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夏祭り
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長い休みも終わり、明日からまた学校だ。
でもその前に、お祭り的な事をやってみたい。
夏といえば花火にお祭り、たこ焼きイカ焼きお好み焼き!
普段食べてる食事とあんまり変わらない気がするけど、そこは気分だ。
花火は魔法で再現出来るし、バイキング形式の食事にすれば面白いかもしれない。
そんな話をしたら、みんな乗ってくれた。ただ、花火は理解できないみたいだったけど。
「じゃあメタル、行くよ」
基本メタルは大人しい。会話に加わる気がないのか、興味がないのか…あるいはそういう仕様なのか。
私としてはもっとみんなと仲良くして欲しいんだけど。
作り置きの料理も貯めておかないと。
材料はたくさんある。野菜は売ってる季節に、買い占めないよう注意して買ってるし、フレイムもかなりの量のチーズを買ってきたから、当分困らない。
メタルに畑の収穫と耕しをお願いして、私はリンゴ飴の製作だ。
ダンジョンで採れる甘水は、かなり煮詰めないといけない。
「うーん…水分を抜けないかな?」
魔法でイメージしながら実践。結晶になってしまった…
まあ、氷砂糖と一緒だから、これはこれでいいけど。
鍋に火をかけながら、エイジングをかけたら、かなりドロッとした液体になった。
うん。この方法なら果物の果汁を混ぜれば、その味の飴が出来るだろう。
べっこう飴も好きだから、それなりに作って固め、少しは出荷箱に入れた。勿論、リンゴ飴もだ。
串焼きは一番人気になるだろうと予想がつくので、色々な種類の肉を使ってこれでもかと作る。
これだけ作っても綺麗になくなりそうだな…
畑の方も、今はほぼ主食原料ばかりだ。
メタルが戻って来たので、一緒に宝石ダンジョンを攻略する事にしたんだけど、以前に比べて魔物が強くなってる気がする。種類は変わらないんだけど、レベルが上がってる感じがする。
これもアルミネアが調整した結果なのかな…だとしたら、まだ入っていないラストダンジョンはどんな事になっているのか。
宝石ダンジョンはクリアしたし、ちょっとだけラストダンジョンに入ってみる事にした。
メタルがいるから、かなり余裕がある。中ボスまでは進もうかな?
オリハルコンも少しだけ手に入れる事ができたので、原石と、錬成…無理だった。やっぱり、ミスリルがやっとの私にはオリハルコンはまだ無理だ。
ずっしりと重い金属?だから、これでランスやヤブランに武器を作ってあげれば喜ぶだろうし、軽過ぎると言われる事もないだろう。確か付与も幾つも付けられた筈だし。
でも、今はまだこれを加工出来る事を目標にしないとね。
あとはお神輿があれば完璧だけど、この人数じゃ仕方ない。
奉る神様はアルミネアになるんだろうな。…あんまり合わないかも?
一応夜まで時間あるし、深淵のダンジョン15階層で階段を探してみるのもいいかも。
魔法石が無ければ16階層に続いてないって事だもんね。
気配隠蔽を範囲でかけて、何の気なしに入ったけど、フレイムは勿論だけど、メタルまで転移できてしまった。
「私の魔力は主の物と同じですから」
そうなんだ…不思議だけど便利だね。
15階層に人の気配はない。なら堂々とメタルを連れ歩ける。
うん…今日はゴーレムの数も少ないみたい。
今日は進める事が目的なので、敢えてハチミツには目を瞑った。
向かってくれば倒すし、ハチミツは拾うけどね?
階段に魔法石がない所は放置して、次のゴーレムへ。
メタルやヤブランが拳で殴ると、呆気なく倒れる。
「俺も進化したのだし、実力を試してみたいのだが…」
「だが剣を使うと、主に作って頂いた剣が破損する」
「まあ…そうだな」
「いや、そんな事気にしないでいいからね?」
!魔法石だ…遂に見付けた。慎重に降りて、そっと覗く。
オーガだ。しかも剣や槍、斧など武器を持ったソルジャーオーガが闊歩している。
ランス、フレイムと続き、シュガーと私が同時に出る。メタルは私の動きを見てから階段を降り、ヤブランは様子を見ながら魔法の矢を放つ。
再生能力はあるけど、私みたくすぐには治らないし、腕を切断すると、生えてくるまではない。
今の私が双剣で思い切り戦うには、丁度いい相手だ。
ドロップアイテムはオーガの皮。これを加工すれば、付与無しで自動修復されるいい防具が作れそうだ。
割と薄いのに丈夫で他の皮に比べると軽い。
重さが負担になるシュガーや、まだ武器防具に慣れないフレイムにも作ってあげよう。
そして、オーガの皮より丈夫なネリーの作ってくれた服は、どんなイメージをして作ったのか?
