まさかその程度で私の婚約者を奪ったつもりですか？

21話

はぁ.....どうやって収拾をつけましょうか。

私が下手なことを言うと足元をすくおうとする人も現れますし。

とりあえずはエリザベス様を虐めていないことを説明するのを優先して、その後に追い詰める、みたいな形が一番いいですわよね。

そう判断した私は、はぁ.....と大きくため息をついた後に

「まず、なぜ私がエリザベス様を虐める必要があるのでしょう？ここにいる皆さんもご存じの通り、私とエリザベス様は友人ですわよ？」

そう尋ねると

「そんなの簡単よ！そこのエリザベスとかいう令嬢の家が私を支持しているからよ！それに怒ったマリアンヌ様がきつい言葉を言ったのよ！」

ハニーア様が自信満々にそう言い放つと、周りのざわめきが大きくなりました。

まぁ、支持していたとしても、それをこんなに堂々と言うのは自殺行為ですもの。

支持されることによって自信を持つことは良いと思いますわ。

王妃になるんでしたら多少の自信がないといけないときもありますもの。

でも、それを公開することによって、これからハニーア様の行動には全てエリザベス様の家が絡んでいる、と思われるということですわ。

だから普通はそういうのは隠して、最後の切り札として取っておくものなんですが勉強は出来ても頭が弱いと大変ですわね。

ついつい、はぁ.....、とため息をつくと、それが気に食わなかったのかハニーア様は

「何よ！図星なんでしょう！」

と叫んでいます。

すると

「我が家はハニーア様を支持しているかもしれませんが、私個人はマリアンヌ様を支持しているので虐められる理由はありませんわ！」

そう言い放ったのはもちろんエリザベス様でした。

まさか、ここでそんなことを言うなんて思っていませんでしたわ。

私が驚きのあまり固まっているとエリザベス様は私の腕を引いて

「マリアンヌ様、こんなところにいたらバカがうつりますわ。虚言癖のある人は放っておいて行きましょう」

とその場から離れようとしているので

「え？でもまだ話は.........」

話は終わっていませんよ？と言おうとしたんですが

「そんなことを言ってどうなっても知らないわよ！あなたの父親にもこのことは伝えておくんですから！」

というハニーア様の声でかき消されてしまいました。

確かにエリザベス様の父親にこの事が伝わってしまったら、エリザベス様はそんな仕打ちを受けるのか、わかったものではありません。

ハニーア様はそのことをわかってて言ってるのでしたら、どちらが虐めているんだ、という状況ですわよ？

エリザベス様のことが心配でチラッと顔を見ると、エリザベス様は

「どうぞご自由に。ハニーア様、嘘ばかりついていると、味方が誰もいなくなりますわよ！」

そう言ってから、2人でその場を後にしました。