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69 執事長と見習い
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「ふむ、合格ですな」
孤児院から連れてきたオッドアイの男の子ーーーミゲルをジークに会わせるとジークは早々にそう結果を伝えた。
「随分あっさりだが・・・いいのか?」
あまりにも即決なのでそう聞くとジークは頷いてから答えた。
「私は長年執事という仕事をしてきているので、直感的にわかるのですよ」
「わかる?」
「ええ。才能を持つ者が直感的にわかるのです。ミゲルと申しましたか。彼からは執事に必要な才能を多く持っていると感じるのです」
なんだかよくわからないが、ジークがそう言うならいいのだろう。俺はミゲルに視線を向けると必要なことを聞くことにした。
「さて、ミゲル。一応執事長のジークの許可も出たので君にはこれから正式に我が家の執事として働いて貰うが・・・その前に君には聞かねばならないことがある」
「な、なんでしょう・・・」
「君は好きな女の子はいるか?」
ポカーンとしてからその言葉に首を傾げるミゲル。ジークも何を聞いてるのかと呆れているが、大事なことなので聞いておく。
「どうなのかね?」
「えっと・・・いるにはいますが・・・」
「孤児院の子供か?それとも町の子供。あるいは一緒にこの屋敷にきた3人のうちの誰かか?」
「あ、え、あっと・・・さ、最後のです」
ふむ、そうなると残るのは、ミリア、ユリー、レイナの3人か。
元気な印象のミリアに、大人しい印象のユリー、そして大人びたレイナ。この3人でミゲルがもっとも好意を抱きそうなのは・・・
「レイナかな?」
「・・・!?な、なんで・・・」
図星だったらしい。いかんいかん。あまりにも踏み込みすぎた。流石にピュアな少年の心をこれ以上かき回すのは気が引けるので、こほんと咳払いをしてから本題にはいる。
「さて、こんなことを聞いたのは単純に君のことを理解するためだ」
「り、理解ですか?」
「そうだ。これから先、共にこの屋敷で過ごすのに一番大切なのは、自分の心の一番を理解することだ」
「一番ですか?」
「そう。例えば君は、私に仕える執事になるわけだが、そこで君は例えば主である私の危機と、恋心を抱くレイナの危機のどちらにもっとも敏感に反応するのか」
「それは・・・」
そこで言い淀むので俺は苦笑して言った。
「本心を言ってくれて構わないよ」
「公爵様を守りたい気持ちはもちろんありますが・・・スミマセン。僕はレイナを守りたいです」
その言葉にジークはため息をつくが、俺は頷いてからミゲルの肩に手を置いて言った。
「そう、それでいい。主を守るのはとても忠義者のすることだが、まずそれ以前に自分の惚れた相手を守れもしないのは我が公爵家の使用人には残念ながら不向きだ」
「公爵様・・・」
「胸を張りたまえ少年。君は今、主に本心を伝えたんだ。これは大きな一歩だ。なにしろ私は一つ君のことを知ったのだからね」
そう言うとミゲルは何故かキラキラした瞳で俺を見てきた。何故そんな反応をするかわからないが、俺はとりあえず呆れるジークに視線を向けた。
「さて、執事長。私はミゲルを執事見習いとして君に預けたいのだが異論はあるかね?」
「先に言質を取ってからその発言は卑怯ですよ。カリス様。まあ、私としては仕事に差し障りがない範囲でなら恋愛を黙認いたしましょう」
「あ、ありがとうございます!」
「厳しくいくので、そんな暇があるかはわかりませんがね」
そう言ってから視線を反らすジーク。素直じゃないが、ジークらしいと苦笑しながら俺はミゲルに言った。
「それで?レイナとは恋仲になれそうなのか?」
「えっと・・・わかりません」
「そうか、まあこの家は男の使用人は少ないから気長に関係を構築するといいよ。まあ、あまり奥手すぎても困るけど、レイナから君に少しでも脈があれば、それを上手く繋げていくことだ」
「公爵様・・・」
「カリスと呼んでくれ。執事になるのだからね」
「は、はい!よろしくお願いします、カリス様!」
こうして我が家に執事見習いがやって来たのだった。まあ、ローリエの破滅フラグには関係ないだろうとこの時の俺は思っていたが後にこの子が隠しキャラであると判明するのにあまり時間はかからなかった。
孤児院から連れてきたオッドアイの男の子ーーーミゲルをジークに会わせるとジークは早々にそう結果を伝えた。
「随分あっさりだが・・・いいのか?」
あまりにも即決なのでそう聞くとジークは頷いてから答えた。
「私は長年執事という仕事をしてきているので、直感的にわかるのですよ」
「わかる?」
「ええ。才能を持つ者が直感的にわかるのです。ミゲルと申しましたか。彼からは執事に必要な才能を多く持っていると感じるのです」
なんだかよくわからないが、ジークがそう言うならいいのだろう。俺はミゲルに視線を向けると必要なことを聞くことにした。
「さて、ミゲル。一応執事長のジークの許可も出たので君にはこれから正式に我が家の執事として働いて貰うが・・・その前に君には聞かねばならないことがある」
「な、なんでしょう・・・」
「君は好きな女の子はいるか?」
ポカーンとしてからその言葉に首を傾げるミゲル。ジークも何を聞いてるのかと呆れているが、大事なことなので聞いておく。
「どうなのかね?」
「えっと・・・いるにはいますが・・・」
「孤児院の子供か?それとも町の子供。あるいは一緒にこの屋敷にきた3人のうちの誰かか?」
「あ、え、あっと・・・さ、最後のです」
ふむ、そうなると残るのは、ミリア、ユリー、レイナの3人か。
元気な印象のミリアに、大人しい印象のユリー、そして大人びたレイナ。この3人でミゲルがもっとも好意を抱きそうなのは・・・
「レイナかな?」
「・・・!?な、なんで・・・」
図星だったらしい。いかんいかん。あまりにも踏み込みすぎた。流石にピュアな少年の心をこれ以上かき回すのは気が引けるので、こほんと咳払いをしてから本題にはいる。
「さて、こんなことを聞いたのは単純に君のことを理解するためだ」
「り、理解ですか?」
「そうだ。これから先、共にこの屋敷で過ごすのに一番大切なのは、自分の心の一番を理解することだ」
「一番ですか?」
「そう。例えば君は、私に仕える執事になるわけだが、そこで君は例えば主である私の危機と、恋心を抱くレイナの危機のどちらにもっとも敏感に反応するのか」
「それは・・・」
そこで言い淀むので俺は苦笑して言った。
「本心を言ってくれて構わないよ」
「公爵様を守りたい気持ちはもちろんありますが・・・スミマセン。僕はレイナを守りたいです」
その言葉にジークはため息をつくが、俺は頷いてからミゲルの肩に手を置いて言った。
「そう、それでいい。主を守るのはとても忠義者のすることだが、まずそれ以前に自分の惚れた相手を守れもしないのは我が公爵家の使用人には残念ながら不向きだ」
「公爵様・・・」
「胸を張りたまえ少年。君は今、主に本心を伝えたんだ。これは大きな一歩だ。なにしろ私は一つ君のことを知ったのだからね」
そう言うとミゲルは何故かキラキラした瞳で俺を見てきた。何故そんな反応をするかわからないが、俺はとりあえず呆れるジークに視線を向けた。
「さて、執事長。私はミゲルを執事見習いとして君に預けたいのだが異論はあるかね?」
「先に言質を取ってからその発言は卑怯ですよ。カリス様。まあ、私としては仕事に差し障りがない範囲でなら恋愛を黙認いたしましょう」
「あ、ありがとうございます!」
「厳しくいくので、そんな暇があるかはわかりませんがね」
そう言ってから視線を反らすジーク。素直じゃないが、ジークらしいと苦笑しながら俺はミゲルに言った。
「それで?レイナとは恋仲になれそうなのか?」
「えっと・・・わかりません」
「そうか、まあこの家は男の使用人は少ないから気長に関係を構築するといいよ。まあ、あまり奥手すぎても困るけど、レイナから君に少しでも脈があれば、それを上手く繋げていくことだ」
「公爵様・・・」
「カリスと呼んでくれ。執事になるのだからね」
「は、はい!よろしくお願いします、カリス様!」
こうして我が家に執事見習いがやって来たのだった。まあ、ローリエの破滅フラグには関係ないだろうとこの時の俺は思っていたが後にこの子が隠しキャラであると判明するのにあまり時間はかからなかった。
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