(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる

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実りの秋

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    ダンジョンを中心に探索を続けようと思ったけど、テントが張ってあるのを見て、暫くは最初の場所に居ようと思い直した。
    子供と従魔だけで森の奥にいるのは不自然かと思う。
    
    もう少し私が大きければ不自然じゃなくなるかな?
    シュールが人の姿になれればいいのに。私の知ってる死神は、ちょっとアレな性格だけど、強くて頼りになりそうなのに。

「何ですか?メイさん。人をそんな目で見てため息つかないで下さい」
「ん…やっぱりいいや」
    一応私を守る為にいるんだよね?なら、変装して保護者のふりしてくれれば少しは役に立つのに。
    でも、大きくなった骸骨しか想像できない。

    戻る途中、栗を見つけた!
(ランス、止まって。…うーん。どうやって取ろう?魔法じゃ木に傷を付けてしまうし、栗自体が食べられなくなる可能性も)
    そう。腕が伸びればいいのに。あの海賊の人みたいに。

    いくら魔法でも私の腕が伸びるはずはない。なら魔力を伸ばして先端を手のイメージにして…やった!魔法の手だからイガも痛くない。
    これはロングハンドと呼ぶ事にしよう。高い所にある物を取りたい時に役立ってくれそうだ。

(それが欲しいのにゃ?少し離れて待ってるにゃ!)
    シュガーはするすると、長い尻尾も利用して木に登り、木魔法で実を落とした。
    あれはもしや立体機動?
    シュガーの年齢を確認すると、いつの間にか2歳になっていた。
    猫は2歳で大人らしいし、会ってから一月程でシュガーも前より大きくなっている。

(誕生日、言ってくれればお祝いしたのに)
(誕生日にゃ?)
(生まれた日の事だよ。シュガーは生まれてから2年で大人になったんだね)
(?にゃーはまだ大人じゃないにゃ。幼体ではなくなったけど、まだもう少し大きくなれるにゃ)

    赤ちゃんじゃなくなったって事かな?何にせよ喜ばしいし、全てのスキルを扱えるようになった。
    練習は勿論してかないとだめだけど、ちょっと羨ましいな。

(誕生日の料理はどんな物がいいかな?)
(肉料理が好きにゃ!)
    ランスも同意してるし、ステーキ…結構な頻度で食べてるかな?
    なら、シュガーも好きなカシオブツも使った何かがいいかな。

    結局ぶた玉になってしまった。
(うにゃー!何でにゃ?カシオブツが
踊ってるにゃ!)
    ソースは検索出来なかったので、結局適当な果物や野菜、調味料を混ぜたけど、それなりに食べられる味だ。

(シュガー、熱いから気を付けてね?)
(この白いのは何にゃ?)
(マヨネーズだよ。美味しい?)
(ヒラヒラのカシオブツと同じ位気に入ったにゃ!)
(これで削ったんだよ)

    箱付きの削り器。道具屋で見つけた。
(にゃーもやりたいにゃ!やり方教えてにゃ)

    嬉々としてカシオブツを削るシュガー。
(踊らないにゃ?)
(熱い物の上にかけないと踊らないんだよ。またぶた玉作ってあげるね?)
    正確にはぶた玉じゃなくてオーク玉?まあ、何でもいいや。

(メイは凄いにゃー。何でも出来るのにゃ)
(何でもは出来ないよ。生まれる前に生きていた記憶があるから、並みの3歳児じゃないだけ)
    だから、変に慎重になってる所もあるかもしれない。

    それにしても、異世界ってもっとエルフとかドワーフとか獣人とか、いっぱいいると思ってたけど、熊っぽい男の人一人しか見かけなかった。
    あの人はきっと冒険者だろう。大きな剣を持っていた。
    獣人の人がいたら是非お友達になりたい。

    スマホを出すと、メールのマークが出ていた。

『もう!折角町に行ったのなら教会に寄ってくれれば良かったのに…メイが人の世界に降りて、みんな腑抜けになってるわ…私も淋しいわ。
    それより、従魔を得たのね。私ももふもふは大好きよ!…じゃなくて、メイが望むなら、従魔は人化のスキルを覚えるかもしれないわ。そうすれば保護者問題も解決するかもね。
    残念ながら魔物には私から加護を与える事は出来ないけど、メイの力になってくれると思うわ。
    頑張ってね!メイ』

    アルミネアだ…まだそんなに時間は経ってないのに、懐かしい。
    それにしても、人化か…魔物が人の姿を取れるなんて、凄いな。

(ね、人化っていう人の姿を取れるスキルがあるんだって。どうやって取れるかは分からないけど…無理強いはしないけど、取れたら嬉しいな?)
(にゃー?二本足で歩くにゃ?それはとっても難しそうにゃ)

    そうだよね…それに、爪攻撃とかのスキルも使えなくなりそうだし、弱くなるのは特にランスは嫌がりそうだ。
    フレイムはそもそも私が面倒を見るつもりで拾った赤ちゃんだ。そんなフレイムには今の所、何も望む事はない。

    それにしても…教会、あったかな?町全部を見た訳じゃないし、見落としたかも…誰かに聞けば良かったかな。
    

    次の日。聖域に戻るつもりでいたけど、ランスが近づくのを嫌がった。
(魔物にとっては嫌な場所かもしれないけど、私の従魔になったから大丈夫だよ?ほら、シュガーも普通に入っているでしょ?)
    おそるおそる入ってくる様子が可愛い。
(ね?平気でしょ?ここでならゆっくり過ごせるから、森の探索をしたりしてしばらく過ごそうと思うんだ)

    気温は少しずつ下がっていると思う。下がり切る前に、もう一度コンブーを取りに行きたいし、燻製箱を作ってベーコンも作りたい。
    
    コンブーは多くあるに越した事はないけど、水が冷たそうだ。
    結界は普通に発動すると自分を囲むように半円の形になる。
    これ、ウエットスーツみたいに体に沿わせるようにして発動できないかな?
    そうすれば冷たさも通さないし、農園にある海にも安心して入れるようになるかもしれない。

    結果。発動できたけどパンツが落ちた。
    結界って、ツルツルのすべすべなんだよね。摩擦係数ゼロ。
    ネリーの作ってくれた下着だけど、ゴムが入ってる訳じゃない。まあ、ゴムが入ってても脱げそうだけど。
    見てるのはシュガーとランスだけだから別に恥ずかしくはないんだけど、乙女の羞恥心が…羞恥心が?あれ?あんまりないかな?考えてみれば私は3歳児だし、こんな森の奥地まで来る人はいなさそうだ。

    逆に見られても恥ずかしいかというと…これはあれだね。記憶はあっても精神年齢は3歳児相当だという。
    でも、次に潜る時には何か対策を考えてみよう。

    呼吸は、口の中で風魔法を、弱風で。
    同時発動と呼ばれる技術は魔法書に書いてあった。
    かなり難しい技術みたいだけど、それは想像力で補えばいい事なんだよね。

    右手と左手で違う魔法を操るようなイメージだ。
    これは…気が抜けないな。他に気を取られると、魔法が解けそうになる。
    同時発動の練習もしよう。

    前も結構取ったのに、今回も大収穫だ。他に取りに来る人はいなさそうだ。
    コンブーと水晶石。本当にここにはそれしかない。
  
    蔓を這わしてコンブーを干して、粘土質の土をたくさん出す。
    こっちはまた後でだ。

    農園から持って来た鉄のインゴット数本。それにイメージを固めて整形。
    大きな岡持ちみたいな燻製器。後はスモークチップにする木を探すだけ。

    だけど慣れない魔法の連続使用で精神的に結構疲れている。
    横になってじっと私の作業を見ていたランスのお腹に寄りかかり、もふもふの毛の感触を楽しむ。
(メイ、今日はもう休むにゃ)
(うん…今日はもう終わりでいいや)

    亜空間を開いて、まとめて焼いておいたボア肉のステーキを出す。ちょっと早めの夕ご飯だ。

    そうだ…大きな布団も作らないと。
    焦る必要はない。少しずつやっていこう。

  
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