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4話
しおりを挟む王妃様とお話をした2日後。
「マリアンヌ、話があるんだ」
アルフレッド様から声をかけられました。
後ろにはリリアさんと5人くらいの取り巻きさん達がニヤニヤして私を見ていますわ。
なんだか気味悪いですわね。
「それは重要な話ですの?」
と聞くと、アルフレッド様が静かに頷いたので
「わかりましたわ。でしたら場所を移動しましょうか?」
そう言って、リリアさん達から離れようとしたんですが
「なんでですか~?私達は聞いちゃいけないことなんですか?」
.......なるほど。
状況が理解できましたわ。
リリアさんは今からする大事な話を聞きたくて仕方がない、というのですね。
なので
「さぁ?内容は私にもわかりませんからアルフレッド様に聞いてくださいませ」
そう言うと、さっきの私に対するバカにしてきたような言い方とは一変して、可愛らしい猫なで声で
「殿下ぁ~、私達もその話を聞きたいですぅ」
とアルフレッド様の腕に自分の腕を絡みつけています。
私にしか見えないような角度でどや顔をするものですから、笑いそうになってしまいましたわ。
「それで?お話というのは......」
私がそう言うと、アルフレッド様は腕からリリアさんを引き剥がして
「あぁ、今まですまなかったな。調査を任せっきりにしてしまって」
そう言って私に近付いてきました。
「いえ。アルフレッド様が気を引いてくれましたし、色々情報を聞き出してくれたので助かりましたわ」
微笑みながら気付かれないように横目でリリアさん達を見ると、何が起こっているのかわからない、といったところでしょうか?
でも、それに気付かないふりをして
「ただ、もう少し私の評判の方のフォローをしてくれてもいいのに、といつも王妃様と話していましたのよ?」
クスクス笑いながらそう言います。
傍から見たらこの光景は、仲のいい婚約者同士の会話、にしか見えないでしょうね。
「それは.......」
「あら?その反応、まさかアルフレッド様も同じことを思っていましたの?悲しいですわ.....」
「そんなわけないだろ!下手に動いて状況が悪くならないようにとー.....」
「わかっていますわよ。冗談ですわ」
なんて軽口をたたいていると
「な、何!?何なのよ、さっきから!」
ついに限界を迎えたみたいですね。
リリアさんは今まで見せたことがないような鬼の形相をしています。
「大事な話があるんじゃないの!?それってマリアンヌ様との婚約破棄の話でしょう!?ほら!早く伝えなさいよ!」
まぁ、怖い怖い。
あんなに可愛らしかったリリアさんはどこに行ったんでしょうね?
しかも、リリアさんはとってもさりげなくアルフレッド様の逆鱗に触れてしまいましたよ。
「なんでマリアンヌと婚約破棄しなきゃいけないんだよ。てか、誰に命令してんの?殺すよ?」
そう言って笑ったアルフレッド様の顔は誰が見ても良い笑顔だったと思います。
こめかみのビキッという音が聞こえるまでは。
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