59 / 79
絶対に守る
しおりを挟む
迂闊だった・・・よもやこちらの予測より早くヒロイン候補が動き出していたなんて・・・!
エミリーを乗せた馬車が出たのはつい先程のはず・・・!
「ジークフリード!」
「こちらに」
俺が走りながら叫ぶと並走しながらイケメン執事が現れた。
「馬と兵の準備はできてるか!」
「馬はアルト様の乗馬用の馬ならすぐに・・・兵に関してはあまり期待できません」
「どういうことだ!」
「町の南側で現在賊と思われる集団が暴れてまして、警備の兵は皆そちらに出されています。また、先程城にも不審な者が侵入しようとしたらしく、現状動けるの兵はほとんどいません」
どうやらまんまと嵌められたらしい。
にしてもいくらなんでも行動が早すぎる!
これでは事前にかなり仕込んでおかれたとしか思えないが・・・
町の混乱に、あからさまに兵士の不足。
そして、タイミングのいいヒロイン候補の動き・・・何もかも計算されていたとしか思えないほどの事態だ。
くそ・・・!
「ロインとマリーナは城か?」
「はい」
なら、二人に問題はない。
それなら・・・
「ジークフリード!お前一人で何人捌ける?」
「ご命令ならば何千、何万でも殺しますよ」
「なら上出来だ!行くぞ!」
頼れる人外執事を連れて俺は馬小屋へと走った。
「アルト!」
馬小屋に着くと何故かロインがいた。
俺は息を整えてからロインに尋ねた。
「どうしてお前がここに?」
「城が騒がしくて、もしかしてと思ってね・・・僕も行くよ」
「・・・いや、お前はマリーナを守れ」
俺の返事にロインは顔をしかめた。
「・・・親友が無茶をしようとするのを黙って見ていろと?」
「わかれ・・・というか、大丈夫だ。ジークフリードがいるから万が一のことはない」
「・・・やっぱり二人で行くつもりなの?」
鋭い親友に俺は頷いた。
「エミリーが危険かもしれない・・・というか、確実にエミリーの馬車は狙われているだろう」
先程のヒロイン候補の自信満々な態度・・・悔しいが今まさに襲われていても不思議じゃない状況だ。
とはいえ・・・
「エミリーの馬車の護衛には手練れが何人かいるから数が多くてもなんとかまだ耐えれているはずだ。俺は今から急いでエミリーを助けにいく」
有事の際の保険・・・護衛の質を大分前から上げたからそうそうエミリーにはたどり着けないはずだ・・・今のうちに人外執事とエミリーの元に向かう。
そんな俺にロインは険しい表情で聞いてきた。
「止めても無駄なんだよね?」
「好きな人が危ない目にあってるかもしれない・・・なら、助けるのが当たり前だろ?」
俺の言葉にしばし黙ってからロインはため息をついた。
「・・・わかった。マリーナと留守番をしてるよ。ただ・・・エミリーのことしっかり守って、アルトも無事に帰ってきてよ?」
「当たり前だ」
ロインにそう言ってから俺は自分・・・アルトの愛馬である白馬に乗ってエミリーの元を目指す。
絶対に守る・・・!
俺のエミリーを・・・!
エミリーを乗せた馬車が出たのはつい先程のはず・・・!
「ジークフリード!」
「こちらに」
俺が走りながら叫ぶと並走しながらイケメン執事が現れた。
「馬と兵の準備はできてるか!」
「馬はアルト様の乗馬用の馬ならすぐに・・・兵に関してはあまり期待できません」
「どういうことだ!」
「町の南側で現在賊と思われる集団が暴れてまして、警備の兵は皆そちらに出されています。また、先程城にも不審な者が侵入しようとしたらしく、現状動けるの兵はほとんどいません」
どうやらまんまと嵌められたらしい。
にしてもいくらなんでも行動が早すぎる!
これでは事前にかなり仕込んでおかれたとしか思えないが・・・
町の混乱に、あからさまに兵士の不足。
そして、タイミングのいいヒロイン候補の動き・・・何もかも計算されていたとしか思えないほどの事態だ。
くそ・・・!
