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閑話 白馬の王子様(エミリー)
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「外が騒がしいですが・・・何かあったのですか?」
私は、実家に戻る馬車に乗っていると何やら突然馬車が止まり、外が騒がしくなったので侍女にそう聞きました。
すると侍女は何やら慌てたように笑顔を浮かべて「大丈夫ですよエミリー様」と言われてしまいましたが・・・どう考えても大丈夫ではなさそうです。
外から聞こえてくるのは激しい鉄のぶつかるような音なので・・・荒事でしょうか?
そんなことを考えていると不意に馬車の扉が開き、見知らぬ男が一人入ってきました。
「エミリー様、お下がりください!」
そう言って私の前にどこからか出したナイフを持って侍女が立ちます。
男はそれを見て冷静に告げました。
「・・・・そいつが例の奴か。悪いが渡してもらうぞ」
男がそう言って私目掛けて剣を振るうのと、キンとそれを侍女がナイフで受け止めたのは同時でした。
「エミリー様!お逃げください!」
正直、訳がわかりませんでしたが・・・私は侍女に言われた通り、侍女が男を足止めしてる間に外に出ます。
「なっ・・・・これは・・・」
外は地獄としか思えない光景でした。
集団で襲ってきている男達を馬車の護衛の兵士が何人かでなんとか押さえてますが・・・地面には馬車に乗る前に話したはずの兵士や見知らぬ男が血まみれになって倒れていて、地獄としか表現できない有り様でした。
そのあまりにも凄惨な光景に呆然としていると護衛の兵士の一人が私を見て目を見張ります。
「エミリー様!どうして・・・」
「ほう・・・そいつが例の令嬢か・・・」
気がつけば私の前にまた別の男が血まみれの剣を持って立っていました。
「あ、あの・・・」
「お逃げください!エミリー様!」
「遅えよ・・・恨みはないがこれも仕事だ・・・死ね」
護衛が叫びますが私は突然の事態に思考が追い付かずフリーズしてしまいます。
ゆっくりと、目の前の男の剣が私目掛けて降り下ろされていくのをみて、私は恐怖より先に口を開いていました。
「アルト様・・・」
なんでこんなことになったのかわかりませんでしたが・・・最後にあなたと共にいられないことをお許しください。
そんな思いで目を静かに瞑ります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・しばらくしても、襲ってくるはずの衝撃は来ずに、変わりに私は、ふわりと何かに抱き締められるように・・・優しく力強い・・・まるで、アルト様の腕の中にいるような感覚になりました。
「大丈夫か?エミリー?」
そんな優しい声まで聞こえてきました・・・あれ?
「あ、アルト様・・・?」
目を開けばそこには白馬に乗って私を抱き締めてホッとしたような表情のアルト様が・・・
「遅れてごめん・・・怪我はないかい?」
優しくそう告げるアルト様の姿は・・・何よりもかっこ良かったです。
私は、実家に戻る馬車に乗っていると何やら突然馬車が止まり、外が騒がしくなったので侍女にそう聞きました。
すると侍女は何やら慌てたように笑顔を浮かべて「大丈夫ですよエミリー様」と言われてしまいましたが・・・どう考えても大丈夫ではなさそうです。
外から聞こえてくるのは激しい鉄のぶつかるような音なので・・・荒事でしょうか?
そんなことを考えていると不意に馬車の扉が開き、見知らぬ男が一人入ってきました。
「エミリー様、お下がりください!」
そう言って私の前にどこからか出したナイフを持って侍女が立ちます。
男はそれを見て冷静に告げました。
「・・・・そいつが例の奴か。悪いが渡してもらうぞ」
男がそう言って私目掛けて剣を振るうのと、キンとそれを侍女がナイフで受け止めたのは同時でした。
「エミリー様!お逃げください!」
正直、訳がわかりませんでしたが・・・私は侍女に言われた通り、侍女が男を足止めしてる間に外に出ます。
「なっ・・・・これは・・・」
外は地獄としか思えない光景でした。
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そのあまりにも凄惨な光景に呆然としていると護衛の兵士の一人が私を見て目を見張ります。
「エミリー様!どうして・・・」
「ほう・・・そいつが例の令嬢か・・・」
気がつけば私の前にまた別の男が血まみれの剣を持って立っていました。
「あ、あの・・・」
「お逃げください!エミリー様!」
「遅えよ・・・恨みはないがこれも仕事だ・・・死ね」
護衛が叫びますが私は突然の事態に思考が追い付かずフリーズしてしまいます。
ゆっくりと、目の前の男の剣が私目掛けて降り下ろされていくのをみて、私は恐怖より先に口を開いていました。
「アルト様・・・」
なんでこんなことになったのかわかりませんでしたが・・・最後にあなたと共にいられないことをお許しください。
そんな思いで目を静かに瞑ります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・しばらくしても、襲ってくるはずの衝撃は来ずに、変わりに私は、ふわりと何かに抱き締められるように・・・優しく力強い・・・まるで、アルト様の腕の中にいるような感覚になりました。
「大丈夫か?エミリー?」
そんな優しい声まで聞こえてきました・・・あれ?
「あ、アルト様・・・?」
目を開けばそこには白馬に乗って私を抱き締めてホッとしたような表情のアルト様が・・・
「遅れてごめん・・・怪我はないかい?」
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