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ダンジョンと新たな仲間
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もやしの水耕栽培を始めた。
亜空間の中はほんのり明るいけど、影響はない気がする。もし緑の芽が生えてきたら、また何か考えてみよう。
今日もダンジョンだ。ミニスライムだけど、気を付けないと酸で溶かされる事が分かった。シュガーの毛が溶かされていたのだ。幸い皮膚までは行かずに済んだけど、毛も治るように回復魔法をかけたら、もふもふが戻った。
緑豆を集めながら進んだら、下りの階段を見付けた。
二階層だ。魔物はアシッドアント。飛ばしてくる酸を避けながら双剣を振るう。さすがミスリル。軽い力でもよく切れる。
だけど酸を避けて切るよりも…試してみるか。
収納庫から取り出したのは鍬。耕すように振るうと、丁度首の所に刃が当たる。
ドロップアイテムは酸袋か、甲殻の一部。
うん。これならサクサク行ける。通路が狭いのが欠点だよね?
「鍬の扱いが堂に入ってますね」
「絶対褒めてないでしょ。これは農園のゲームと、昔、おばあちゃん家が農家だったからお手伝いでやってた事を覚えていただけだよ」
「…すみません」
…へ?聞き間違いだろうか?シュールが謝るなんて。
「あ、あなたが若かったせいで、死因を作る事も出来ず、向こうでは大変な事になっていたんですよ!…確認を怠った私のちょっとした凡ミスのせいですね」
事故なんかだと、ドライバーのちょっとしたミスが事故に繋がる事もある。だから事故だったと割り切る事も出来るけど、事故を起こした人だってちゃんと罰を受ける。
「ちゃんと反省してるなら、もういいよ」
「メイさん…ま、まあ。今は死神に復帰出来るように頑張るだけです」
さて。次は三階層だ。
おお!羊が2本足で立って歩いている!名前はモコモコ。
「もふもふふわふわー!ああ…愛が痛い」
「何やってるんですかメイさん!それは愛じゃなくて攻撃です!」
「うにゃにゃ!」
(うん?シュガーの事は大好きだよ?)
ヤキモチ?シュガーは可愛いな。
もう、やっつければいいんでしょ?てか、ほんの少し試したけど、ダンジョン内の魔物はテイムは出来そうもない。
倒すと肉か毛が残る。うん…せめてジンギスカンにして美味しく完食するね?
肉も毛も絶対に一匹分はないけど、さっきの蟻だって全部残った訳じゃない。
そんなもんなのかな?
このもふもふの毛はとっておけば暖かい服を作れるかもしれない。
お金は適当に貰ったけど、価値とか全く分からないし。
階段は見付けたけど、もふもふの毛も肉ももっと集めたいな。
まあ一応、魔法石には触れておく。そっと下を覗くと、大きなカマキリ。絶対に食べられない奴だ。
(あ!待って、シュガー!)
勘違いしたシュガーが行ってしまった。
(シュガー!今日は降りないよ!)
魔法で牽制しつつ、シュガーが戻ってくるのを待つ。
階段前に陣取っているこいつは倒そう。
「うわ…リーチ長いのは狡い!」
鎌の動きを良く見ながら躱し、風の槍を叩き込む。
体力があるカマキリだな。大分動きが鈍くなったところに、シュガーが後ろから爪攻撃する。
やっと倒れた。鎌が残ったけど要らない。
シュガーの傷を治してやりながら、魔力を見ているけど回復が異様に遅い。
「あれー?ダンジョンに魔力、吸われてる?」
「こういった施設が只で利用出来るはずはないと思いますが?」
うん…そりゃそうか。
(シュガー、戻ろうか)
魔法石に触れて外に出たいと思うと、出られた。
私達がダンジョンから出ると、驚いたように大きなもふもふが飛びすさった。
「グルル…」
唸り声と共に、バチバチと雷が爆ぜた。
結界で弾いて改めてもふもふを見る。
「待って、シュガー。とても凛々しいもふもふだね。ね、従魔にならない?」
「ガウッ!」
攻撃は、結界に弾かれた。うーん。何か手はないかな?
肉串を投げる。
「名前はランスでどう?私の従魔になってくれるなら食べていいよ?」
槍のように鋭い気配。きっとこの子は強いのだろう。こんなもふもふが…じゃなくて、こんなに強い子が仲間になってくれたらいいな。
肉と私を交互に見て、肉を食べた。それと同時にパスが繋がった。…もしかして、テイムの基本て餌付け?
