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14話

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皇帝様の話を聞くと、あのディラニー公爵は鉱山送り、令嬢は修道院行き、夫人は娼婦行きということになったらしいんですが

「人の命を奪おうとして鉱山行きですか。優しすぎますわね」

私のお父様が殺されそうになった時は一家全員、斬首刑でしたわよ。

人の命を奪おうとしているんですから、自分の命がなくなるかも、という覚悟を持ってもらわないとこちらも割が合いませんもの。

そんな緩い処罰にしているから、今回も殺されそうになったんじゃありませんか?

令嬢の方は父親に指示されて仕方なく、ということでしたら仕方ないとは思いますけども、流石に主犯の処罰が優しすぎますわ。

すると皇帝様は苦笑しながら

「我が国では一番重たい処罰が鉱山送りなんだ」

と教えてくれました。

皇妃様もその言葉に頷いていますし、宰相だったから刑が軽くなったなんてことはないと思いますが、納得できませんわね。

まぁ、人の国なので口出しするつもりはありませんわ。

そう思っていると

「ふんっ!そんなに容易く殺そうとするなんてやはり野蛮な女だな」

この男、わざと私に喧嘩を売っているんでしょうか?

胸を張って偉そうに言っていますが、そういう人に限って自分が殺されそうになると言うことが変わるんですのよね。

思わず大きなため息をついてしまいましたが、そういえば私も言いたいことがあるんでしたわ。

「それで皇帝様、婚姻のことなんですが.........」

そう私が切り出すと

「おぉ、そうだな」

となんだか嬉しそうに皇帝様が頷いています。

機嫌が良さそうで安心しましたわ。

この様子なら私が断っても怒ったりなんていうことはないでしょうし。

そう思いながら

「今回の婚姻の話なんですが、お断りしたいと思っていますわ」

と言うと、その瞬間空気が凍りついたかのような冷たさに変わりました。

なぜですの?

え?だって、勝手に進めた話ですし、私の意見は完全に無視だったじゃないですか。

私としては、早く家に戻ってお兄様達と国の発展のために頑張ろうと思っていたんですが......。

そう思いながら当の本人でもある殿下の様子を見ると、なぜか殿下までもが私の言葉に唖然としたまま固まっていますわ。

なんでそんな顔をしているんでしょうね?

結婚しない方が沢山の女性と関係を持てるんですからもっと喜ぶと思ったんですけど。

殿下の様子に納得できず、思わず首を傾げた私に

「なぜ断ろうと思ったんだ?」

と皇帝様が聞いてきたので

「この話は私の意見など全く関係なしに進められてしまった話です。私が嫌だと思ったら戻るということも伝えて出てきました」

と言って一旦止めると、皇帝様も皇妃様も驚いた顔をして私を見ています。

ですが、理由はこれじゃありませんわよ。

「そしてこの3日間、殿下を見かけることがありましたが、毎回違う女性を連れて歩いていました。大体自分の父親が死にかけているというときに女性と遊び惚けていた、ということも本当にあり得ませんわ。こんな人と結婚なんてしても不幸せになるだけだと私は判断しました」

私がそう言うと、皇帝様には内緒にしていたのかわかりませんが殿下は顔を真っ赤にさせて私を睨みつけてきましたわ。

そんな顔をしても全て事実ですからね。

言われたくないならそんなことをしなければよろしいのでは?

何と思っていると皇帝様が

「ユーフェミア嬢は、なんて説明をされてここに来たんだ?」

と聞いてきたので

「国同士の繋がりが欲しいらしいから嫁いできて、としか言われませんでしたわ」

まぁ、流石に断れなかったと言っていた、なんて言えませんのでそうとしか言えませんわよね。

なのでそう答えると皇帝様は少し複雑そうな表情をして頷いています。

何か違ったんでしょうか?

ですが、お父様から言われたのはそんな感じでしたわよね?

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