「ロインとマリーナは城か?」
「はい」
なら、二人に問題はない。
それなら・・・
「ジークフリード!お前一人で何人捌ける?」
「ご命令ならば何千、何万でも殺しますよ」
「なら上出来だ!行くぞ!」
頼れる人外執事を連れて俺は馬小屋へと走った。
「アルト!」
馬小屋に着くと何故かロインがいた。
俺は息を整えてからロインに尋ねた。
「どうしてお前がここに?」
「城が騒がしくて、もしかしてと思ってね・・・僕も行くよ」
「・・・いや、お前はマリーナを守れ」
俺の返事にロインは顔をしかめた。
「・・・親友が無茶をしようとするのを黙って見ていろと?」
「わかれ・・・というか、大丈夫だ。ジークフリードがいるから万が一のことはない」
「・・・やっぱり二人で行くつもりなの?」
鋭い親友に俺は頷いた。
「エミリーが危険かもしれない・・・というか、確実にエミリーの馬車は狙われているだろう」
先程のヒロイン候補の自信満々な態度・・・悔しいが今まさに襲われていても不思議じゃない状況だ。
とはいえ・・・
「エミリーの馬車の護衛には手練れが何人かいるから数が多くてもなんとかまだ耐えれているはずだ。俺は今から急いでエミリーを助けにいく」
有事の際の保険・・・護衛の質を大分前から上げたからそうそうエミリーにはたどり着けないはずだ・・・今のうちに人外執事とエミリーの元に向かう。
そんな俺にロインは険しい表情で聞いてきた。
「止めても無駄なんだよね?」
「好きな人が危ない目にあってるかもしれない・・・なら、助けるのが当たり前だろ?」
俺の言葉にしばし黙ってからロインはため息をついた。
「・・・わかった。マリーナと留守番をしてるよ。ただ・・・エミリーのことしっかり守って、アルトも無事に帰ってきてよ?」
「当たり前だ」
ロインにそう言ってから俺は自分・・・アルトの愛馬である白馬に乗ってエミリーの元を目指す。
絶対に守る・・・!
俺のエミリーを・・・!
1
あなたにおすすめの小説
モブなのに、転生した乙女ゲームの攻略対象に追いかけられてしまったので全力で拒否します
みゅー
恋愛
乙女ゲームに、転生してしまった瑛子は自分の前世を思い出し、前世で培った処世術をフル活用しながら過ごしているうちに何故か、全く興味のない攻略対象に好かれてしまい、全力で逃げようとするが……
余談ですが、小説家になろうの方で題名が既に国語力無さすぎて読むきにもなれない、教師相手だと淫行と言う意見あり。
皆さんも、作者の国語力のなさや教師と生徒カップル無理な人はプラウザバック宜しくです。
作者に国語力ないのは周知の事実ですので、指摘なくても大丈夫です✨
あと『追われてしまった』と言う言葉がおかしいとの指摘も既にいただいております。
やらかしちゃったと言うニュアンスで使用していますので、ご了承下さいませ。
この説明書いていて、海外の商品は訴えられるから、説明書が長くなるって話を思いだしました。
【完結】悪役令嬢はおねぇ執事の溺愛に気付かない
As-me.com
恋愛
完結しました。
自分が乙女ゲームの悪役令嬢に転生したと気付いたセリィナは悪役令嬢の悲惨なエンディングを思い出し、絶望して人間不信に陥った。
そんな中で、家族すらも信じられなくなっていたセリィナが唯一信じられるのは専属執事のライルだけだった。
ゲームには存在しないはずのライルは“おねぇ”だけど優しくて強くて……いつしかセリィナの特別な人になるのだった。
そしてセリィナは、いつしかライルに振り向いて欲しいと想いを募らせるようになるのだが……。
周りから見れば一目瞭然でも、セリィナだけが気付かないのである。
※こちらは「悪役令嬢とおねぇ執事」のリメイク版になります。基本の話はほとんど同じですが、所々変える予定です。
こちらが完結したら前の作品は消すかもしれませんのでご注意下さい。
ゆっくり亀更新です。
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。
ヒロイン不在だから悪役令嬢からお飾りの王妃になるのを決めたのに、誓いの場で登場とか聞いてないのですが!?
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
ヒロインがいない。
もう一度言おう。ヒロインがいない!!
乙女ゲーム《夢見と夜明け前の乙女》のヒロインのキャロル・ガードナーがいないのだ。その結果、王太子ブルーノ・フロレンス・フォード・ゴルウィンとの婚約は継続され、今日私は彼の婚約者から妻になるはずが……。まさかの式の最中に突撃。
※ざまぁ展開あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる