まさかその程度で私の婚約者を奪ったつもりですか?

榎夜

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37話 アルフレッドside

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マリアンヌとエリザベス嬢が先に帰った後、

「それで?ルイスはどこまで情報を持っている?」

家に急ぎの連絡を済ませたルイスにそう尋ねると」

「とりあえず、ハニーア王女のことと、噂のことについてかな」

「もう調査が終わっていたのか?」

別に奴のことはどうでもいいが、噂の件はもう調査が終わっていたなんて.......。

だったらなぜマリアンヌたちがいる場で言わなかったんだ?

もしかして俺たちが思っていることと違ったからなのか?

そう思っていると、ルイスは

「うん。でも、あの場で言うとエリザベス嬢が耐えられないと思ったから時間をおいてから、と思ったんだ」

そういうことか........。

確かにエリザベス嬢は初めて向けられる他人からの敵意に疲労していたな、と思ったのと同時に

「なるほどな。俺は2人がお似合いだと思うぞ」

多分、ルイスはエリザベス嬢のことが気になっているんだろうな、というのを感じ取った。

うん、いい組み合わせだと思う。

ルイスは話を聞くのも上手いし、1人でため込むタイプのエリザベス嬢にはぴったりだと思う。

なんて思っていると、ルイスは

「今はそんな話をしている場合じゃないだろ」

そう言って話を戻したけど、顔は若干赤くなっていた。

「まぁ、確かにそうだな」

確かに今する話ではないな。

この件が落ち着いたら色々と問い詰めてやろう。

なんて思いながら

「それで?奴のこと、というのはどのような内容だ?」

と尋ねると

「まず、泊めてもらっている家はハニーア王女派からマリアンヌ派に変わった」

「なんだと?あんなに奴のことを推していたではないか」

意外だな。

あの家ははっきり言うと過激派、と言ってもいいくらい奴のことを推していたはずだ。

親戚から王妃になる、ということは、自分たちにも都合がいいところがあるからな。

するとルイスは資料を眺めながら

「それがね、話を聞いてみたところ、あんなのが王妃になったら国が潰れるだけだ、という意見に変わったらしいよ」

そういうことだ?

前に奴の母親に聞いた時は人の話を聞く素直で優しい子だ、なんて言われていたはずだが。

まぁ、初めからその話を信じていたわけじゃないけどな。

大体優しいと言われる奴が人の婚約者を奪おうとするわけがないし。

そう思いながらルイスに

「だが下手に情報を与えるのも良くないな。一応警戒しておけ」

そう言うと

「わかっているよ。あの家がそこまで言うということはハニーア王女はやらかしているみたいだね」

正直どうでもいいな。

俺からしたら自分で首を絞めにいってるんだから、そのまま国に帰ってくれ、としか思わない。

なんて思っていると

「なんかアルフレッド殿下はなぜ私のお見舞いに来ないの!?なんて騒いでいるらしいぞ」

とルイスがクスクスと笑いながら言ってきた。

こいつ.......俺が苛立つことをわかっていてわざと言っているな。

誰があんな奴のところに行くかよ。

勝手に騒いでいればいい。

そう思いながら

「それで?噂の件はどうだったんだ?」

とりあえず、奴の状況もわかったし、もう情報は不要だな。

するとルイスは急に真剣な顔をして

「皆が考えている通りだよ」

そう言って、調査書を差し出してきた。

なるほどな。

そうだと思っていたが、実際に見てみると複雑な心境だな。

はぁ......いい加減にゆっくりと過ごせる日が欲しいな。
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