悪役令嬢は溺愛される

yui

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お誘いですか?(き、禁断症状が・・・)

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「アルト、いいか」

色々と根回しや残っている仕事をしているとノックと共に父上が部屋に入ってきた。

現在、部屋には俺一人でロインは別の仕事をしてからマリーナの元へ行ってるだろうし、人外執事には労働基準法を軽々と逸脱するくらいに仕事を頼んでいるので本気で一人なのだが・・・まさか父上本人が来るとは思わず俺はしばらく固まってからなんとか答えた。

「父上・・・どうかされたのですか?」
「こんな時になんだが・・・久しぶりに皆で食事でもどうかと思ってな」

まさかの内容に思わず言葉を失いそうになるが・・・なんとか俺は表情を保って聞いた。

「私は大丈夫ですが・・・父上はよろしいのですか?それに母上やバスにフォルテの予定とかは」
「ああ、皆問題ないよ。あとはお前だけなんだが・・・どうだ?」

そう聞かれて俺は少し考える。
仕事はまだあるし、やることもやらねばならないこともたくさんあるが・・・家族との親睦も深めるべきではあるだろう。

エミリーもいればなおいいけど・・・流石にこの時間にエミリーを家まで迎えにいくのはマナー違反すぎるだろうし我慢しないと・・・が・ま・ん・・・おっと、いかんいかん。こんなにエミリーと離れるのもここ最近では久しぶりだから理性が悲鳴をあげそうになっているよ。

いや、ここ最近は暇な時間は常に一緒にいたから離れるのが辛すぎる。まあ、エミリーにも家族との時間が必要だろうし、流石に家族みずいらずの場所に飛び込むほど無神経ではないつもりなので耐える。

いや、本当にエミリーが少し離れただけで体がエミリーを強く欲してしまっているのがヤバいよね。

禁断症状・・・エミリー不足による震えが・・・静まれ俺の本能・・・!

などと思っていることは決して見せずに俺は父上に頷いた。

「わかりました。いつ頃向かえばいいでしょうか?」
「もうじき準備が整う。そうしたら使いをだすから来てくれ」

その言葉に頷くと父上は部屋を後にした。
しかし・・・まさか父上から誘ってくるとは。
それは母上の役目だと思っていたが・・・もしかして母上に何か言われていたのかな?
真面目な父上のことだ。今回の件でかなり色々と忙しい状況になっているから、母上が見かねて提案したのかもしれない。

うん、母上の性格からしてその可能性は高そうだ。
母上には俺と同じオーラを感じるからこその勘だけどなんとなく当たってそうで怖いな。

まあ、とはいえ、母上の提案事態は悪くない。俺も一応家族との仲を円満にしとかないといけないし・・・何よりも今夜しだいではあるけど、この後の計画をやる前に父上と話す機会が得られたのはありがたい。

何もかも母上の手のひらのような気がして怖いが・・・まあ、折角の誘い掛けだからいいかと、思って俺は時間まで仕事を続けたのだった。


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