15 / 61
14話
しおりを挟む王宮に到着すると、もう話は通してあったみたいですぐに客室に案内されました。
そしてアルフレッド様を待つこと5分くらいでしょうか?
急いできたのか少し息を切らしたアルフレッド様が客室に入ってきました。
椅子に座ると
「すまない、こんな遅い時間に呼んでしまって」
と謝ってきたので
「本当ですわ。まぁ、私も伝えることがあったから来ましたけど、そうじゃなきゃ来ませんでしたわよ」
と私が答えると
「そんなこと言わないでくれ」
そう言って苦笑をしています。
こんなことを言っていますが、多分今から話すのは今日のことかしら?
そう思いながら
「それで、どうしましたの?」
早速本題に入るようにそう尋ねると
「あぁ......今日、奴と何があったんだ?」
「奴....ハニーア様のことで合ってますの?」
そんな唐突に、奴、だなんて言うものですから、一瞬誰かと思いましたわ。
名前も呼びたくない、ということでしょうが、一応隣国の王女ですのよ?
まぁ、わかっているとは思いますが。
そう思いながら、今日あったことを全てアルフレッド様に説明しました。
全てを話し終わると
「なるほどな。まぁ、そうだと思ったが」
そう言って、何とも言えないような顔をして苦笑しています。
「あまりにも王妃についての考えが酷すぎて言いすぎてしまいましたわ」
これは私が明らかに悪いですが、私としては間違えたことを言ったつもりはありませんし、ハニーア様の方も王妃を侮辱したようなものですからお互い様ですわよね。
するとアルフレッド様も
「いや、別にマリアンヌは正しいことを言っているからそれは問題ない」
と言ってくれました。
この話はそれで終わりで良いんですが、私としては少し気になることがありますのよね。
なので
「だったら良いですが......ハニーア様は本当にアルフレッド様が好きだからこんなことをしているんでしょうか?本当に好きなら迷惑をかけないように考えるはずですが.......」
ハニーア様が本当にアルフレッド様が好きなのであれば、こんなに迷惑をかけるでしょうか?
私に対してだけならわかりますが、流石にやりすぎだと思うんですよね。
しかも今回のは国同士の問題にも繋がりかねませんし......。
そう思って言うと、アルフレッド様は
「一目惚れと言っていたが、奴と会った記憶が全くないんだ。パーティーで会っていたとしたら隣国の王女だと紹介されるはずなんだが.......」
「参加しても基本的に私と一緒ですものね。私もハニーア様のことは初めて見ましたわよ」
まぁ、国によっては側室の子供だから、と挨拶をしないところもあるみたいですが、噂によれば相当可愛がっているみたいですし、それはないと思うんですよね。
.....というか、ハニーア様の国とはまともに関わることがないといいますか、今回の留学の件で初めてちゃんと関わったんじゃないでしょうか?
アルフレッド様も
「あぁ、だからどこで見られたのかわからないのも怖いというか、なんというか....」
どこで会ったかわからない人に一目ぼれです、なんて言われたら怖いに決まっていますわよね。
本当にどこでアルフレッド様を見ることが........
「あ.......」
そうですわ。
そういえば見る機会があったかもしれませんわ。
私が急に固まったのを見てアルフレッド様は
「どうしたんだ?」
と首を傾げています。
そんなアルフレッド様に
「もしかすると、直接見たわけではないのでは?」
と言うと、余計に不思議そうな顔をしました。
まぁ、そんな顔になりますよね。
73
あなたにおすすめの小説
〖完結〗もうあなたを愛する事はありません。
藍川みいな
恋愛
愛していた旦那様が、妹と口付けをしていました…。
「……旦那様、何をしているのですか?」
その光景を見ている事が出来ず、部屋の中へと入り問いかけていた。
そして妹は、
「あら、お姉様は何か勘違いをなさってますよ? 私とは口づけしかしていません。お義兄様は他の方とはもっと凄いことをなさっています。」と…
旦那様には愛人がいて、その愛人には子供が出来たようです。しかも、旦那様は愛人の子を私達2人の子として育てようとおっしゃいました。
信じていた旦那様に裏切られ、もう旦那様を信じる事が出来なくなった私は、離縁を決意し、実家に帰ります。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全8話で完結になります。
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
不実なあなたに感謝を
黒木メイ
恋愛
王太子妃であるベアトリーチェと踊るのは最初のダンスのみ。落ち人のアンナとは望まれるまま何度も踊るのに。王太子であるマルコが誰に好意を寄せているかははたから見れば一目瞭然だ。けれど、マルコが心から愛しているのはベアトリーチェだけだった。そのことに気づいていながらも受け入れられないベアトリーチェ。そんな時、マルコとアンナがとうとう一線を越えたことを知る。――――不実なあなたを恨んだ回数は数知れず。けれど、今では感謝すらしている。愚かなあなたのおかげで『幸せ』を取り戻すことができたのだから。
※異世界転移をしている登場人物がいますが主人公ではないためタグを外しています。
※曖昧設定。
※一旦完結。
※性描写は匂わせ程度。
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載予定。
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
「お幸せに」と微笑んだ悪役令嬢は、二度と戻らなかった。
パリパリかぷちーの
恋愛
王太子から婚約破棄を告げられたその日、
クラリーチェ=ヴァレンティナは微笑んでこう言った。
「どうか、お幸せに」──そして姿を消した。
完璧すぎる令嬢。誰にも本心を明かさなかった彼女が、
“何も持たずに”去ったその先にあったものとは。
これは誰かのために生きることをやめ、
「私自身の幸せ」を選びなおした、
ひとりの元・悪役令嬢の再生と静かな愛の物語。
(完結)その女は誰ですか?ーーあなたの婚約者はこの私ですが・・・・・・
青空一夏
恋愛
私はシーグ侯爵家のイルヤ。ビドは私の婚約者でとても真面目で純粋な人よ。でも、隣国に留学している彼に会いに行った私はそこで思いがけない光景に出くわす。
なんとそこには私を名乗る女がいたの。これってどういうこと?
婚約者の裏切りにざまぁします。コメディ風味。
※この小説は独自の世界観で書いておりますので一切史実には基づきません。
※ゆるふわ設定のご都合主義です。
※元サヤはありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる