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27話
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まぁ、ディアの言っていることはわかりますし、私も良い提案だと思いますわよ?
ただ今から商品を作って売る、ということに相当な気力と労力が必要になる、といいますか......。
当時の特許を取った私と今は少し違いますからね。
出来るのか、という不安の方が大きいですわよ?
そう思った私は、助けを求める様に殿下のことを見ると殿下も難しそうな顔をしてディアの話してくれた内容について考えていますわ。
正直、難しい話ですわよね。
だって、今から0の物を作り上げて行かないといけませんもの。
それに、肌に優しい石鹸に関しても、私が詳しいのは薬草についてのみ、ですわ。
何の知識もない状態なので調べ上げて行かないといけない、ということですわよね。
なんて思っていると
「ちなみに、ヴァイオレット嬢はどう思っているんだ?」
悩んでいた殿下にそう聞かれましたわね。
どう思っているのか、ですか.......。
ここで嘘をつく必要もありませんし、ハッキリと自分の思いを言った方が良いですわよね。
そう思った私は、不安そうな顔で私のことを見ているディアをチラッと見た後に
「正直難しいだろう、と思っていますわ」
と前置きをして、今私が思っていることをそのまま殿下とそしてディアにも話しましたわ。
きっと2人とも残念に思うでしょうけど、でもこれが現実といいますか.....私の本心です。
薬草茶の試作なんかも重なると完成までにも相当な時間がかかりますしね。
私の話を聞いたディアは、不安そうな顔から、少し悲しそうな顔をしていますが、納得はしてくれたみたいで小さく何度も頷いていますわ。
その様子に少し申し訳なく思いますが......ですが仕方ありません。
嘘をついてやっぱり無理でした、と言うより何倍も良いですわよね。
ディアと一緒に話を聞いていた殿下は、というと
「まぁ、その通りだよなぁ........」
と呟いた後に黙り込んでしまいましたわね。
まぁ、納得はしてくれたみたいですし、変なことも言っていないと思っていますが......殿下はどのような答えを出すんでしょうか?
少し不安に思いながら、ディアと2人、殿下の言葉を待っていると
「だが、俺としては店と言うより新しいものを開発する、研究所みたいな感じであの場を作ったんだ。出来ることならやって欲しい、というのが本音だな」
そう言ってきた殿下の顔は真剣で、本気でお願いしているのが嫌でも伝わってきますわ。
正直、こんなに真剣な顔で頼まれたら断ることなんて出来ませんわよね。
それに
「そういえば、最初から研究所を作ろう、と言っていましたものね」
私もそう呟いてしまいましたわ。
正直、こんなことを言ってしまうと無理だ、と断れなくなるのはわかっていますが、でも最初から研究所、と言う話をしていたんですもの。
私が勝手に店を開く、みたいな流れにしていた、と考えると言わずにはいられませんわ。
ですが、殿下は私に気を遣って
「ただ、ヴァイオレット嬢が普通店を開きたい、というのであれば止めないけどな。薬草茶というものは気になるし」
苦笑しながらそう言ってくれて、その気遣いがなんだか申し訳なく思えてきますわ。
ただ今から商品を作って売る、ということに相当な気力と労力が必要になる、といいますか......。
当時の特許を取った私と今は少し違いますからね。
出来るのか、という不安の方が大きいですわよ?
そう思った私は、助けを求める様に殿下のことを見ると殿下も難しそうな顔をしてディアの話してくれた内容について考えていますわ。
正直、難しい話ですわよね。
だって、今から0の物を作り上げて行かないといけませんもの。
それに、肌に優しい石鹸に関しても、私が詳しいのは薬草についてのみ、ですわ。
何の知識もない状態なので調べ上げて行かないといけない、ということですわよね。
なんて思っていると
「ちなみに、ヴァイオレット嬢はどう思っているんだ?」
悩んでいた殿下にそう聞かれましたわね。
どう思っているのか、ですか.......。
ここで嘘をつく必要もありませんし、ハッキリと自分の思いを言った方が良いですわよね。
そう思った私は、不安そうな顔で私のことを見ているディアをチラッと見た後に
「正直難しいだろう、と思っていますわ」
と前置きをして、今私が思っていることをそのまま殿下とそしてディアにも話しましたわ。
きっと2人とも残念に思うでしょうけど、でもこれが現実といいますか.....私の本心です。
薬草茶の試作なんかも重なると完成までにも相当な時間がかかりますしね。
私の話を聞いたディアは、不安そうな顔から、少し悲しそうな顔をしていますが、納得はしてくれたみたいで小さく何度も頷いていますわ。
その様子に少し申し訳なく思いますが......ですが仕方ありません。
嘘をついてやっぱり無理でした、と言うより何倍も良いですわよね。
ディアと一緒に話を聞いていた殿下は、というと
「まぁ、その通りだよなぁ........」
と呟いた後に黙り込んでしまいましたわね。
まぁ、納得はしてくれたみたいですし、変なことも言っていないと思っていますが......殿下はどのような答えを出すんでしょうか?
少し不安に思いながら、ディアと2人、殿下の言葉を待っていると
「だが、俺としては店と言うより新しいものを開発する、研究所みたいな感じであの場を作ったんだ。出来ることならやって欲しい、というのが本音だな」
そう言ってきた殿下の顔は真剣で、本気でお願いしているのが嫌でも伝わってきますわ。
正直、こんなに真剣な顔で頼まれたら断ることなんて出来ませんわよね。
それに
「そういえば、最初から研究所を作ろう、と言っていましたものね」
私もそう呟いてしまいましたわ。
正直、こんなことを言ってしまうと無理だ、と断れなくなるのはわかっていますが、でも最初から研究所、と言う話をしていたんですもの。
私が勝手に店を開く、みたいな流れにしていた、と考えると言わずにはいられませんわ。
ですが、殿下は私に気を遣って
「ただ、ヴァイオレット嬢が普通店を開きたい、というのであれば止めないけどな。薬草茶というものは気になるし」
苦笑しながらそう言ってくれて、その気遣いがなんだか申し訳なく思えてきますわ。
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(他「エブリスタ」様に投稿)
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