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2話
しおりを挟むそして冒頭に戻ります。
こんな感じの嫌がらせが3ヶ月も続いていますのよ?
私だって少しくらい怒りたくなりますわよ。
「マリアンヌ様......っ、謝りもせず開き直るなんて.........」
はぁ......この人は懲りもせずまだそんなことを言うんですね。
もう呆れてしまいますわ。
「ですから、私は言いましたよね?いい加減にしてください、と」
私がそう言うと
「そんな言い方ないんじゃないですか!?リリアさんは被害者です!」
あら、私は1人なのにリリアさんはズルいですわね。
【リリア・マーマレド】さん。
男爵令嬢なのに、上位貴族に対しても気を使う様子は一切なし。
でも下位貴族の方々からしたら、それが好評ならしく、転校してきてから着々と人気者になりましたね。
いや、別にそれだけならいいんです。
でも人を陥れるような方法なのが気に入らない、っていうだけですの。
はぁ......ここで私が強めに言ってしまったらリリアさんはまた泣いてしまうので、面倒な事になりますわね。
そう思っていると
「被害者?面白いことを言うんですのね!」
人混みの中から聞き覚えのある声が聞こえてきました。
「私、ずっと見ていましたけどリリアさんは勝手に転んでいましたわ!それをマリアンヌ様のせいにして同情を誘っているだけですわ!」
胸を張りながらそう言ったのは【エリザベス・マカルポーネ】様。
私と仲良くしてくれている令嬢の1人です。
リリアさんに困っている時に毎回助けてくれるんですよ。
「そんな...っ!酷いです!私は確かにマリアンヌ様に足をかけられて.........」
「あら?でしたら、学園の防犯カメラでもご覧になりますか?マリアンヌ様が何もしていないことはすぐにわかると思いますよ?」
あら、やっぱりそうですよね。
エリザベス様がいる、ということは【ユーフェミア・ラーベンダ】様もいると思いましたわ。
ユーフェミア様も私の友人の1人ですの。
王妃教育がお休みの時は一緒にお茶を飲んだり、少し寄り道をしたりするんですが、今日は用事があるって聞いていたんですけどね。
あ、今はリリアさんの方でしたね。
急な2人の登場に話が逸れてしまいました。
ユーフェミア様の防犯カメラ、という言葉に流石のリリアさんも戸惑っていますわね。
「そ、それは.........」
必死に言葉を選んでいる、という感じでしょうか?
ですが、2人は言葉を続けます
「あら?何か都合が悪いことでもありますの?もしリリアさんの言ってることが本当なら別に構わないですわよね?」
とエリザベスが言うと、リリアさんの顔色が変わりましたね。
ユーフェミア様の方は
「私は先生に許可をとってきますわ」
そう言って本当に先生のところに向かおうとしています。
私は別に構わないんですけどね?
だって、本当にやっていませんもの。
するとリリアさんは
「い、いいわ!別にそこまでしなくても...っ!」
そう言うと、そそくさと取り巻きを連れて立ち去ってしまいました。
「相変わらず逃げ足だけは早いですわね」
「本当よね。男爵令嬢がマリアンヌ様を陥れようとするなんて、自殺行為でしかありませんのに...」
2人ともリリアさん達の後ろ姿を睨みつけていますが......怖いですわ。
なんとか話を逸らしましょう。
そう思って
「あら?おふたりとも、今日は早く帰ると言ってませんでしたっけ?」
とあえて明るく話題を振ると
「ちょうど今帰ろうとしていたんですよ。そしたら、またマリアンヌ様に喧嘩を売っているリリアさんの姿が見えたので駆けつけたんですの」
ユーフェミア様がそう言って微笑みました。
「毎回毎回、申し訳ないわ。今度お礼をさせてね?」
本当に...私一人では変な噂を流されますもの。
この2人のおかげで色んなところで助かっていますから感謝しても足りませんわ。
すると2人は
「そんなっ!こんなの、私達が好きでやっていることですわ!」
「そうですよ」
頑なにお礼をさせてくれません。
「そうは言っても.........」
そんなお礼と言っても、物凄く高い物を送るわけじゃありませんし、気にしなくてもいいですのに......。
そう思っているとエリザベス様が
「だったら今度お茶会をしましょう!それがお礼で十分ですわ!」
「本当にそんなのでいいんですの?」
そんなので良かったらいつでも歓迎ですわ。
リリアさんに関しては、もう少しで片付けられそうですもの。
ゆっくりお話できますしね。
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