まさかその程度で私の婚約者を奪ったつもりですか?

榎夜

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17話

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「はぁ.....精神的に疲れますわ........」

ハニーア様に睨まれる日々を送っている私は、なんだか監視されている気分で全く気を抜くことが出来ません。

私がいるところに必ずと言ってもいいほどハニーア様がいるんですのよね。

もう勘弁して欲しいですわ......。

そう思いながら椅子に座ると

「お疲れ様です」

と私の正面に座っているユーフェミア様が苦笑しながら声をかけてくれました。

今日は珍しく何もない日なので、久しぶりにお茶を飲むことになったんですが

「今日はエリザベス様はいないんですね」

珍しいですわ。

いつもなら喜んで参加してくれるエリザベス様がいない、なんて。

するとユーフェミア様が

「はい。何か調べたいことがあるとかで最近忙しそうにしているんです」

と少し寂しそうに笑いました。

普段から一緒に行動している人がいないと少し寂しくなりますよね。

私がこんな面倒ごとに巻き込まれていなかったら一緒にいられたんですが.......。

そう思うとなんだか物凄く申し訳なく思って

「ごめんなさい。最近アルフレッド様に付き纏われているせいでまともに近付くことが出来なくて.......」

流石に3人で行動するのはユーフェミア様が可哀そうですわ。

だって、アルフレッド様と一緒にいるともれなくハニーア様にも付き纏わられますからね。

するとユーフェミア様は、気にしないでください、と言った後に

「そんなことより、実は私、ハニーア様より取り巻きの方が気になっていまして......」

「やっぱりそうですわよね。私もそうなんですの」

流石ユーフェミア様ですわ。

私と同じことを考えていましたのね。

こんなにしつこく私を陥れようと考えるなんて

「そんなに私を王妃の座から降ろしたいんでしょうか......」

まぁ、多少の反対は想定済みなんですが、そう考えるとやっぱり悲しくなってきますわ。

思わずため息をついているとユーフェミア様が少し難しそうな顔をしながら

「そこまではわかりませんが、家同士で手を組んでいる、ということはありそうですよね」

そう言いました。

確かにその通りですわね。

一家全員で反対しているならこんなにしつこく私を陥れようと考えるのも納得できます。

となると、そんな風に考えるのは

「私が王妃になったら困る、という人達ね」

私がそう言うと、ユーフェミア様もその言葉に頷きました。

私が王妃になったら困ること、それは多分私だから、というより我が家から王妃が出たら困るのでしょう。

理由は単純ですわ。

「我が家にこれ以上力を与えないために必死になっているんでしょうね」

ということです。

一応我が家は王族を除いた中ではトップクラスの財力と権力をもっています。

勿論、それを面白く思わない人も中にはいるわけで、今はその人たちが必死になっているんでしょう。

そう思っているとユーフェミア様が

「聞くのは悪いとわかっていますが、代表みたいな一家はあるんですか?」

と尋ねてきました。

話の流れ的に聞きますよね。

出来ることなら話したくないですが......でも濁してもどうにもなりませんよね。

言うかどうか、少し悩みましたが

「......こう言うのは悪いかもしれませんが、エリザベス様の家がその代表よ」

と私が言うとユーフェミア様は驚いた顔をしています。

まぁ、あまり知られていませんからね。

お父様とエリザベス様のお父様の仲が悪いみたいで、ですが表向きでは何もないように取り繕っていますわ。

ですからこのことを知っているのは我が家が気に入らない家の人達だけじゃないでしょうか?

するとユーフェミア様は

「でもお二人は仲がよろしいですよね?」

と聞いてきました。

当然の質問ですわよね。

「昔はここまで仲良くはなかったですわ。ただ、いつの間にかエリザベス様の方から私に寄ってきてくれるようになって、そこから仲良くなっていきましたの」

「それって、家の人達からしたら.....」

「えぇ、もちろん面白く思われていないわ」

エリザベス様から父親に仲良くしないように言われた、みたいな話を昔聞いたことがある気がします。

我が家は別に何も言われていませんが、学園に入ってからエリザベス様と毎日のように話をしていますが大丈夫なんでしょうか?
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