悪役令嬢は溺愛される

yui

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話が脱線するけど、結果的には真実の愛に辿り着けそう。

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ロインと互いの好きな人についておもいっきりのろけた後、若干執務を手伝ってもらったロインが退室してから俺はお茶を飲みながら一息ついていた。

うん。紅茶を飲みながら一息つくと、自分が優雅に感じるね。
まあ、元々王族のアルトは動き事態がもともとの教育の賜なのか気品のある動きが自然とできるので、今更ではあるが。
ちなみに、俺の知るなかで一番気品のある動きをするのはエミリーだ。
当然の結果だな!

そんな風に心のなかでエミリーを褒め称えてると、ふと小さな疑問と嫌な顔が思い浮かんでくる。
無論、ジェシカだ。
あいつは、一体何がしたいんだ?

こないだの社交パーティーの件もそうだし、ダブルデートの時のことも、あと関与してるかはしらないけど、毒殺の件もそうだ。
社交パーティーでの俺への態度、ダブルデートでのエミリーへの悪態、その時の俺の対応の周りへの説明。
はっきり言って、なにもなも無茶苦茶だ。

まず、社交パーティーであんな態度で俺に接しれば好感度マイナスなのは必然だろうに、腕に抱きついたり、露骨な好意の示しかた。
ダブルデートの前もあのタイミングでエミリーへの悪態をつくとか何故だ?
そして、極めつけはジェシカハーレムへの俺の態度の説明だ。
これは、多分俺への注意を向けてエミリーを排除しようとしたのだろうけど・・・それにしても性急すぎる。
まるで、夜会までに決着をつけたいかのような動きをしているような・・・

ふと、そこである可能性が浮かぶ。
もし仮に、ジェシカがシナリオを知っていたとしたら・・・そう、たとえば俺のように転生した前世の記憶持ちだったら?
・・・いや、ないな。
それなら、シナリオ展開を知っているから、違うとなるともう少し安全策でくるはずだ、こんなまるで、エミリーとジェシカの立場が逆転するような事態が起きるはずが・・・

「逆転・・・」

よく考えると、なんだか、エミリーとジェシカの関係が逆になってるような気がする。
社交パーティーでの一件でストーリーが変わったのか?
俺がエミリーを愛でるあまり、ジェシカが悪役になるストーリーに変更になったとか?

・・・ダメだ。考えるときりがない。
正直、夜会のあとのメインストーリーはどちらかというと、エミリーがジェシカをいじめるのがメインになるはずだから、それほど大きなイベントはなかったはずだ。
ラストの付近に、王家のパーティーでアルトがエミリーに婚約破棄を申し出て、すぐにジェシカに婚約をして晴れて結婚。
それに怒ったエミリーはジェシカに手を出そうとして逆にアルトに返り討ちにされて、国から追放される。

・・・ヤバイ。想像すると頭にくるストーリーだ。
なんで、エミリーがそんな目にあう必要があったんだ?
それって、ほとんどアルトがエミリーをしっかりと見てなかったから悪いだろ?
なのに、アルトはそのあとジェシカと幸せに?ふざけんなよ!

ジェシカもジェシカだよ。
ジェシカも婚約者がいる男に「貴方のお側にいたいです・・・」なんて台詞をはいて、その上で受け入れるアルト・・・
ちょろいぞ・・・ちょろすぎるぞ!前のアルト!

あんなに、可愛いくて、愛おしいエミリーを放置してジェシカにいくとか頭悪すぎでしょ?
・・・まあ、前のアルトは所詮はただの色男だったからだろう。

ふっ・・・だがな、俺は間違えないぞ!
ジェシカのようなビッチに惑わされたり、他の女に現を抜かすようなクズな男ではない!

俺のエミリーへの愛はもはや無限大!
エミリー以外の女を愛するなど無理だな!

・・・ヤバイ。そんなことを考えていると、エミリーに会いたくなってきた。
夕食まではまだ時間があるけど・・・早く会いたい!
会って、エミリーを抱き締めて、あの華奢だけで柔らかい体を堪能したい!
愛らしい表情をこっちに向けて欲しい!
あの可愛い声で、「アルト様・・・」って呼んで欲しい!

うん。末期かもしれないけど、エミリーへの愛が止まらない。
早く会いたいな・・・

そんな感じで、俺は結局この場での思考をエミリー一色にしたまま時を待った。

考え事?まあ、今考えても分からないし、ジークフリードの持ち帰る情報で考えればいいでしょ。
今の最優先はエミリーだ!
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