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鬼神の執事
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「あれか・・・!」
馬車を見つけた時にはすでに周りは賊とおぼしき集団に囲まれており、護衛の兵士も何人かやられたようだ。
肝心のエミリーの姿が見えないが・・・まだ馬車の中か?
「アルト様・・・道を作ります」
そんなことを考えていたら隣で並走していたジークフリードがそう言った。
ということは・・・エミリーはまだ馬車の中の可能性が高いのか?
そんな俺の疑問を解消させたのは他ならぬエミリー自身の訳で・・・つまり、エミリーが馬車から出てきたのが見えたのだ。
そして、そのエミリーの目の前に剣を持った男が近づいたのも見えた。
「エミリー・・・!」
鬼神のように賊を蹴散らして道を作るジークフリードに感謝しつつ俺はエミリーに剣を降り下ろそうとする男を馬で跳ねて、変わりにエミリーを抱き止めた。
「大丈夫か?エミリー?」
そう聞けばエミリーはうっすらと目を開き、「あ、アルト様・・・」と呟いた・・・良かった間に合って・・・
「遅れてごめん・・怪我はないかい?」
そう聞けばエミリーはうっすらと目に涙を浮かべて、俺にすがるように抱きついてきた。
「アルト様・・・!わ、私・・・私・・・」
「エミリー・・・大丈夫。大丈夫だから」
・・・・そうだよな。いきなりこんな残酷な光景を見せられたらエミリーもショックを受けるよな。
・・・・なんか段々とイラついてきた。
俺の可愛いエミリーの精神を傷つけるなんて・・・万死に値する!
見たところエミリー自身には何もされてないが・・・・こんな胸糞悪い光景を俺のエミリーに見せるなんて許せん!
一刻も早く片付けねば・・・!
「ジークフリード!」
今、戦場を圧倒的に蹂躙するイケメン執事に俺は・・・
「蹴散らせ!」
「御意」
俺の言葉に一瞬でこちらに近づいてきたジークフリードはニヤリと笑ってから、閃光のごとく戦場を駆け抜けた。
うわー・・・・ジークフリードさんヤベー・・・やっぱり人間じゃないよね。
だって、一人でさっきから何人もの賊を蹴散らして、尚且つ俺とエミリーの元に来ないようにフォローしてるんだからマジで。
俺もさっきからエミリーを守りながら馬を安全地帯に走らせるが・・・必要ないレベルだよね。
数分もしないうちに不利だった戦場はあっさりとケリがつき、残っているのは護衛のメンバーが半分と、ジークフリードと俺とエミリーだけになっていた。
とりあえず・・・守れてよかった・・・
馬車を見つけた時にはすでに周りは賊とおぼしき集団に囲まれており、護衛の兵士も何人かやられたようだ。
肝心のエミリーの姿が見えないが・・・まだ馬車の中か?
「アルト様・・・道を作ります」
そんなことを考えていたら隣で並走していたジークフリードがそう言った。
ということは・・・エミリーはまだ馬車の中の可能性が高いのか?
そんな俺の疑問を解消させたのは他ならぬエミリー自身の訳で・・・つまり、エミリーが馬車から出てきたのが見えたのだ。
そして、そのエミリーの目の前に剣を持った男が近づいたのも見えた。
「エミリー・・・!」
鬼神のように賊を蹴散らして道を作るジークフリードに感謝しつつ俺はエミリーに剣を降り下ろそうとする男を馬で跳ねて、変わりにエミリーを抱き止めた。
「大丈夫か?エミリー?」
そう聞けばエミリーはうっすらと目を開き、「あ、アルト様・・・」と呟いた・・・良かった間に合って・・・
「遅れてごめん・・怪我はないかい?」
そう聞けばエミリーはうっすらと目に涙を浮かべて、俺にすがるように抱きついてきた。
「アルト様・・・!わ、私・・・私・・・」
「エミリー・・・大丈夫。大丈夫だから」
・・・・そうだよな。いきなりこんな残酷な光景を見せられたらエミリーもショックを受けるよな。
・・・・なんか段々とイラついてきた。
俺の可愛いエミリーの精神を傷つけるなんて・・・万死に値する!
見たところエミリー自身には何もされてないが・・・・こんな胸糞悪い光景を俺のエミリーに見せるなんて許せん!
一刻も早く片付けねば・・・!
「ジークフリード!」
今、戦場を圧倒的に蹂躙するイケメン執事に俺は・・・
「蹴散らせ!」
「御意」
俺の言葉に一瞬でこちらに近づいてきたジークフリードはニヤリと笑ってから、閃光のごとく戦場を駆け抜けた。
うわー・・・・ジークフリードさんヤベー・・・やっぱり人間じゃないよね。
だって、一人でさっきから何人もの賊を蹴散らして、尚且つ俺とエミリーの元に来ないようにフォローしてるんだからマジで。
俺もさっきからエミリーを守りながら馬を安全地帯に走らせるが・・・必要ないレベルだよね。
数分もしないうちに不利だった戦場はあっさりとケリがつき、残っているのは護衛のメンバーが半分と、ジークフリードと俺とエミリーだけになっていた。
とりあえず・・・守れてよかった・・・
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大変失礼いたしました。77から再度お読みいただくと話がちゃんとつながります。
ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
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