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300話

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さぁ、これで私の味方をしてくれた3人の処罰は言い渡しましたわね。

この次は当然ですがシルム様ですわね。

シルム様は今回の話し合いで一番悩んだと言っても良いんじゃないでしょうか。

なぜなら、成人するまであと4年、更生機関があるのであれば入れた方が良い、と思いましたが、あまりにもフェルマー様に洗脳されていますのよね。

一度、更生したとしても最終的には同じようなことをする可能性が高すぎる、とのことでどうするべきなのか、全員が頭を抱えましたわ。

そんなことを思っているうちにも、シルム様が兵士に連れられて赤の間に入ってきましたわね。

なんでしょう....昨日の段階でも相当酷い状況だと思っていましたが....明るいところで見ると3倍くらい酷いですわね。

明るいところに出たせいで汚れもハッキリと見えるので、汚く見えるのは当然ですが、拘束されていた間食事を貰えなかったのか?と思うほど痩せ細っていますわ。

これには、赤の間にいる貴族たちも言葉を失ってしまうほどです。

流石の私もいくら罪人でもこのような姿は見たいわけもないので、ついシルム様に

「牢屋に捕まっていた5日間、食事は食べましたの?」

と聞いてしまいましたわ。

本当は罪人に声をかけるなんてダメだ、と言われていたんですけどね。

ですが、これは放置しておくわけにもいきませんもの。

そう思いながらシルム様を見ていると、下を向いていた頭をゆっくりと上に挙げて

「食べられるわけがないだろ......父上がダメって言っているんだから.......」

と言うと、力なく笑いましたわ。

これは.....洗脳というか、そのうち死んでしまいますわよ!?

しかも、フェルマー様が食事を取ったらダメだ、と指示するなんて出来ないはずですわ。

だって、兵士やアルフレッド様たちが来るまでずっと猿轡を噛ませているんですもの。

シルム様の言葉に違和感を持ちながら、隣で驚いた顔をしているアルフレッド様に

「アルフレッド様、フェルマー様にもしっかりと食事は渡していましたわよね?」

と尋ねると

「あ、当たり前だ!牢屋の中に入っても人間なのは変わらないんだから渡すに決まっているだろう」

戸惑いながらもそう答えてくれましたわ。

そ、そうですわよね。

処罰も決まっていない状況で死なせるわけがありませんし、当然ですわ。

だったらなぜシルム様に......。

なんて思っていると、今まで黙っていたリオン様に小さな声で

「皇帝、皇妃......その話はまた後から..........」

と言われてしまいましたわね。

アルフレッド様はそんなリオン様の言葉を合図にスッと椅子から立ち上がって3回目の罪状の読み上げをしましたわ。

赤の間の貴族たちは、まだシルム様の姿に理解が追い付いていないようですが、シルム様の罪状を聞いていくうちに再びざわつき始めましたわね。

まぁ、それも無理ないですわ。

だって、罪状がフェルマー様の手伝い以外にも、皇妃を殺害しようとした、ですわよ。

この年齢の罪だとは思えないような内容ですわよね。

なんて思っていると、アルフレッド様は

「30年間の鉱山行きに加えて平民降格とする」

という言葉で締めくくりましたわ。



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