悪役令嬢は溺愛される

yui

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協力者と思惑

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放課後、俺はロインを連れだって自室の隣の執務室にきていた。
エミリーは友達との約束でお茶しているだろう。
一緒に下校できなくて、ちょっと残念・・・

「それで?どうしたの話って?」

執務室に着くとロインは早速本題を聞いてくる。
出きる男は流石だな。

「ああ。ちょっと、エミリーとマリーナのことでな。」
「マリーナの?」

マリーナの名前を出した途端に、ロインの雰囲気が変わる。
マリーナ・ウッドレス。ウッドレス家の次女であのバカなサンデーの婚約者だ。
そして、ロインの恋する人物でもある。

「ああ。おそらく近いうちにエミリーとマリーナは少し辛い目にあうかもしれない。エミリーは私が全力で守るから大丈夫だが、マリーナは・・・」
「なんで僕なんだ?確かにサンデーは少し残念だが、マリーナの婚約者は彼だろう。って、まさか・・・」

察しのいいロインは俺の言葉にある可能性へとたどり着いたようだ。

「多分想像通りだよ、ロイン。」
「サンデーが原因でか?」
「そうなるかもな。」

そう言うと悔しそうな表情のロイン。
だが、すぐに表情を切り替えると覚悟の決まったような表情でこちらをみていた。

「それで?僕はどうすればいいんだ?」
「やって欲しいのは、マリーナのフォローがメインだ。彼女の心を守って欲しい。」

そう言うと頷いたロイン。
俺はこのあとの展開を思い出す。
今週の社交パーティーで俺と関係を結んだジェシカはそのあとの夜会でサンデーにエスコートされる予定になっている。
それをみて、傷ついたマリーナは同じく傷ついたエミリーとともにヒロインのジェシカをいじめるのだ。

その展開を利用する。

まず、エミリーの件は俺が全力で守るから問題ないとして、残るのはマリーナの件。
彼女はエミリーの友人であり、俺にも妹のように親しい存在なので彼女も守ってあげたい。
そこで、彼女を好きなロインの出番だ。

ここ最近、サンデーにあまり相手にされないマリーナは今も少しづつ傷ついている。
だから、少しでも早くロインに心の傷をふさいで貰いたいのだ。
下手をすると彼女までサンデーとのことがあるのに他の男と仲のいいふしだらな女と見られるのでそこはうまくやる必要はあるけど、そこもやはりロインとのうまい連携によるだろう。
ついでに俺は親友の長年の恋を手伝いたいのだ。
やはり、マリーナには脳筋なサンデーよりもロインの方がいいだろう。

「あと、少しづつ、外堀をうめた方がいいかもしれない。おそらく近いうちに、サンデーはマリーナと婚約破棄する可能性が高い。」
「確かなの?」
「ああ。最近、サンデーが他の女と親しいのは知ってるか?」
「そういえばそんな話があったね・・・」
「正直、今のサンデーはヤバイ状況だ。マリーナも何度かサンデーとその女のことを目撃している。」

もちろんこれは知ってる情報を言っただけで、本来のアルトは知らない情報だ。

「だから、ロインにマリーナのことを頼みたい。卑怯なのはわかってるが・・・俺は彼女を任せるならお前しかいないとも考えてる。」
「アルト・・・」
「引き受けてくれるか?」

そう言うとロインは頭を下げた。

「この身に変えても。殿下。」
「頼んだ。でも、体は大事にしろ。マリーナを任せたいからな。」
「もちろん。わかってるよ。」

そう言って笑い会う。

「あと、エミリーのことなんだが・・・」
「ああ、僕も聞きたかったんだ。突然二人の雰囲気変わったよね?」

やはり気づいていたロイン。
ある意味ここからが本題なのだが・・・

「俺はエミリーを本気で好きになった。だから、それを示しただけだよ。」

そう言うとロインは驚いた表情をしたあとに嬉しそうにした。

「よかったよ。エミリーとの関係は心配だったし・・・」
「まあ、だから、これからは俺はエミリーとの時間を大事にしたい。そのためにも・・・」

そこで俺は情けなくも親友に頭を下げる。

「たまにでいい。仕事を手伝ってくれ。」

俺の仕事量は学生の割には異常だ。
前は一人で時間をかけてやってたみたいだが、今はエミリーのために、自分のために仕事量は減らしたい。
まあ、一人でも大丈夫だが、やはり協力者は欲しい。

そう言うとロインは快く受けてくれた。

「ようやく、アルトに信じて貰えたのかな?」

そう言うロインの表情は晴れやかだった。

こうして協力者を得られた俺はエミリーとの愛を育みながら着々と来るべき決戦への準備を進めた。

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