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弟がいい子すぎる件について
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母上との意外な接点を見つけた後で・・・何やら赤くなっているマリーナと疲れたような表情のロインと合流してから俺はエミリーを任せてとある場所へと向かった。
エミリー同伴でもいいんだが・・・情報収集のためには俺一人の方が都合がいいからだ。
アルトの記憶を頼りにその部屋の前につくと部屋の前の護衛が俺に気づいて敬礼をとった。
「これはアルト様・・・」
「あぁ、それはいいから・・・バスはいるか?」
「バス様は現在おられますが・・・何かご用ですか?」
「少し話がしたくてな・・・バスが大丈夫ならだが」
俺のその言葉に護衛は驚いたような表情を浮かべてからすぐに答えた。
「・・・少々お待ちください」
それからそんなに待つことなくすんなり部屋に入れた。
応接間に似たような作りだが、どことなくお洒落な部屋の椅子に座っていた我が弟・・・バス・フォン・クロードは俺の顔を見ると笑顔を浮かべた。
「お久しぶりです兄様!」
「ああ、久しぶりだなバス・・・身長伸びたな」
バスはその俺の言葉に「そうかな?」と嬉しそうに笑った。
バス・フォン・クロード。
この国の第二王子にして、俺の弟・・・現在12才の弟は兄とはえらい対照的に素直な性格をしているらしく、記憶にある限りでも兄のアルトをかなり慕っていたようだ。
と、そんなことより・・・
「久しぶりに帰ってきてこんな話をするのもどうかと思ったんだが・・・お前に聞きたいことがあってな」
「聞きたいこと?」
「ああ・・・アスター王国の姫様についてなんだが・・・珍しくお前が苛立ったと聞いてね」
「その話でしたか。お恥ずかしいです・・・でも、僕はあの人が嫌いです」
珍しくきっぱりと断言するバス・・・心なしか表情も怒っているように思えた。
「最初は別に構わなかったんですが・・・あまりにも人を見ないあの態度が気に入らなくてつい・・・」
「人を見ない?」
「ええ。なんというか・・・人を人だと思ってないみたいな・・・まるで視点が違うような見下した?とは少し違う態度がどうにも好きになれなくて・・・」
・・・・・・バスはかなり鋭いかもしれない。
もし、それが本当に記憶持ちのヒロインなら・・・人間をキャラと認識しているなら、その態度も頷ける。
「他には何かあるか?」
「他ですか?うーん・・・」
しばらく考えこんでからバスは「そういえば・・・」と思い出したように言った。
「会話の中で時々変な単語が多かったですね」
「変な単語?」
俺の質問にバスは「ええ・・・」と思い出すように眉間に皺を寄せて言った。
「なんでしたっけ・・・『悪役令嬢』?とか、『ヒロイン』とか、物語の話なのか変なことばかり言っていましたね」
・・・・・・頭の緩そうなヒロイン様か?
いや・・・どうなんだろ・・・
「僕が思い出せるのはそれくらいで・・・すみません兄様・・・」
しゅんとするバスに俺は笑顔で頭を撫でて言った。
「いや・・・十分だよ。ありがとうバス」
「そ、そうですか?なんか兄様に初めて誉められて照れます・・・」
アルトさんよ・・・こんなに素直な弟くんにもう少し構ってあげてもよかっただろうに・・・
「あ、僕からも一つ聞いてもいいですか?」
「ん?なんだ?」
「兄様がエミリーさんとラブラブになったというのは本当ですか?」
「んー・・・まあ、そうだな」
ラブラブ、イチャイチャなので間違いではないだろう。
そんな俺の返事にバスは嬉しそうに微笑んだ。
「そうなんだ・・・良かったです!エミリーさんは兄様のことをずっと慕っていたので・・・」
「エミリーから何か聞いていたのか?」
「いいえ。ただ、見ていてなんとなくそう感じただけです。エミリーさんが兄様の前だとそういう雰囲気に見えて・・・」
バスは・・・・かなり感受性の強い子のようだ。
人の感情の機敏に敏感な・・・・ある意味凄い才能があるみたいだ。うん。これはアルトさんが知ってたらまたさらに絶望しそうなことだな・・・
そういえば・・・
「なぁ・・・バスは王様になりたいか?」
「え?」
「いや、ふと思ってな・・・・」
基本的に俺が王太子になっているから気にしてなかったが・・・あの父親の姿をみて憧れたり、やりたいとバスが思うのか少し気になったのだ。
そんな俺の質問にバスは・・・首を横にふった。
「僕には向きませんから・・・兄様の方が素質があると思います」
「わからんぞ?お前にも素質があるかもしれないし・・・」
「いいえ・・・僕には、国民のために国を動かすことは出来ません。国を仕切ることも、他人の期待に応えるのも苦手なので・・・それに僕はなりたいものがありますから」
「なりたいもの?」
その俺の言葉にバスは「本当は秘密なんですが・・・」と言ってからなにかを奥の部屋から持ってきた。
見ればそれは・・・
「・・・絵か?」
町の風景画がかかれたそれは・・・かなり上手いと素人から見てもわかるレベルだ。
「ええ・・・僕は絵を描いてると心が落ち着くんです。だから・・・僕は将来絵描きになりたいんです」
・・・・12才の子供の発言とは思えないが・・・ほんとによく出来た弟だことで。
にしても絵とは・・・たしかに感受性の強いタイプは芸術方面が強いと聞いたことがあるが・・・うん。これだけ上手いなら・・・
「なら・・・俺とエミリーの姿を今度絵にしてくれないか?」
「え?ぼ、僕でいいんですか?」
驚いたような表情をするバスに俺は笑顔で頭を撫でて言った。
「ああ。弟に最愛の婚約者との絵を描いてもらう・・・これだけ嬉しいこともなかなかないだろ?」
「兄様・・・は、はい!僕の絵でよければ!」
そんな感じでヒロイン候補の姫様の情報を少し集めつつ兄弟の親睦もはかった。
話していて、やっぱりバスはこの年齢にしてはかなり聡くて、落ち着いてるのに素直な・・・アルトさんとは対照的な感じなのでかなり驚いたが・・・今回のことでそこそこ前より仲良くなれたと思う。
ヒロイン候補の姫様の情報は少し集まったが・・・面倒なタイプなのは間違いないと断言できる。
まあ、エミリーの害にならなければいいが・・・いつでも潰せるようにステンバーイだけはしておこう。うん。
エミリー同伴でもいいんだが・・・情報収集のためには俺一人の方が都合がいいからだ。
アルトの記憶を頼りにその部屋の前につくと部屋の前の護衛が俺に気づいて敬礼をとった。
「これはアルト様・・・」
「あぁ、それはいいから・・・バスはいるか?」
「バス様は現在おられますが・・・何かご用ですか?」
「少し話がしたくてな・・・バスが大丈夫ならだが」
俺のその言葉に護衛は驚いたような表情を浮かべてからすぐに答えた。
「・・・少々お待ちください」
それからそんなに待つことなくすんなり部屋に入れた。
応接間に似たような作りだが、どことなくお洒落な部屋の椅子に座っていた我が弟・・・バス・フォン・クロードは俺の顔を見ると笑顔を浮かべた。
「お久しぶりです兄様!」
「ああ、久しぶりだなバス・・・身長伸びたな」
バスはその俺の言葉に「そうかな?」と嬉しそうに笑った。
バス・フォン・クロード。
この国の第二王子にして、俺の弟・・・現在12才の弟は兄とはえらい対照的に素直な性格をしているらしく、記憶にある限りでも兄のアルトをかなり慕っていたようだ。
と、そんなことより・・・
「久しぶりに帰ってきてこんな話をするのもどうかと思ったんだが・・・お前に聞きたいことがあってな」
「聞きたいこと?」
「ああ・・・アスター王国の姫様についてなんだが・・・珍しくお前が苛立ったと聞いてね」
「その話でしたか。お恥ずかしいです・・・でも、僕はあの人が嫌いです」
珍しくきっぱりと断言するバス・・・心なしか表情も怒っているように思えた。
「最初は別に構わなかったんですが・・・あまりにも人を見ないあの態度が気に入らなくてつい・・・」
「人を見ない?」
「ええ。なんというか・・・人を人だと思ってないみたいな・・・まるで視点が違うような見下した?とは少し違う態度がどうにも好きになれなくて・・・」
・・・・・・バスはかなり鋭いかもしれない。
もし、それが本当に記憶持ちのヒロインなら・・・人間をキャラと認識しているなら、その態度も頷ける。
「他には何かあるか?」
「他ですか?うーん・・・」
しばらく考えこんでからバスは「そういえば・・・」と思い出したように言った。
「会話の中で時々変な単語が多かったですね」
「変な単語?」
俺の質問にバスは「ええ・・・」と思い出すように眉間に皺を寄せて言った。
「なんでしたっけ・・・『悪役令嬢』?とか、『ヒロイン』とか、物語の話なのか変なことばかり言っていましたね」
・・・・・・頭の緩そうなヒロイン様か?
