(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる

文字の大きさ
18 / 166

スマホ農園の進化

しおりを挟む
    ランスと一緒にお風呂に浸かりながら、ぼんやりと考え込む。
(ブレードディア、あの素早さと攻撃力は怖いな…)
(なら、我々だけで狩ってくる。バッグを持たせてもらえば、肉も手に入れられるだろう)

(ううん…そんな風に甘えたくない。私も、強くなりたいもん)
    並の3歳児よりは強いと思うけど、私はみんなの主だ。戦力にはなって欲しいけど、頼りきりは良くない。

    ここの人達の強さがどれ位かは分からないけど、変に属性化して分類しない分、魔法はできていると思う。
    一度、冒険者の使う魔法を見てみたいな。

    
    次の日。いつものように農園に入って、畑の方だけざっと終わらせて、仕掛けておいたオリーブの搾油器を見る。
    やっぱり搾れてないか。私がいない間は完全に時間が止まるみたいだ。

    今回は時間をかける用事がある。少しでも早く炊飯器の魔道具を作りたい。
    
    机なんかの家具は全て後回しだから、ボロのままだけど、勉強できない訳じゃない。
    ここならうっかり寝ない限り、際限なく勉強を進められる。

    前世の記憶は殆ど役に立たない。いや、家電のまま再現する方が難しいか。

    う…まだ朝なのに、眠くなってきた。ちょっとは動くか。
    これから使うと思うし、金属の採掘に行こう。
    
    実際のダンジョンと比べると、かなりのイージーモードだ。少し歩いて行くだけで、採掘ポイントが出てくる。最初はゴブリンやコボルト等、町の近くでもまだ見た事のない弱い魔物。

    あれ?これ、魔石!うそ…今までドロップするのは、ボロ布とか木の棒位だったのに。
    たまにだけど、小さくて質は悪そうだけど、魔石をドロップするようになった。

    やってくれたのはアルミネアだよね?…本当にどうやってプログラムに介入したのかとか突っ込み所は多いけど、嬉しい。
    これは付与の練習に使えそうだ。
    どうせなら、これから銀まで取って、アクセサリーに色々付与して出荷しよう。

    いつもより念入りにダンジョンを巡って、屑魔石を手に入れる。
    魔石そのものも一応出荷しておこう。
    使い切るまで。それこそ魔鉄で作った武器にまで付与して、出荷箱に入れる。

    …はっ。当初の目的は勉強だったのに…
    ミントティーを淹れて頭をスッキリさせると、また大きな本に向かい合った。

    この本は難しいな。もう少し初心者用の本があればいいのに。
    まあ、貰い物に文句は言えないけどね。

    …ん?寝落ちしたかな?
(にゃ?メイ、眠いならベッドに行くにゃ)
(ううん、起きるよ)

    それに、試してみたい事もあるし。
    塩とハーブに浸けられた豚バラ…じゃなくて、オークのバラ肉。
    エイジングは、対象の時間を経った事にする魔法。浸け込む時間の短縮だ。

    燻製器に入れて、チップに火を付ける。当然煙が出るけど、それを風魔法を利用して収束させ、亜空間外に排出させる。
    うん。ちゃんと出来てる。しかも魔力操作の訓練にもなるな。

(メイ、今日は出掛けないのか?)
(うん。色々とやりたい事があるし、料理も作り貯めしたい)

(なら、外に行ってくる)
(にゃーはメイと一緒にお留守番にゃ)
    シュガーは寒いのは苦手だもんね。
    ランスにマジックバッグを渡した。中にはポーションも入っている。

(気をつけてね…え?フレイムも行くの?)
(む…まあ大丈夫だろう)
    小さな弟分を頭に乗せて走る姿は微笑ましい。
    フレイムも雛の頃に比べたら大きくなった。今は鳩位の大きさだ。

    燻製、やるのはいいけどこれにかかりきりになっちゃうのもな…空気清浄機でもあればな…
    空気を吸い込みつつ、定期的にクリーンを作動させる。出来なくはないけど…とにかく炊飯器の方が先だよね。
  
    ずっと見ている必要はないよね。勉強しながらにしよう。

(メイ、くさいにゃー!)
    ?!はっ…ちょっと寝てた。
    随分拡散している。丁寧に収束して外に出す。
(ごめんごめん)
    理解できない物を読むと眠くなるよね…春になって、町に行ったら絶対初心者用の魔道具の本、買おう。

    ランス達が帰ってきたので、一緒にミルフィーユ鍋を食べた。
「ピイ…」
(フレイムはどうしたの?落ち込んでいるみたい)

(雪狐の魔物を、消し炭にしてしまったんだ)
(魔石もって事?)
(だから落ち込んでいる)

    ブレスの威力、上がってる?
(大丈夫だよ、フレイム。私もまだまだ経験不足だから、一緒に強くなろうね)

