33 / 61
32話
しおりを挟む
王族から、私とエリザベス様は今回の事件に全く関係がないことが発表されると、最近まで当たり前のようにあった陰口がだいぶ減りました。
でも、中には婚約破棄をしたくない私の家側と、させたくない王族が事件をもみ消した、なんて噂も出回っていますわね。
別に婚約破棄になるならそれで仕方ないとは思いますが、次世代を担うことになる私達がこんな状況では先が心配ですわね。
毎日毎日ため息の連続ですわ。
そんな中、今日もアルフレッド様と私、エリザベス様の3人は誘拐事件の犯人捜しですわ。
とりあえず依頼された日、それから目撃情報、後は私達が完全に白であることの証言がまとめられている書類がざっと10枚ほど。
しかも紙に隙間なく裏表の両方に書かれているので普段の契約書を読む、みたいなのとは疲れ具合が段違いですわ。
「はぁ......これがまだありますのね。流石に休憩を挟まないと目が疲れますわ」
と私が呟くと
「本当ですわね......でもちゃんと隅まで読まないといけませんし.....」
なんだかエリザベス様も疲れていますわね。
元々読書などをする人ではありませんし、流石にしんどくなりますわ。
そう思っていると
「いったん休憩を挟もうか」
とアルフレッド様が提案してくれました。
すると
「そうだね。マリアンヌもエリザベス嬢もお疲れ様」
あ、今日はお兄様も一緒なのに忘れていましたわ。
気配を消しているのでは?と言いたくなるくらい静かなんですもの。
せっかくですし、もう少し存在感を出して欲しいですわね。
そう思っているうちに、メイドがお茶を新しく入れなおしてくれましたわ。
やっぱりうちのメイド達も優秀ですが、王族に仕えているメイドは一味違いますわね。
皆が一息ついた後に
「聞きました?あの噂」
と私が尋ねると
「俺の耳にも入ってきている。まぁ、騒いでいるのは犯人か、奴の派閥だろうな」
アルフレッド様は何やら不機嫌そうにそう言いました。
まぁ、あんなのを聞いたら誰でも不愉快になりますわよね。
そう思っていると
「私は今日直接言われましたわ」
エリザベス様は悲しそうに目を伏せています。
え.....それは初めて聞きましたわ。
流石に私に対して直接言ってくる人はいませんが、流石にたちが悪いですね。
というか、それがデマなのに堂々と言っている人たちは何を考えているんでしょう。
何か対策をした方が良さそうですわね.......。
そう考えているとお兄様は、何か少し考えた後に
「あそこまでくると、もう侮辱だよね。俺が動こうか?」
確かにお兄様はなぜか顔が広く沢山の知り合いがいますし適任かもしれませんわね。
そう思って
「噂の出所は調べておいた方が良いですわ。お兄様は、そういうのが得意ですものね」
と頷くと、お兄様は苦笑しながら
「まぁ、他の奴らより繋がりが多いだけだよ。父上みたいに敵対心とかないからね」
まぁ....私も敵対心みたいなのはないんですが、どこかの誰かさんが勝手に喧嘩を売ってくることはよくありますわね。
やり返したら負けだと思っているので、正当防衛しかしませんけど。
とりあえず、噂の件はお兄様がどうにかしてくれる、ということでこの話は終わりですね。
堅苦しい話は一旦やめにしましょう。
そう思って机に置いてあったクッキーに手を伸ばすと
「あら、このクッキー美味しいですわ」
なんかいつものと違いますわね。
私の好みの味です。
そう思っていると
「本当?良かった。それ俺が作ったんだ」
あら、お兄様が作りましたのね。久しぶりに食べましたわ。
くらいの感じで思っていると
「えぇ!?そうでしたの?」
一番驚いたのはエリザベス様でしたね。
まぁ、一般的に貴族がお菓子を作るのは珍しいですし、それが男性となると滅多に見かけませんものね。
なので
「お兄様は何でも出来ますのよ」
とそう言って胸を張ると、なぜか皆に笑われてしまいましたわ。
そんなに変なことを言ったかしら?
