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34話

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最後はお兄様ですわね。

お兄様は我が家のどこで発見されたのか、

近場での目撃情報はあったか、

と言うことが書かれていたそうですわ。

するとお兄様は

「ちょっと気になることがあったんだよね」

そう言って、話し始めました。

気になること、ですか。

何が書かれていたんでしょう?

そう思いながら話を聞くと、まず、発見されたのは我が家の領地の一番端の方にある古くて誰も手を付けていない倉庫だったらしいですわ。

確かにあの場所は一部の小さい子の間で幽霊小屋なんて呼ばれていましたわね。

でも、私達ですら、そこに倉庫があったことを忘れていた場所です。

お兄様の話の途中で、つい

「依頼した人はよくそこにあることを知っていましたね」

と私が言うと

「実はマリアンヌと同じことを考えていたんだ」

お兄様が険しい顔をしてそう言いました。

エリザベス様とアルフレッド様はどういうことかわかっていないみたいなので、私達でも忘れていた、ということを伝えると

「つまり、マリアンヌの領地に頻繁に出入りしている人の可能性が高い、ということか?」

そう言って、アルフレッド様は複雑そうな表情をしています。

ですが、そういうことですわ。

そうじゃなきゃ、あんな場所を見つけられるわけがありませんし、1回や2回来ただけでは端にあるので見つけられませんもの。

それくらいわかりにくい場所ですわ。

まぁ、それを知っているのは我が家だけなので、他の人にこれを知っても何も思わないと思いますけどね。

はぁ.....と大きくため息をついてから

「我が家に出入りするような令嬢となるとだいぶ候補が絞られますわね」

そう言うとアルフレッド様は複雑そうな表情をしながら

「だが、疑いたくない人を疑うことになるだろう?」

と私に尋ねてきました。

エリザベス様も理解してきたのか顔色が悪くなってきていますわね。

ですが、

「それも仕方のないことです。何が目的でこんなことをしたのかはわかりませんが、少なくとも私とエリザベス様を陥れようとしたことは変わりませんので」

キッパリとそういうと、エリザベス様は小さな声で

「そうですわね.......」

と呟いていますわ。

続けてお兄様が

「それから、目撃情報についてなんだが、この倉庫の近くを通った馬車があったらしい」

そう言ったので

「それもきっとあの人ですわよね?」

「そうだと思う」

まぁ、お兄様は家名だけ見ても度の令嬢なのか一致しませんよね。

仕方ないですわ。

アルフレッド様は大きくため息をついてから

「とりあえず依頼人の目星がついただけでも今日の成果だ。ルイスはひとまず噂を流した人を探してくれ」

とお兄様に指示を出すと

「わかったよ。俺の予想では同じ人なんじゃないかと思うけどね」

と肩をすくめています。

正直な話、私だってそうは思いたくないですが仕方ありませんわね。

今はそんなことよりも、私よりもダメージの大きいエリザベス様が心配ですわ。
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