(宜しくね!ランス)
ランスなんて名前付けちゃったけど、女の子だったらどうしよう?嫌がったら変える事は…できそうもないな。
ごめん。次があったら気をつける。
よし!じゃあランス、ステータスオープン!
ランス(5) メイの従魔
サンダーウルフ レベル52
スキル
雷魔法 風魔法 氷魔法 咆哮
状態異常耐性 魔法耐性 威圧
空歩 縮地 探知 忍び足
気配隠蔽 魔眼 爪攻撃
噛み砕き
思ってたよりも強い子だった。よく私にテイムされたな…食欲に負けたんじゃないよね?
(私はメイ。こっちはシュガー。仲良くしてね。この骸骨は…)
(メイさん、どうせ私の姿は見えてませんよ)
そうなのか。可愛い妖精ならともかく、不気味なミニ骸骨じゃな…
「今、何か失礼な事考えませんでしたか?」
無駄に鋭い。
クリーンで綺麗にしてやると、銀の毛並みは輝くように綺麗になった。
シュガーとランスの魔眼の効果は別物みたいだ。シュガーは夜目と麻痺の目。ランスは夜目と遠視。二つ以上の効果があると統合されるスキルもあるみたいだ。
私も頑張れば夜目のスキルを取れるかな?
…やっぱ無理。夜ご飯を食べたらすぐに眠くなっちゃうんだもん。お陰で最近は小説も読めない。
今日の夜ご飯は昨日仕込んでおいたモツ煮込み。2回も下茹でしてお湯を変えて、肉の臭みを取るハーブも使って煮込んだ。
歯応えが凄い。そういえば私の歯は乳歯だ。うーん。顎の力が強くなりそうだな。
シュガーも、ランスは特に大食いかも?体が大きいもんね。モツ煮込みは鍋一つ一回でなくなってしまった。
(二人共、足りた?)
うん。満足そうだ。ランス用の水を飲む器を用意して魔法で水を満たしてやると、凄い勢いで飲んだ。味付け濃かったかな?
さすがにランスはベッドに入れない。町に行ったらみんなで寝られるような大きいベッドが欲しいな。
亜空間の中はほんのり明るいけど、影響はない気がする。もし緑の芽が生えてきたら、また何か考えてみよう。
今日もダンジョンだ。ミニスライムだけど、気を付けないと酸で溶かされる事が分かった。シュガーの毛が溶かされていたのだ。幸い皮膚までは行かずに済んだけど、毛も治るように回復魔法をかけたら、もふもふが戻った。
緑豆を集めながら進んだら、下りの階段を見付けた。
二階層だ。魔物はアシッドアント。飛ばしてくる酸を避けながら双剣を振るう。さすがミスリル。軽い力でもよく切れる。
だけど酸を避けて切るよりも…試してみるか。
収納庫から取り出したのは鍬。耕すように振るうと、丁度首の所に刃が当たる。
ドロップアイテムは酸袋か、甲殻の一部。
うん。これならサクサク行ける。通路が狭いのが欠点だよね?
「鍬の扱いが堂に入ってますね」
「絶対褒めてないでしょ。これは農園のゲームと、昔、おばあちゃん家が農家だったからお手伝いでやってた事を覚えていただけだよ」
「…すみません」
…へ?聞き間違いだろうか?シュールが謝るなんて。
「あ、あなたが若かったせいで、死因を作る事も出来ず、向こうでは大変な事になっていたんですよ!…確認を怠った私のちょっとした凡ミスのせいですね」
事故なんかだと、ドライバーのちょっとしたミスが事故に繋がる事もある。だから事故だったと割り切る事も出来るけど、事故を起こした人だってちゃんと罰を受ける。
「ちゃんと反省してるなら、もういいよ」
「メイさん…ま、まあ。今は死神に復帰出来るように頑張るだけです」
さて。次は三階層だ。
おお!羊が2本足で立って歩いている!名前はモコモコ。
「もふもふふわふわー!ああ…愛が痛い」
「何やってるんですかメイさん!それは愛じゃなくて攻撃です!」
「うにゃにゃ!」
(うん?シュガーの事は大好きだよ?)