でも、中には婚約破棄をしたくない私の家側と、させたくない王族が事件をもみ消した、なんて噂も出回っていますわね。
別に婚約破棄になるならそれで仕方ないとは思いますが、次世代を担うことになる私達がこんな状況では先が心配ですわね。
毎日毎日ため息の連続ですわ。
そんな中、今日もアルフレッド様と私、エリザベス様の3人は誘拐事件の犯人捜しですわ。
とりあえず依頼された日、それから目撃情報、後は私達が完全に白であることの証言がまとめられている書類がざっと10枚ほど。
しかも紙に隙間なく裏表の両方に書かれているので普段の契約書を読む、みたいなのとは疲れ具合が段違いですわ。
「はぁ......これがまだありますのね。流石に休憩を挟まないと目が疲れますわ」
と私が呟くと
「本当ですわね......でもちゃんと隅まで読まないといけませんし.....」
なんだかエリザベス様も疲れていますわね。
元々読書などをする人ではありませんし、流石にしんどくなりますわ。
そう思っていると
「いったん休憩を挟もうか」
とアルフレッド様が提案してくれました。
すると
「そうだね。マリアンヌもエリザベス嬢もお疲れ様」
あ、今日はお兄様も一緒なのに忘れていましたわ。
気配を消しているのでは?と言いたくなるくらい静かなんですもの。
せっかくですし、もう少し存在感を出して欲しいですわね。
そう思っているうちに、メイドがお茶を新しく入れなおしてくれましたわ。
やっぱりうちのメイド達も優秀ですが、王族に仕えているメイドは一味違いますわね。
皆が一息ついた後に
「聞きました?あの噂」
と私が尋ねると
「俺の耳にも入ってきている。まぁ、騒いでいるのは犯人か、奴の派閥だろうな」
アルフレッド様は何やら不機嫌そうにそう言いました。
まぁ、あんなのを聞いたら誰でも不愉快になりますわよね。
そう思っていると
「私は今日直接言われましたわ」
エリザベス様は悲しそうに目を伏せています。
え.....それは初めて聞きましたわ。
流石に私に対して直接言ってくる人はいませんが、流石にたちが悪いですね。
というか、それがデマなのに堂々と言っている人たちは何を考えているんでしょう。
何か対策をした方が良さそうですわね.......。
そう考えているとお兄様は、何か少し考えた後に
「あそこまでくると、もう侮辱だよね。俺が動こうか?」
確かにお兄様はなぜか顔が広く沢山の知り合いがいますし適任かもしれませんわね。
そう思って
「噂の出所は調べておいた方が良いですわ。お兄様は、そういうのが得意ですものね」
と頷くと、お兄様は苦笑しながら
「まぁ、他の奴らより繋がりが多いだけだよ。父上みたいに敵対心とかないからね」
まぁ....私も敵対心みたいなのはないんですが、どこかの誰かさんが勝手に喧嘩を売ってくることはよくありますわね。
やり返したら負けだと思っているので、正当防衛しかしませんけど。
とりあえず、噂の件はお兄様がどうにかしてくれる、ということでこの話は終わりですね。
堅苦しい話は一旦やめにしましょう。
そう思って机に置いてあったクッキーに手を伸ばすと
「あら、このクッキー美味しいですわ」
なんかいつものと違いますわね。
私の好みの味です。
そう思っていると
「本当?良かった。それ俺が作ったんだ」
あら、お兄様が作りましたのね。久しぶりに食べましたわ。
くらいの感じで思っていると
「えぇ!?そうでしたの?」
一番驚いたのはエリザベス様でしたね。
まぁ、一般的に貴族がお菓子を作るのは珍しいですし、それが男性となると滅多に見かけませんものね。
なので
「お兄様は何でも出来ますのよ」
とそう言って胸を張ると、なぜか皆に笑われてしまいましたわ。
そんなに変なことを言ったかしら?
73
あなたにおすすめの小説
〖完結〗もうあなたを愛する事はありません。
藍川みいな
恋愛
愛していた旦那様が、妹と口付けをしていました…。
「……旦那様、何をしているのですか?」
その光景を見ている事が出来ず、部屋の中へと入り問いかけていた。
そして妹は、
「あら、お姉様は何か勘違いをなさってますよ? 私とは口づけしかしていません。お義兄様は他の方とはもっと凄いことをなさっています。」と…
旦那様には愛人がいて、その愛人には子供が出来たようです。しかも、旦那様は愛人の子を私達2人の子として育てようとおっしゃいました。
信じていた旦那様に裏切られ、もう旦那様を信じる事が出来なくなった私は、離縁を決意し、実家に帰ります。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全8話で完結になります。
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
不実なあなたに感謝を
黒木メイ
恋愛
王太子妃であるベアトリーチェと踊るのは最初のダンスのみ。落ち人のアンナとは望まれるまま何度も踊るのに。王太子であるマルコが誰に好意を寄せているかははたから見れば一目瞭然だ。けれど、マルコが心から愛しているのはベアトリーチェだけだった。そのことに気づいていながらも受け入れられないベアトリーチェ。そんな時、マルコとアンナがとうとう一線を越えたことを知る。――――不実なあなたを恨んだ回数は数知れず。けれど、今では感謝すらしている。愚かなあなたのおかげで『幸せ』を取り戻すことができたのだから。
※異世界転移をしている登場人物がいますが主人公ではないためタグを外しています。
※曖昧設定。
※一旦完結。
※性描写は匂わせ程度。
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載予定。
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
「お幸せに」と微笑んだ悪役令嬢は、二度と戻らなかった。
パリパリかぷちーの
恋愛
王太子から婚約破棄を告げられたその日、
クラリーチェ=ヴァレンティナは微笑んでこう言った。
「どうか、お幸せに」──そして姿を消した。
完璧すぎる令嬢。誰にも本心を明かさなかった彼女が、
“何も持たずに”去ったその先にあったものとは。
これは誰かのために生きることをやめ、
「私自身の幸せ」を選びなおした、
ひとりの元・悪役令嬢の再生と静かな愛の物語。
(完結)その女は誰ですか?ーーあなたの婚約者はこの私ですが・・・・・・
青空一夏
恋愛
私はシーグ侯爵家のイルヤ。ビドは私の婚約者でとても真面目で純粋な人よ。でも、隣国に留学している彼に会いに行った私はそこで思いがけない光景に出くわす。
なんとそこには私を名乗る女がいたの。これってどういうこと?
婚約者の裏切りにざまぁします。コメディ風味。
※この小説は独自の世界観で書いておりますので一切史実には基づきません。
※ゆるふわ設定のご都合主義です。
※元サヤはありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる