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閑話 少年の告白

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「あ、セリュー様!お待ちしておりました」
「ああ、うん。待たせたね」

ローリエと話してから決意が固まったセリューはメフィの元に戻ると嬉しそうに待っていてくれたメフィのことをじっと見つめる。その視線に頬を染めながらメフィは聞いた。

「あ、あの・・・もう用事は終わったのですか?」
「うん。まあね。ただもしかしたらもう少しだけ待ってもらうかもしれないけど大丈夫かな?」
「はい。もちろんです」
「ありがとう」

そう言ってからセリューは覚悟を決めて言葉を出そうとするが、上手く言葉が出てこなかった。今言うべきことはわかっている。それなのに言葉が出ずに沈黙するセリューを見てからメフィは少しだけ何かを察したように悲しげに微笑んで言った。

「セリュー様。いいんです。最初から分かってた結末ですから。それでも貴方の側にいたいのは私の我が儘なんです。ですからセリュー様はどうか気に病まれないでください」
「・・・違うよ」
「え?」

驚くメフィにセリューは今度こそハッキリとメフィを見るとそっと手を握ってから言った。

「メフィ。僕は王族だ。だからこれから先君に迷惑をかけるかもしれない。それでもずっと僕のことを好きでいてくれる?」
「そ、それはもちろんです。私を助けてくれたセリュー様のことを私はお慕いしております」
「例え僕が何者でなくてもそれは変わらない?」
「当たり前です。だってセリュー様はセリュー様ですから」

その言葉にセリューは頷いてから真っ直ぐにメフィを見てから言った。

「好きだメフィ」
「え・・・」
「僕も君のことが好きだ。だから僕と共にこの先の人生を歩んで欲しい」
「う、嘘・・・本当に?」
「冗談でこんなことは言わないよ。確かに君のように最初から好意があったわけじゃないけど、僕は君の気持ちに感化されたんだと思う。だからメフィ。僕と一緒に生きて欲しい」

その一世一代の台詞にメフィは思わず涙を流してしまった。叶わないと思っていた想いが叶ったこともそうだが、初めて好きだと思った人からここまで言って貰えたことに嬉しくて泣いてしまう。

「わ、私も・・・ぐすん・・・セリュー様のことが好きです。だから・・・貴方の側にいさせてください・・・」
「うん。ありがとうメフィ」

そう笑うセリューの表情は何かを乗り越えて勝ち取ったような充実感と何かを失ったような喪失感が混ざりあっていた。この選択が二人の運命を大きく動かすことをこの時の二人は知るよしもなかった。そしてこの場所がフォール公爵家の敷地内であり、それを思わず影で聞いていたローリエが微笑ましげにしていたことも二人は知らない。




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