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6話
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お姉様とレオンハルト様が言い合いをしている横では、グレン様が呆然としたまま立ち尽くしていますわ。
そんなグレン様を情けなく思いながら、なんて切り出そうか、と悩んでいると、私の視線に気づいたのか
「ゆ、ユースティア!お、俺は騙されたんだ!」
グレン様はみっともなく、私に縋りついてこようとしましたわ。
騙された、ですか。
確かに、私に屈辱的な思いをするために甘い言葉でグレン様を誘惑したのはお姉様ですわよね。
なのでグレン様に
「えぇ、そうみたいですわね」
そう言ってニッコリと微笑むと、私に許してもらったと勘違いしたみたいであからさまにホッとした表情をしていますわ。
そして
「だ....だから婚約破棄はなかったことに.........」
と言ってきたグレン様は、希望に満ちている、と言いますか、私が断るわけがない、と言わんばかりに目を輝かせ居ていますわ。
こんな状況になっているのにも関わらず、グレン様の頭の悪さには心底ガッカリですわね。
やっぱりお姉様とグレン様はとてもお似合いですわ。
そう思いながら
「何を言っていますの?」
そう言ったときの私の声は、自分でも驚くほどに冷たい声をしていて、本当にグレン様のことなどどうとも思っていないんだな、と再認識出来ました。
まぁ、元々お父様に決められた婚約ですからね。
好きでもないですし、嫌いでもない人だった、っていうだけの話なんですが。
なんて思いながらグレン様を見ると、
「........え?」
とだけ呟いてキョトンとした顔をしながら私を見つめていますわ。
まさかそんな返事が返ってくるとは、という心境でしょうかね。
アホ面をしているグレン様に、
「こんなにも大人数の前で、婚約破棄だと叫んでおきながら、無かったことにして欲しいだなんて都合がよすぎだと思いませんか?」
そう言って辺りを見渡すと、周りで聞いている人たちは皆、私の言ったことに頷いて、グレン様には軽蔑しているような目を向けている人がほとんどですわ。
流石のグレン様も。この状況に気付いたらしく
「そ......それは.......」
と顔色を変えて、オロオロしています。
はぁ......本当におバカさんですわね。
そう思いながら、お姉様の方を見ると、いまだに王妃になることは諦められないようでレオンハルト様を怒鳴りつけていますわ。
私以外、王妃になれるわけがない、ですって。
自分の行動を思い返したらそんな発言は出来ないはずですわよね。
なんて思いながら、顔が真っ青になってしまっているグレン様に
「大体、ここ最近私に見せつけるかのようにお姉様とイチャイチャしておいて.......よくもまぁ、そんなにコロコロということを変えられますわね」
そう言って微笑むと、流石に言い返すことが出来ないようで下を向いて黙ってしまいましたわ。
ですが、本当に見せつけるかのように2人でイチャイチャしていましたのよ。
私は勿論、この会場にいる人達、それからレオンハルト様もその光景はしっかりと目にしていますわ。
さて、グレン様に言うことはもうありませんわね。
そう思って、お父様とお母様に
「お父様、お母様、グレン様からの婚約破棄、お受けてもよろしいでしょうか?」
と尋ねました。
許可されることはわかっていますが、私だけの意見ではありませんよ、という意味も込めて、ですわ。
私の質問に、お父様は
「あぁ、もちろんだ。元々、この婚約は白紙にする話は出ていたからな」
と頷いてくれたので、これで一安心ですわね。
やっとこのおバカさんと離れることが出来ますわ。
そう思ったのも束の間
「なっ.......そんな!父上!?俺は何も聞いていません!」
グレン様がそう叫んで、自分のご両親、ミンナルト侯爵たちの方を見ていますわ。
侯爵も夫人も、自分の息子の行動、発言、その他に関して、最後までグレン様を信じていた、と聞いています。
まぁ、誰もが自分の息子がそんなことをするわけがない、と思ってしまうのは当然ですし、仕方のないことかもしれませんが........。
そんなミンナルト侯爵ですが、グレン様の言葉に対して
「自分のやってきたことを考えたら当然だろう」