いや・・・どうなんだろ・・・
「僕が思い出せるのはそれくらいで・・・すみません兄様・・・」
しゅんとするバスに俺は笑顔で頭を撫でて言った。
「いや・・・十分だよ。ありがとうバス」
「そ、そうですか?なんか兄様に初めて誉められて照れます・・・」
アルトさんよ・・・こんなに素直な弟くんにもう少し構ってあげてもよかっただろうに・・・
「あ、僕からも一つ聞いてもいいですか?」
「ん?なんだ?」
「兄様がエミリーさんとラブラブになったというのは本当ですか?」
「んー・・・まあ、そうだな」
ラブラブ、イチャイチャなので間違いではないだろう。
そんな俺の返事にバスは嬉しそうに微笑んだ。
「そうなんだ・・・良かったです!エミリーさんは兄様のことをずっと慕っていたので・・・」
「エミリーから何か聞いていたのか?」
「いいえ。ただ、見ていてなんとなくそう感じただけです。エミリーさんが兄様の前だとそういう雰囲気に見えて・・・」
バスは・・・・かなり感受性の強い子のようだ。
人の感情の機敏に敏感な・・・・ある意味凄い才能があるみたいだ。うん。これはアルトさんが知ってたらまたさらに絶望しそうなことだな・・・
そういえば・・・
「なぁ・・・バスは王様になりたいか?」
「え?」
「いや、ふと思ってな・・・・」
基本的に俺が王太子になっているから気にしてなかったが・・・あの父親の姿をみて憧れたり、やりたいとバスが思うのか少し気になったのだ。
そんな俺の質問にバスは・・・首を横にふった。
「僕には向きませんから・・・兄様の方が素質があると思います」
「わからんぞ?お前にも素質があるかもしれないし・・・」
「いいえ・・・僕には、国民のために国を動かすことは出来ません。国を仕切ることも、他人の期待に応えるのも苦手なので・・・それに僕はなりたいものがありますから」
「なりたいもの?」
その俺の言葉にバスは「本当は秘密なんですが・・・」と言ってからなにかを奥の部屋から持ってきた。
見ればそれは・・・
「・・・絵か?」
町の風景画がかかれたそれは・・・かなり上手いと素人から見てもわかるレベルだ。
「ええ・・・僕は絵を描いてると心が落ち着くんです。だから・・・僕は将来絵描きになりたいんです」
・・・・12才の子供の発言とは思えないが・・・ほんとによく出来た弟だことで。
にしても絵とは・・・たしかに感受性の強いタイプは芸術方面が強いと聞いたことがあるが・・・うん。これだけ上手いなら・・・
「なら・・・俺とエミリーの姿を今度絵にしてくれないか?」
「え?ぼ、僕でいいんですか?」
驚いたような表情をするバスに俺は笑顔で頭を撫でて言った。
「ああ。弟に最愛の婚約者との絵を描いてもらう・・・これだけ嬉しいこともなかなかないだろ?」
「兄様・・・は、はい!僕の絵でよければ!」
そんな感じでヒロイン候補の姫様の情報を少し集めつつ兄弟の親睦もはかった。
話していて、やっぱりバスはこの年齢にしてはかなり聡くて、落ち着いてるのに素直な・・・アルトさんとは対照的な感じなのでかなり驚いたが・・・今回のことでそこそこ前より仲良くなれたと思う。
ヒロイン候補の姫様の情報は少し集まったが・・・面倒なタイプなのは間違いないと断言できる。
まあ、エミリーの害にならなければいいが・・・いつでも潰せるようにステンバーイだけはしておこう。うん。
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