悪役令嬢は溺愛される

yui

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この温もり・・・プライスレス!

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その場の処理はジークフリードに任せて俺とエミリーは公爵家にいた。

さて、俺の可愛いエミリーはといえば・・・

「アルト様・・・すみません・・・」

・・・ご覧のようにまたもや申し訳なさそうにしていた。

あれだけ衝撃的な目にあって、最初に出たのはそんな申し訳なさそうな言葉・・・どこまで天使なんだエミリーは!

いや、いかんいかん。落ち着け俺・・・どうにも急いで来たものだからアドレナリンが出まくって普段より興奮しやすくなってる。

・・・・え?エミリーへの気持ちはいつも通り?

仕方ない。なにせエミリーの可愛いさはデフォルトだからね。この美に抗える人間は人間じゃない・・・きっと美醜の感覚がない別の生き物ですよ。うん。

と、そんなことより・・・

俺はエミリーの頭を撫でてイケメンアルトさんスマイルで落ち着かせるように言った。

「エミリーのせいではないさ。それにエミリーが無事で良かったよ」

「でも、私のせいで何人かの人が・・・それにアルト様にも危ない目にあわせてしまって・・・」

どこまで健気なんだエミリー!

「幸い死者は出なかったんだから大丈夫だよ。怪我をした者も後遺症が残るほど大きい者もいないし・・・私としてはエミリーの無事が一番だよ」

そう・・・あれだけ熾烈な戦いなのにこちらは死者は出なかった。
大怪我した者は多かったが・・・人外イケメン執事のジークフリードがどこからか入手してきたプレミアつきの防具のお陰で致命傷は避けたようだったのだ。

素材が何かは聞かない。

ドラゴンの鱗とか言われてもきっと信じるレベルだよ。あの防具。

「ですが・・・」

それでもやはりさっきのことがショックなのかシュンとするエミリーに俺は無理矢理気味に抱き締めて言った。

「エミリー・・・あまり一人で抱え込まないでいいんだよ」

「あ、アルト様?」

「エミリーはなんでも背負い込むから改めて言うけど・・・私とエミリーは婚約者だ。いずれ夫婦になる。なら、一人でなんでも背負い込まないで、二人で歩いていこうよ」

「で、ですが・・・それではアルト様ばかりに寄りかかってしまいます・・・」

・・・他人の心配ばかりする。
本当に優しくて・・・純粋なエミリーのその姿が俺には眩しくて・・・・可愛いすぎる!

と、いかんいかん。落ち着け・・・・

「それでいいんだよ。それに・・・私もエミリーに頼ることもあるしね」

「わ、私に?」

「そう・・・エミリーにしか出来ないこと・・・私はエミリーに甘えて欲しいんだよ」

俺のその言葉にキョトンとしてからエミリーは顔を赤くした。

「な、そ、それはどういう・・・」

「私がエミリーに求めるのは愛情・・・これではダメかい?」

「だ、ダメです・・・それじゃあ、私が一方的に幸せでアルト様が大変ーーー」

続けようとした言葉は俺が唇で押さえつけた。
端的に言えばキスして黙らせた。

一瞬の・・・短いキスだが、エミリーはその行為に今までの思考を忘れてぽーとする。
そんなエミリーに俺は・・・微笑んで言った。

「それ以上言うなら・・・今度は大人のキスで黙らせるからね?」

ぼふん!そんな効果音が似合いそうなほどに真っ赤になるエミリー・・・うん。可愛いすぎる!


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