色々な武器を持っているオーガを相手にするのは、本当にいい訓練になるから、ランス達にも補助に入って貰う。
そろそろいい頃合いかな…
魔法石で転移すると、肉を焼くいい匂いが漂っていた。…お腹空いた…でも今日はお祭りメニューだもんね!
冒険者達のテントは、今までで一番多いかな。
冒険者さん達、ハチミツを流通させる為にも頑張ってね!私は売らないから。
湖の畔の聖域に戻り、早速大きなテーブルを出して、屋台メニューを次々と出す。みんなの目がキラキラと輝いていくのが分かり、笑ってしまった。
「食べるのに夢中になるのもいいけど、お祭りの醍醐味は他にもあるんだよ」
大きな音は出ない。光魔法から作った花火だ。…いや、花光?覚えている限りの光の花が湖にも反射して、とても綺麗だ。
「光の花にゃー!」
「メイ、これは?」
「これは花火っていうの。火薬も使ってないし、そもそも火じゃないけど、前世にあった物だよ」
「とても綺麗だな」
ランスの目もキラキラしている。アロカシアは魔法を分析しようとしているし、フレイムは必死に記憶している。
最後にスターマインでしめて、花火は終わりだ。
「もう終わりなのか?」
「そう。花火は引き際も肝心なの。いつでも出来るけど、終わった後の淋しさもいいんだよ」
「見るだけの物に魔力を使う。ちょっと考えられないものだが、それも主らしいか」
私らしいか。竜から比べれば人の一生なんて花火みたいなものかもね。
「私の眷属になったらアロカシアもこんな花火みたいな人生になっちゃうかも?」
「主なき後を考えるだけでゾッとする。我は共に生きたい」
今の私には難しくても、必ず眷属にする。それがアロカシアの願いだから。
でもその前に、お祭り的な事をやってみたい。
夏といえば花火にお祭り、たこ焼きイカ焼きお好み焼き!
普段食べてる食事とあんまり変わらない気がするけど、そこは気分だ。
花火は魔法で再現出来るし、バイキング形式の食事にすれば面白いかもしれない。
そんな話をしたら、みんな乗ってくれた。ただ、花火は理解できないみたいだったけど。
「じゃあメタル、行くよ」
基本メタルは大人しい。会話に加わる気がないのか、興味がないのか…あるいはそういう仕様なのか。
私としてはもっとみんなと仲良くして欲しいんだけど。
作り置きの料理も貯めておかないと。
材料はたくさんある。野菜は売ってる季節に、買い占めないよう注意して買ってるし、フレイムもかなりの量のチーズを買ってきたから、当分困らない。
メタルに畑の収穫と耕しをお願いして、私はリンゴ飴の製作だ。
ダンジョンで採れる甘水は、かなり煮詰めないといけない。
「うーん…水分を抜けないかな?」
魔法でイメージしながら実践。結晶になってしまった…
まあ、氷砂糖と一緒だから、これはこれでいいけど。
鍋に火をかけながら、エイジングをかけたら、かなりドロッとした液体になった。
うん。この方法なら果物の果汁を混ぜれば、その味の飴が出来るだろう。
べっこう飴も好きだから、それなりに作って固め、少しは出荷箱に入れた。勿論、リンゴ飴もだ。
串焼きは一番人気になるだろうと予想がつくので、色々な種類の肉を使ってこれでもかと作る。
これだけ作っても綺麗になくなりそうだな…
畑の方も、今はほぼ主食原料ばかりだ。
メタルが戻って来たので、一緒に宝石ダンジョンを攻略する事にしたんだけど、以前に比べて魔物が強くなってる気がする。種類は変わらないんだけど、レベルが上がってる感じがする。
これもアルミネアが調整した結果なのかな…だとしたら、まだ入っていないラストダンジョンはどんな事になっているのか。
宝石ダンジョンはクリアしたし、ちょっとだけラストダンジョンに入ってみる事にした。
メタルがいるから、かなり余裕がある。中ボスまでは進もうかな?