意外にも冷たくそう言いましたわ。
まぁ、隣にいる夫人は悲しそうに目にハンカチを当てていますが.........。
そんなグレン様を情けなく思いながら、なんて切り出そうか、と悩んでいると、私の視線に気づいたのか
「ゆ、ユースティア!お、俺は騙されたんだ!」
グレン様はみっともなく、私に縋りついてこようとしましたわ。
騙された、ですか。
確かに、私に屈辱的な思いをするために甘い言葉でグレン様を誘惑したのはお姉様ですわよね。
なのでグレン様に
「えぇ、そうみたいですわね」
そう言ってニッコリと微笑むと、私に許してもらったと勘違いしたみたいであからさまにホッとした表情をしていますわ。
そして
「だ....だから婚約破棄はなかったことに.........」
と言ってきたグレン様は、希望に満ちている、と言いますか、私が断るわけがない、と言わんばかりに目を輝かせ居ていますわ。
こんな状況になっているのにも関わらず、グレン様の頭の悪さには心底ガッカリですわね。
やっぱりお姉様とグレン様はとてもお似合いですわ。
そう思いながら
「何を言っていますの?」
そう言ったときの私の声は、自分でも驚くほどに冷たい声をしていて、本当にグレン様のことなどどうとも思っていないんだな、と再認識出来ました。
まぁ、元々お父様に決められた婚約ですからね。
好きでもないですし、嫌いでもない人だった、っていうだけの話なんですが。
なんて思いながらグレン様を見ると、
「........え?」
とだけ呟いてキョトンとした顔をしながら私を見つめていますわ。
まさかそんな返事が返ってくるとは、という心境でしょうかね。
アホ面をしているグレン様に、
「こんなにも大人数の前で、婚約破棄だと叫んでおきながら、無かったことにして欲しいだなんて都合がよすぎだと思いませんか?」
そう言って辺りを見渡すと、周りで聞いている人たちは皆、私の言ったことに頷いて、グレン様には軽蔑しているような目を向けている人がほとんどですわ。
流石のグレン様も。この状況に気付いたらしく
「そ......それは.......」
と顔色を変えて、オロオロしています。
はぁ......本当におバカさんですわね。
そう思いながら、お姉様の方を見ると、いまだに王妃になることは諦められないようでレオンハルト様を怒鳴りつけていますわ。
私以外、王妃になれるわけがない、ですって。
自分の行動を思い返したらそんな発言は出来ないはずですわよね。
なんて思いながら、顔が真っ青になってしまっているグレン様に
「大体、ここ最近私に見せつけるかのようにお姉様とイチャイチャしておいて.......よくもまぁ、そんなにコロコロということを変えられますわね」
そう言って微笑むと、流石に言い返すことが出来ないようで下を向いて黙ってしまいましたわ。
ですが、本当に見せつけるかのように2人でイチャイチャしていましたのよ。
私は勿論、この会場にいる人達、それからレオンハルト様もその光景はしっかりと目にしていますわ。
さて、グレン様に言うことはもうありませんわね。
そう思って、お父様とお母様に
「お父様、お母様、グレン様からの婚約破棄、お受けてもよろしいでしょうか?」
と尋ねました。
許可されることはわかっていますが、私だけの意見ではありませんよ、という意味も込めて、ですわ。
私の質問に、お父様は
「あぁ、もちろんだ。元々、この婚約は白紙にする話は出ていたからな」
と頷いてくれたので、これで一安心ですわね。
やっとこのおバカさんと離れることが出来ますわ。
そう思ったのも束の間
「なっ.......そんな!父上!?俺は何も聞いていません!」
グレン様がそう叫んで、自分のご両親、ミンナルト侯爵たちの方を見ていますわ。
侯爵も夫人も、自分の息子の行動、発言、その他に関して、最後までグレン様を信じていた、と聞いています。
まぁ、誰もが自分の息子がそんなことをするわけがない、と思ってしまうのは当然ですし、仕方のないことかもしれませんが........。
そんなミンナルト侯爵ですが、グレン様の言葉に対して
「自分のやってきたことを考えたら当然だろう」
意外にも冷たくそう言いましたわ。
まぁ、隣にいる夫人は悲しそうに目にハンカチを当てていますが.........。
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