    フレイムの羽根が落ちた。…よし!
    付与、反重力。

「にゃっ!」
    シュガーがひらひらと舞う羽根を捕まえようと、じゃれる。
(何でにゃ?捕まえられないにゃー?)
「あはは。体は大きくても、猫だね」

    アサシンキャットなんて怖い種族で魔物だけど、今の私のペットであり家族だ。
(魔石は貴重じゃないのか?)
(スマホの中でも屑魔石なら手に入るようになったの。付与の練習したいから丁度いいなって)

    今は農園も初級ダンジョンしか入れない。でもこの先、魔物も強くなっていく。そうしたらまともな魔石を落とすようになるのかな…なったらいいな。

    ちょっと不安でもある。指先で動かしていた頃と違って、今は実際に戦っているから。
    シュガー達も一緒に入れたらいいのにな。
    色々やった事はあるんだよね。体をぴったりくっつけたり、影に入れたり。
    どうしてもできなかったのは、スマホのスキルが私にしかなかったせいかな?
    収納庫の中の物は出し入れ出来るのに、残念。

    私のスマホだけど、中身は色々違っている。電話もできないし、ラインも無理。これは死者からメッセージが届いたら怖いからだろう。音楽も聞けない。音を発する事ができないみたい。
    マップも時計もこっち仕様で、こっちの情報しか検索できない。

(ランス、スマホはランスにはどう見えているの?)
(ただの板だな。俺には何も見えん)
(光とかも?文字とか)
(光を発しているのか?)
    えええ…
    他の人には見られないようにしよう。掌大のただの板を真剣に弄る…痛い。

    まあ、他の人にスマホのスキルがない限り、見える事がないのはある意味有難い。
    特に本が高価なのに、検索のスキルとか、チートだもんね。一番のチートは物を取り出せるゲームの世界だけど。

    肉は出ないけど、野菜や果物は全部?って位出てくる。大豆は次の日にはもう乾燥して大豆状態だから残念ながら枝豆は食べられないけど、お陰で豆腐は作れた。あとはコージの花とやらを見つければ、味噌も作れるだろう。

    春になったら本格的に探してみよう。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ

ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます! 貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。 前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?

神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜

シュガーコクーン
ファンタジー
 女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。  その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!  「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。  素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯ 旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」  現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。

転生幼女は追放先で総愛され生活を満喫中。前世で私を虐げていた姉が異世界から召喚されたので、聖女見習いは不要のようです。

桜城恋詠
ファンタジー
 聖女見習いのロルティ(6)は、五月雨瑠衣としての前世の記憶を思い出す。  異世界から召喚された聖女が、自身を虐げてきた前世の姉だと気づいたからだ。  彼女は神官に聖女は2人もいらないと教会から追放。  迷いの森に捨てられるが――そこで重傷のアンゴラウサギと生き別れた実父に出会う。 「絶対、誰にも渡さない」 「君を深く愛している」 「あなたは私の、最愛の娘よ」  公爵家の娘になった幼子は腹違いの兄と血の繋がった父と母、2匹のもふもふにたくさんの愛を注がれて暮らす。  そんな中、養父や前世の姉から命を奪われそうになって……?  命乞いをしたって、もう遅い。  あなたたちは絶対に、許さないんだから! ☆ ☆ ☆ ★ベリーズカフェ(別タイトル)・小説家になろう(同タイトル)掲載した作品を加筆修正したものになります。 こちらはトゥルーエンドとなり、内容が異なります。 ※9/28 誤字修正

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

滅びる異世界に転生したけど、幼女は楽しく旅をする!

白夢
ファンタジー
 何もしないでいいから、世界の終わりを見届けてほしい。  そう言われて、異世界に転生することになった。  でも、どうせ転生したなら、この異世界が滅びる前に観光しよう。  どうせ滅びる世界なら、思いっきり楽しもう。  だからわたしは旅に出た。  これは一人の幼女と小さな幻獣の、  世界なんて救わないつもりの放浪記。 〜〜〜  ご訪問ありがとうございます。    可愛い女の子が頼れる相棒と美しい世界で旅をする、幸せなファンタジーを目指しました。    ファンタジー小説大賞エントリー作品です。気に入っていただけましたら、ぜひご投票をお願いします。  お気に入り、ご感想、応援などいただければ、とても喜びます。よろしくお願いします! 23/01/08 表紙画像を変更しました

転生したので好きに生きよう!

ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。 不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。 奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。 ※見切り発車感が凄い。 ※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!

饕餮
ファンタジー
  書籍化決定!   2024/08/中旬ごろの出荷となります!   Web版と書籍版では一部の設定を追加しました! 今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。 救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。 一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。 そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。 だが。 「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」 森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。 ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。 ★主人公は口が悪いです。 ★不定期更新です。 ★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。

処理中です...