旦那様は私に隠れて他の人と子供を育てていました

榎夜

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31話

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ノアからリオルの目撃情報を聞いた4日後。

私はアリボリー侯爵家に来ています。

まぁ、正確には元侯爵の隠居された家なんですけどね。

私が幼い時からご贔屓にしてもらっていて、昔は営業とか関係なしに可愛がってもらっていました。

いつもは同じものをメイドさんが注文しに来てくれるので、ここに来るのは半年ぶりとかですかね?

なんて思いながら懐かしんでいると

「カノンちゃん、お久しぶりです」

と元侯爵様が現れました。

侯爵家の方なのに私のような平民に対してもとても優しくて、こんなこと言うと失礼かもしれませんが親戚のおじちゃん、みたいな感覚です。

「すみません、突然来てしまって......」

と椅子から立ち上がって言うと

「いえ、良いんですよ。それで、今日はどんな商品を持ってきてくれたんですか?」

昔と変わらず優しい微笑みになんだか落ち着きますね。

なんて思いながら

「それもあるんですが、先に聞きたいことがあるんですがよろしいでしょうか?」

と聞くと、一瞬だけ驚いた顔をしましたが、すぐに優しく微笑んで

「私が答えられることならなんでも聞いてください」

と答えてくれました。

そこから多少省略はしましたが、リオルが行方不明になっていること、ここの領地でリオルを見かけた人がいることを説明しました。

本当に私事で申し訳ないです......。

全てを話終えると、元侯爵様はとても悲しそうな顔をしながら

「そんなことになっていたんですね.........」

と呟きました。

「すみません。私事のとこなんですが、全く情報がなくて.........」

「いえ、良いんですよ。あの家は元々変わっていますからね」

「そうなんですか?」

変わっている、ですか。

リオルの浮気がわかるまではそんな風に感じたことはありませんでしたが.........。

「えぇ。自分より下の爵位の者には常に見下した態度のくせに、上の人には媚びて、それでいて自分は浪費家なのに他人にはケチだ、と有名なんですよ」

「え......そうだったんですか?」

いや、でも確かにその通りなところはありますね...。

我が家は平民ですが、侯爵家のような爵位の高い人との取り引きも多くあるので、そういうことは無かったですが、リオルと一緒に歩いている時に平民が道の真ん中を歩くなよ、とか呟いていたことがあります。

なんでもっと早くに気付かなかったんでしょう...。

衝撃的な事実に唖然としていると

「まぁ、有名なのは一部の貴族の間でだから知らなくて当然だよ」

と苦笑しながら教えてくれました。

そうだったんですね。

リオルが貴族の友達がいないのも納得です。

「だからカノンちゃんがあの家の息子と結婚する、なんて聞いた時には必死に止めようと思いましたよ......でもカノンちゃんが幸せそうに笑っていたから.........」

確かに元侯爵様のところにも挨拶に行きましたものね。

「こんなことになってしまいましたが、あの時の私は確かに幸せでした。知らなかったとはいえ、ちゃんと調べなかった私も悪いので侯爵様のせいではありせんよ」

元侯爵様がとても悲しそうに言うのもですから、こっちまで悲しくなってきますよ。

そう思っていると

「こんなことになるなら、息子と結婚させるべきだった」

と元侯爵様が言ったのが衝撃的で

「そんなっ!私が侯爵家の方と結婚だなんて恐れ多い、といいますか、息子さんに申し訳ないですよ!」

手をブンブン振りながら必死に遠慮しました。

いや、遠慮した、というか、もう有り得ない話なんですけどね。

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