オリハルコンも少しだけ手に入れる事ができたので、原石と、錬成…無理だった。やっぱり、ミスリルがやっとの私にはオリハルコンはまだ無理だ。
ずっしりと重い金属?だから、これでランスやヤブランに武器を作ってあげれば喜ぶだろうし、軽過ぎると言われる事もないだろう。確か付与も幾つも付けられた筈だし。
でも、今はまだこれを加工出来る事を目標にしないとね。
あとはお神輿があれば完璧だけど、この人数じゃ仕方ない。
奉る神様はアルミネアになるんだろうな。…あんまり合わないかも?
一応夜まで時間あるし、深淵のダンジョン15階層で階段を探してみるのもいいかも。
魔法石が無ければ16階層に続いてないって事だもんね。
気配隠蔽を範囲でかけて、何の気なしに入ったけど、フレイムは勿論だけど、メタルまで転移できてしまった。
「私の魔力は主の物と同じですから」
そうなんだ…不思議だけど便利だね。
15階層に人の気配はない。なら堂々とメタルを連れ歩ける。
うん…今日はゴーレムの数も少ないみたい。
今日は進める事が目的なので、敢えてハチミツには目を瞑った。
向かってくれば倒すし、ハチミツは拾うけどね?
階段に魔法石がない所は放置して、次のゴーレムへ。
メタルやヤブランが拳で殴ると、呆気なく倒れる。
「俺も進化したのだし、実力を試してみたいのだが…」
「だが剣を使うと、主に作って頂いた剣が破損する」
「まあ…そうだな」
「いや、そんな事気にしないでいいからね?」
!魔法石だ…遂に見付けた。慎重に降りて、そっと覗く。
オーガだ。しかも剣や槍、斧など武器を持ったソルジャーオーガが闊歩している。
ランス、フレイムと続き、シュガーと私が同時に出る。メタルは私の動きを見てから階段を降り、ヤブランは様子を見ながら魔法の矢を放つ。
再生能力はあるけど、私みたくすぐには治らないし、腕を切断すると、生えてくるまではない。
今の私が双剣で思い切り戦うには、丁度いい相手だ。
ドロップアイテムはオーガの皮。これを加工すれば、付与無しで自動修復されるいい防具が作れそうだ。
割と薄いのに丈夫で他の皮に比べると軽い。
重さが負担になるシュガーや、まだ武器防具に慣れないフレイムにも作ってあげよう。
そして、オーガの皮より丈夫なネリーの作ってくれた服は、どんなイメージをして作ったのか?
色々な武器を持っているオーガを相手にするのは、本当にいい訓練になるから、ランス達にも補助に入って貰う。
そろそろいい頃合いかな…
魔法石で転移すると、肉を焼くいい匂いが漂っていた。…お腹空いた…でも今日はお祭りメニューだもんね!
冒険者達のテントは、今までで一番多いかな。
冒険者さん達、ハチミツを流通させる為にも頑張ってね!私は売らないから。
湖の畔の聖域に戻り、早速大きなテーブルを出して、屋台メニューを次々と出す。みんなの目がキラキラと輝いていくのが分かり、笑ってしまった。
「食べるのに夢中になるのもいいけど、お祭りの醍醐味は他にもあるんだよ」
大きな音は出ない。光魔法から作った花火だ。…いや、花光?覚えている限りの光の花が湖にも反射して、とても綺麗だ。
「光の花にゃー!」
「メイ、これは?」
「これは花火っていうの。火薬も使ってないし、そもそも火じゃないけど、前世にあった物だよ」
「とても綺麗だな」
ランスの目もキラキラしている。アロカシアは魔法を分析しようとしているし、フレイムは必死に記憶している。
最後にスターマインでしめて、花火は終わりだ。
「もう終わりなのか?」
「そう。花火は引き際も肝心なの。いつでも出来るけど、終わった後の淋しさもいいんだよ」
「見るだけの物に魔力を使う。ちょっと考えられないものだが、それも主らしいか」
私らしいか。竜から比べれば人の一生なんて花火みたいなものかもね。
「私の眷属になったらアロカシアもこんな花火みたいな人生になっちゃうかも?」
「主なき後を考えるだけでゾッとする。我は共に生きたい」
今の私には難しくても、必ず眷属にする。それがアロカシアの願いだから。
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