ヤキモチ?シュガーは可愛いな。
もう、やっつければいいんでしょ?てか、ほんの少し試したけど、ダンジョン内の魔物はテイムは出来そうもない。
倒すと肉か毛が残る。うん…せめてジンギスカンにして美味しく完食するね?
肉も毛も絶対に一匹分はないけど、さっきの蟻だって全部残った訳じゃない。
そんなもんなのかな?
このもふもふの毛はとっておけば暖かい服を作れるかもしれない。
お金は適当に貰ったけど、価値とか全く分からないし。
階段は見付けたけど、もふもふの毛も肉ももっと集めたいな。
まあ一応、魔法石には触れておく。そっと下を覗くと、大きなカマキリ。絶対に食べられない奴だ。
(あ!待って、シュガー!)
勘違いしたシュガーが行ってしまった。
(シュガー!今日は降りないよ!)
魔法で牽制しつつ、シュガーが戻ってくるのを待つ。
階段前に陣取っているこいつは倒そう。
「うわ…リーチ長いのは狡い!」
鎌の動きを良く見ながら躱し、風の槍を叩き込む。
体力があるカマキリだな。大分動きが鈍くなったところに、シュガーが後ろから爪攻撃する。
やっと倒れた。鎌が残ったけど要らない。
シュガーの傷を治してやりながら、魔力を見ているけど回復が異様に遅い。
「あれー?ダンジョンに魔力、吸われてる?」
「こういった施設が只で利用出来るはずはないと思いますが?」
うん…そりゃそうか。
(シュガー、戻ろうか)
魔法石に触れて外に出たいと思うと、出られた。
私達がダンジョンから出ると、驚いたように大きなもふもふが飛びすさった。
「グルル…」
唸り声と共に、バチバチと雷が爆ぜた。
結界で弾いて改めてもふもふを見る。
「待って、シュガー。とても凛々しいもふもふだね。ね、従魔にならない?」
「ガウッ!」
攻撃は、結界に弾かれた。うーん。何か手はないかな?
肉串を投げる。
「名前はランスでどう?私の従魔になってくれるなら食べていいよ?」
槍のように鋭い気配。きっとこの子は強いのだろう。こんなもふもふが…じゃなくて、こんなに強い子が仲間になってくれたらいいな。
肉と私を交互に見て、肉を食べた。それと同時にパスが繋がった。…もしかして、テイムの基本て餌付け?
(宜しくね!ランス)
ランスなんて名前付けちゃったけど、女の子だったらどうしよう?嫌がったら変える事は…できそうもないな。
ごめん。次があったら気をつける。
よし!じゃあランス、ステータスオープン!
ランス(5) メイの従魔
サンダーウルフ レベル52
スキル
雷魔法 風魔法 氷魔法 咆哮
状態異常耐性 魔法耐性 威圧
空歩 縮地 探知 忍び足
気配隠蔽 魔眼 爪攻撃
噛み砕き
思ってたよりも強い子だった。よく私にテイムされたな…食欲に負けたんじゃないよね?
(私はメイ。こっちはシュガー。仲良くしてね。この骸骨は…)
(メイさん、どうせ私の姿は見えてませんよ)
そうなのか。可愛い妖精ならともかく、不気味なミニ骸骨じゃな…
「今、何か失礼な事考えませんでしたか?」
無駄に鋭い。
クリーンで綺麗にしてやると、銀の毛並みは輝くように綺麗になった。
シュガーとランスの魔眼の効果は別物みたいだ。シュガーは夜目と麻痺の目。ランスは夜目と遠視。二つ以上の効果があると統合されるスキルもあるみたいだ。
私も頑張れば夜目のスキルを取れるかな?
…やっぱ無理。夜ご飯を食べたらすぐに眠くなっちゃうんだもん。お陰で最近は小説も読めない。
今日の夜ご飯は昨日仕込んでおいたモツ煮込み。2回も下茹でしてお湯を変えて、肉の臭みを取るハーブも使って煮込んだ。
歯応えが凄い。そういえば私の歯は乳歯だ。うーん。顎の力が強くなりそうだな。
シュガーも、ランスは特に大食いかも?体が大きいもんね。モツ煮込みは鍋一つ一回でなくなってしまった。
(二人共、足りた?)
うん。満足そうだ。ランス用の水を飲む器を用意して魔法で水を満たしてやると、凄い勢いで飲んだ。味付け濃かったかな?
さすがにランスはベッドに入れない。町に行ったらみんなで寝られるような大きいベッドが欲しいな。
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