悪役令嬢は溺愛される

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夜会前のエミリー成分の補給・・・プリーズエミリー!

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色々と裏で暗躍をしてから翌日、あっという間に夜会当日になった。今回の騒動で夜会事態の中止の声も上がっていたが、国外から来ている続編ヒロインからの強い要望と、俺からの提案で父上は夜会を予定通り行うことにしたらしい。

さて、俺は現在昼前の時間にキャロライン公爵家へと出向いていた。
夜会まではまだまだ時間はあるが・・・表向きはエミリーのドレスやら装飾品やらのお届け&公爵様、もといお義父様へのお願いをしにきたのだ。

まあ、もちろん本当は俺自身がそろそろ限界なので早めにエミリーに会いにきたのだ。
うん、エミリーと一晩会えなかっただけでかなりエミリー成分が不足しているのだ。

私にエミリーという潤いをおくれ・・・!なんて切なる願いが限界だったのだ。いや、だって慣れないことやらシリアスやら忙しくなってきたら、もう、エミリーという癒しでしか俺の心は潤わないじゃないか。

エミリーを一度知ってしまうともう元の生活には戻れない・・・あの、可愛い微笑みと照れたような表情、そして細い体に柔らかい感触・・・もうね、体がエミリーを欲して仕方ない。

え?ヤバい薬をキメた人みたいって?

そんな下らないものなんかよりもよっぽど中毒性があるものがエミリーなんだよ!一時の快楽なんて目じゃないほどに心が温かくなる、俺にとってまさに唯一無二の存在なのだ!あぁ・・・エミリーと早く会いたい・・・

「なら、もうじきキャロライン公爵家に着くので早くお顔を元に戻してください」
「わかってるから心を読むな人外執事」

当たり前のようにジークフリードに心を読まれてから俺はなんとかイケメンアルトさんへと表情を変える。
エミリーの前では俺は完璧な王子様でいるつもりだからだ。

まあ、エミリーならきっと俺の少し弱い部分などを知っても受け入れてくれそうではあるが・・・そういうイベントはもう少し先でいいだろう。

とにかく今はエミリーを目一杯愛でる。それだけだ。






「お待ちしておりましたアルト様」

公爵家へと着いてからお義父様に軽く挨拶をしてからエミリーの待つ部屋に向かうとエミリーがいつもの笑みで迎え入れてくれた。

あぁ・・・これだよ。これ。

この笑みのために生きてるんだなぁ・・・などと思いつつ俺はエミリーを思わず抱き寄せていた。

「あ、アルト様・・・いきなり何を・・・」

赤面&あわあわしつつも嫌とは言わずに受け入れるエミリー・・・うん、こういう初な反応を見ていると俺の中の狼さんが牙をむきそうになるが・・・いやいや、落ち着け狼さん。

あんさんの出番はもう少し先だから。うん、初夜的な何かはもう少し先だからマジで。

「すまない。1日離れていて寂しかったらついね。嫌かな?」
「い、嫌なわけないです!むしろ、その・・・う、嬉しいというか・・・私もその・・・アルト様に会えなくて寂しかったというか・・・うぅ・・・」

どんどん真っ赤になってもじもじするエミリー・・・そんな姿を俺は内心で悶えながらも脳内のエミリーフォルダーに保存してからさらに強く、でもエミリーが痛くないように優しく抱き締めて言った。

「ありがとう・・・やはりエミリーは可愛いね」
「か、かわ・・・!」

顔を赤くしつつも嬉しそうなエミリー・・・うん、やっぱりエミリーは最高だぜ!


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