まさかその程度で私の婚約者を奪ったつもりですか?

榎夜

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14話

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王宮に到着すると、もう話は通してあったみたいですぐに客室に案内されました。

そしてアルフレッド様を待つこと5分くらいでしょうか?

急いできたのか少し息を切らしたアルフレッド様が客室に入ってきました。

椅子に座ると

「すまない、こんな遅い時間に呼んでしまって」

と謝ってきたので

「本当ですわ。まぁ、私も伝えることがあったから来ましたけど、そうじゃなきゃ来ませんでしたわよ」

と私が答えると

「そんなこと言わないでくれ」

そう言って苦笑をしています。

こんなことを言っていますが、多分今から話すのは今日のことかしら?

そう思いながら

「それで、どうしましたの?」

早速本題に入るようにそう尋ねると

「あぁ......今日、奴と何があったんだ?」

「奴....ハニーア様のことで合ってますの?」

そんな唐突に、奴、だなんて言うものですから、一瞬誰かと思いましたわ。

名前も呼びたくない、ということでしょうが、一応隣国の王女ですのよ?

まぁ、わかっているとは思いますが。

そう思いながら、今日あったことを全てアルフレッド様に説明しました。

全てを話し終わると

「なるほどな。まぁ、そうだと思ったが」

そう言って、何とも言えないような顔をして苦笑しています。

「あまりにも王妃についての考えが酷すぎて言いすぎてしまいましたわ」

これは私が明らかに悪いですが、私としては間違えたことを言ったつもりはありませんし、ハニーア様の方も王妃を侮辱したようなものですからお互い様ですわよね。

するとアルフレッド様も

「いや、別にマリアンヌは正しいことを言っているからそれは問題ない」

と言ってくれました。

この話はそれで終わりで良いんですが、私としては少し気になることがありますのよね。

なので

「だったら良いですが......ハニーア様は本当にアルフレッド様が好きだからこんなことをしているんでしょうか?本当に好きなら迷惑をかけないように考えるはずですが.......」

ハニーア様が本当にアルフレッド様が好きなのであれば、こんなに迷惑をかけるでしょうか?

私に対してだけならわかりますが、流石にやりすぎだと思うんですよね。

しかも今回のは国同士の問題にも繋がりかねませんし......。

そう思って言うと、アルフレッド様は

「一目惚れと言っていたが、奴と会った記憶が全くないんだ。パーティーで会っていたとしたら隣国の王女だと紹介されるはずなんだが.......」

「参加しても基本的に私と一緒ですものね。私もハニーア様のことは初めて見ましたわよ」

まぁ、国によっては側室の子供だから、と挨拶をしないところもあるみたいですが、噂によれば相当可愛がっているみたいですし、それはないと思うんですよね。

.....というか、ハニーア様の国とはまともに関わることがないといいますか、今回の留学の件で初めてちゃんと関わったんじゃないでしょうか?

アルフレッド様も

「あぁ、だからどこで見られたのかわからないのも怖いというか、なんというか....」

どこで会ったかわからない人に一目ぼれです、なんて言われたら怖いに決まっていますわよね。

本当にどこでアルフレッド様を見ることが........

「あ.......」

そうですわ。

そういえば見る機会があったかもしれませんわ。

私が急に固まったのを見てアルフレッド様は

「どうしたんだ?」

と首を傾げています。

そんなアルフレッド様に

「もしかすると、直接見たわけではないのでは?」

と言うと、余計に不思議そうな顔をしました。

まぁ、そんな顔になりますよね。


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