(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる

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雪解け

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    ダンジョン周りの雪はすっかり溶けた。畑でもあればじゃがいもでも植えたい所だけど、私にはスマホ内に農園がある。
(メイー!お散歩行きたいなのー!)
    フレイムも念話を覚えた。それと。
    ご飯を食べ終わったランスがゆっくりと立ち上がる。肌の毛が消えて、人の姿になる。
「ふう…まだ慣れないな」
    いいから早く服を着てほしい。

    慣れない動作で服を着るランス。ランスは町での私を守りたいと、人化のスキルを覚えてくれた。
    耳と尻尾がそのままだけど、獣人と言えば済む事だ。

    まだスキルに慣れないから、短時間しか無理だけど、二十歳を少し過ぎた位の年齢に見えるから、町に入る時はお父さんになってもらおうと思っている。
    銀の髪に金の瞳で、色は私と違うけど、しかも種族も違うけど、獣人と人族の間に生まれた子供はどちらかの種族になるらしい。

    それはエルフやドワーフにも言える事。だからハーフエルフなんて種族は存在しないらしい。
    
    スマホ農園の素材屋で買った布で作った服を着て、武器防具も着ける。
    魔法でずっと残る物を作り出すというのは、かなり高度な技術…というか、魔力量も全然足りない。ネリーじゃないと無理だ。
    魔鉄で作った大剣を軽々と振り回すランスは、人化して弱くなったと言っていたけど、充分に強い。
    シュガーはランスが人化を覚えてから焦りだして、悔しがっている。

    人化すると封じられるスキルもあるみたいだから、今は人化してもしっかり戦えるように、訓練中だ。
    私も相手してもらってるけど、全く敵わない。
「やはり咆哮は使えなくなっているようだ」

    爪攻撃は、意識して腕だけ戻すと使えるみたいだけど、攻撃力は弱くなるみたい。
    剣があるんだから、無理に爪で戦う必要はないんだけどね。

    それと、フレイムは収納庫を扱えるみたいだ。やっぱり時空魔法だろう。
    まあ、私の収納庫よりは大分狭いみたいだけど。

    ランスとシュガーには専用のマジックバッグを作ってあげた。
    練習の成果か、空間拡張の付与ができるようになったのだ。
    時間は止まらない。辛うじて時間遅延の付与は付けられたから、物が腐りにくくはあるけど。

(フレイム!ダンジョンに行くけどどうする?)
(行くのー!)
    ピッと鳴いて、私の頭に止まる。せめて肩に止まって欲しかったけど、肩は狭いから止まりにくいようだ。

    ランスやシュガーと訓練したり、レベルも上がったからか、ブレードディアとの戦いも魔法なしで行けるようになったけど、その下にはまだ降りていない。
    奇数階層が食べられる物を落とすから、次の階層はどうせ食べられない物だし、焦る必要は全くないのだ。

    それにまだ、ランスが人化して戦いながらゆっくり下っている所だし、フレイムも一緒だ。
    
    五階層ではフレイムが大活躍だ。ダンジョン内だけど、火を使っても問題はないみたいだ。
    五階層は度々来ている。シロップもあるけど、トレントの実が美味しいからだ。
    マジックポーションはもう、トレントの実から作った物しか飲みたくないもんね。

    今日はいよいよ9階層まで進む。フレイムはいつでも影に入れられるようにして、ランスも自分の状態を確かめて進む。
(またぶた玉食べたいにゃー)
    はいはい。すっかりシュガーは踊るカシオブツとマヨネーズにはまっちゃったね。
    
    フレイムは小さいからか、却ってオークには狙われにくい。まあ、その前にランスが大剣でオークを切ってしまうから、素早く動くフレイムは余計に狙われにくいけど、自分でもちゃんと攻撃に参加しようとしてる。
    そのフォローは私かシュガーがやっている。

(割といい感じになってきたかな?)
(どうだろうな…まだ不満は残るが、仕方ないだろう)
(なら、もう一度町へ行きたいな!)
(にゃーは…お留守番だよね?)
(フレイムと一緒に亜空間でお留守番しててもいいし、影にいてもいいよ?)

    
    次の日。森を抜け、平地に来ると、雪はまだ積もって残っていた。この差は何なんだ。

    ランスにも人化して貰い、身分証は失くした事にしてもらった。正直、魔物だとばれやしないかとヒヤヒヤしたけど、手にした水晶にも何も現れなかったし、通行税と滞在許可証で銀貨5枚持って行かれただけで済んだ。滞在許可証は役所かギルドで身分証を発行して貰えば、銀貨一枚は戻ってくるらしい。

    5歳前の私は相変わらず只だけど、これを機にギルド登録もありかな?
(俺の為に金を使わせてしまって済まない)
(平気だよ。まあ、私の従魔にならなければ使う事もなかったんだけど)
(そこは後悔していない!俺はメイの従魔になれて嬉しいのだ)

    それは分かる。まるで本当の家族のように今では思っている。
(お金は稼げばいいんだよ。売る為の素材もあるし、作ったポーションを売ってもいい)

    目立つ所にあるギルドの大きな建物は、しっかりとした石造りだ。正面には職員が待機してて、左側には買い取りカウンター。右側は食事が出来るスペースになっていて、上に昇る階段もある。

    ランスは問題なく登録出来た。私は、10歳までは条件付き登録になるみたい。最高Cランクまでで、護衛依頼は受けられない。ただし、半年以上依頼を受けないと通常は失効となるが、それはなくなる。
    それは6~10歳の間で通常は学校に通う事になるらしいから。

    この国では識字率を上げる為に初等学校の2年間は只同然で学校に通えるらしい。
    そういえば、ランスに文字を教えておくべきだったな。私が代筆したから職員の人に不思議がられてしまった。
    
    ランクの決められた仕事の他に、ランクフリーの仕事もある。薬草や、食肉採取がそれに当たって、早速オーク肉の幾つかを収めた。
    ポーションに加工した物は商業ギルドに登録して、そこで買い取ってもらう事になるみたいだけど、こっちはもう少し先でもいいかな?
    冒険者ギルドと違って年会費もかかるし、やっぱり定期的にポーションを売らないとならないみたいだから。

    オーク肉がそこそこの値段で買い取ってもらえたから、税金関係分は軽く取り戻せた。
    ランクが上がるまでは少しまめに町に来るようだな。
    ランクが上がれば期日も伸びるし、実入りのいい依頼も受けられる。
    オークを狩れるならCランク位までなら楽に行けるそうだ。

    正直、そんなに楽なの?と思ったけど、黙っておいた。オーク肉は共同受注にしてもらえたけど、討伐に私も参加したとは思われてないだろうな。

    ギルドでの用事が済んだから、次は買い物と教会だ。

    新しい物は仕立てか既製服になるけど、獣人用の既製服はないそうだ。
    まあ、獣人は体の大きさもまちまちだし、尻尾も出さないといけない。
    仕立て用の布を買って、次は古着屋に寄った。
    
    腕の部分が獣化しても破れない物と、丈夫そうな生地のズボンを見つけた。尻尾の穴は後で開ければいい。

    シュガーもいつかは人化出来るかもしれない。フレイムは…どうかな?
    ネリーは私の服を簡単に作ってしまったけど、今の私には無理だ。色々と頑張らないといけないな。
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