏡にかなうかな?まあ、俺としてはこれだけやる気があるならあとはジークの判断に任せようとは思うが・・・しかし、俺は別に感謝されるようなことは何もしないような気がするんだけどなぁと思いながら、ローリエが帰ってくるまでその子達と話すのだった。







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