悪役令嬢は溺愛される

yui

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妹が可愛い!・・・家族的な意味で

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「バス様・・・フォルテ様がお見えになりましたが・・・」

バスと話しているとバスの侍女がそうバスに話しかけた。
フォルテって・・・

「通してください。あ、アルト兄様がいることも伝えてくださいね」

「はい・・・」

侍女はバスの笑みに少し赤くなりながらも頷いた・・・・ん?大丈夫だよね?ショタコンとかだったら最悪父上に侍女の交代を進言しよう・・・

「おにいさま?」

そんなことを考えていたら金髪の可愛いらしい幼女が姿を表した・・・うん。まあ、妹なんだけどね。

フォルテ・フォン・クロード・・・今年で5才になるこの国の第二王女で・・・アルトとバスの実の妹だ。

俺はフォルテに笑顔で答えた。

「久しぶりフォルテ・・・・俺のことは覚えてるか?」

俺の返事にこくこくと頷いたフォルテだが・・・はっとして、そのまま恥ずかしいのか椅子の後ろに隠れてしまった。お兄ちゃん地味にショック・・・

「バス・・・あれは照れてるんだよな?」

「きっと、久しぶりに兄様に会えて嬉しいけど、驚いてるんだと思いますよ?」

バスの言葉にたしかにと思う。
アルトさん家族とそこそこの距離だったから・・・仕方ないのかな?

まあ、でもせっかくの家族とは仲良くしたいし、少し積極的に行くか・・・

そう思い俺はフォルテの方に近づくと膝をついて目線をフォルテに合わせると笑顔で言った。

「大きくなっなフォルテ」

「・・・・アルトおにいさま?」

「うん。そうだよ。よしよし」

思わず頭を撫でてあげると・・・フォルテは驚いたような表情を浮かべてから・・・猫のような気持ち良さそうな表情に変わった。

「んにゃー・・・・」


・・・・訂正。猫になっていた。
そうか・・・なんかバスとフォルテを見たときに思っていたことだけど・・・バスは犬っぽくて、フォルテは猫っぽいんだ。

なんか頭のいい犬っぽいバスと自由そうな猫みたいなフォルテ・・・うん。一度そう考えるとそうとしか思えなくなってきた。

もう一人の妹で、第一王女のソプラ・フォン・クロードもアルトの記憶の通りなら猫っぽい・・・というか、常に刺々しかったような気がするが、残念ながらソプラは現在、他の国に留学中らしいので本物は会えなかった。

まあ、そのうち会えるからいいかな?

「アルトおにいさま?」

そんなことを考えていたらフォルテが話しかけてきた。

「なんだい?」

「アルトおにいさま・・・なんかかわった」

「変わった?」

俺の言葉に「うん」と首肯くフォルテ。

「なんか・・・あったかくなった」

「温かくか・・・」

バスと同じように感受性の強いタイプなのか?
なんだろ・・・天然なのかはわからないが二人とも天才タイプに思えるよ。

確かもう一人の妹であるソプラもそこそこ優秀なはずだし・・・アルトさんがグレそうなる原因の一端はこれだったのかな?

アルトさんはどちらかと言えば秀才タイプ・・・努力型の人間だから、天然なタイプの家族に、優秀な婚約者と周りのスペックとの違いに悩まされたのかもしれないな。

まあ・・・今の俺には関係ないけどね。

「よしよし・・・」

「んにゃー・・・」

なんだろ・・・撫でてると子猫を愛でる時のような愛情が沸くよ。

エミリーの時の愛情がほとばしるようなものだとしたら、これはそう・・・よしよしと撫でてると幸せになるタイプの愛情だな。

いや、もちろんエミリーのことは大好きだし、一番だけど・・・妹というのも可愛いと思えるよね。

家族愛的なもの・・・・まあ、一番はエミリーには変わりないが、家族愛は恋愛とはまた別のベクトルだからね。

「兄様・・・あの・・・僕も撫でてくれない?」

そんなことを考えていたら、バスがおずおずとそう言ってきた。

「いいけど・・・俺でいいのか?」

「うん・・・あんまり兄様には構って貰えなかったから嬉しい」

・・・・弟も素直で可愛いね。
男の兄弟なんてウザイ場合が多そうだけど・・・年の差なのか、視点が違うからなのか素直に可愛いと思える。

なんだろ・・・俺はブラコンとシスコンに一気に目覚めるかもしれない。

そんな感じで両手が疲れるまで弟と妹の頭を撫でてあげることになったが・・・なんとなく、今までのアルトさんの罪滅ぼしが出来た気分にはなったね。

いや・・・実際には違うかもしれないが・・・気分の問題だよね。

ちなみに、今まで撫でた中でもっとも髪の質がいいのはエミリーだと個人的には思えた。

あ、リプレイはしないよ。

したら興奮してそれどころではなくなる・・・というか、弟と妹の前でかなりヤバイ顔になりそうだから、

もうね・・・最近「エミリー」という単語だけで顔が自然とにやけるようになってきているから、マジでヤバイかもしれない。

え?病気だって?

エミリーで病むなら本望だ!

いや・・・エミリーを病気扱いは許さないが、たしかに中毒性は強いかも・・・一度知れば止められないこの魅力・・・流石俺のエミリーだ!

まあ、他の奴には渡さないけどね!

そんな感じで内心でエミリーのことを思いつつも兄弟の絆を密かに高めたのだった。
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