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温泉と、授業の始まり
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難しい事は棚上げにして、深淵の森深くにある温泉に来た。
鑑定 魔素の湯 疲れを癒し、傷の回復を促す。体内の魔素の流れも整える
辺りにいた魔物はアロカシアの威圧でお帰り頂いた。…強そうな魔物ばかりで正直今でもちょっと怖い。
というか、そんな怖い魔物も追い返してしまうアロカシア。最恐過ぎる…
珍しくシュガーもお湯に浸かっている。
「水に浸かるのは嫌なんじゃないの?」
「んー。この温泉に入ればにゃーはもっと強くなれるにゃ!」
意味不明。説明求む。
「いいからメイも入ってみなよ。多分分かるの」
「ん゛っん゛ー!」
変な声出ちゃったけど、それが気にならない位凄く気持ち良かった。下が土だから泥交じりだけど、全く気にならない。体中の汗腺から、停留していた余計な何かが全て出て行く感覚。正にデトックス効果?
(噂には聞いていたが、想像以上だな)
ランスの綺麗な毛並みが泥まみれだけど、この気持ち良さから出したら可哀想。
アロカシアは竜の姿に戻っていて、去年、会ったばかりの頃は私と同じ位の身長しかなかったのに、今はランスと同じ位だ。
その成長ぶりを考えたら、あの食欲も仕方ないのかも。
少し温めの温度でも、長く入っていると体の芯から温まって、暑くなってきた。
ちょっと休憩。
近くにあった岩に腰掛けて、空を見上げる。
チラチラと雪が舞い落ちる。火照った体には気持ちいい。
(主、一度は追い払ったが、この温泉を求めて来る魔物は多い。警戒はして欲しい)
そうなんだよね。深淵の森だと忘れそうになる。
ゲジゲジっぽい奴にダークショットを当てて追い払い、もう一度湯に入った。
気配で、魔物が戻って来る事が分かった。
「そろそろ出ようか…フレイムは羞恥心を覚えて欲しいかな…」
みんなにクリーンをかけて、服を着た。また温泉に来たいな。
これが温泉効果なのだろうか?もふもふが超もふもふになっていた。フレイムも、人化して入った筈なのに、もふもふの羽根に磨きがかかっている。
「主…明日からまた学校なのだから、今日はこれから共に料理をする筈ではなかったのか?」
そうなんだよね…春休みは凄く短い。夏休みが長いのは嬉しいけど。
今日はみんなで餃子を作る予定だ。勿論メタルも一緒に。
通常の餃子の種以外にも、チーズや納豆など変わり種も入れる。
「メイの料理は美味しいけど、時々凄いのが入ってるの」
「…納豆は流石にな…」
ランスは鼻が効くから、納豆を混ぜて焼いても見分けられると思う…でも納豆餃子、美味しいと思うんだけどな。
「ボクは辛いのが苦手なの」
「キムチはそんなに辛くないよ?」
キムチは漬け方が分からなかったから、かなり失敗した。
「我は辛い方が好みだが」
アロカシアはたまに、味オンチなんじゃないかと思う。山わさびも平気でたっぷり使ってお刺身食べたりするし。
皮も大きめで作って、黙々と種を包む。
「シュガー、頑張って手伝って。食べられないメタルだって頑張ってるんだから」
私だって手を止めていいなら、みんなの超もふもふを堪能したいんだから。
それと平行して作っているのはウサギシチュー。モーモーが増えたので、余裕を持って料理に使えるようになった。
今年は更に実習が増えるみたいだし、そうするとますますみんなに会える時間も減ってしまう。
その日は、更にもふもふがグレードアップしたもふもふ達にぴったりと寄り添って眠った。
次の日は、いきなり実習 だった。しかも先生が選んだ物ではなくて、自分で選んで依頼をこなす事になっている。
塀の外はまだ雪が残っているので、殆どの生徒がお手伝い依頼だが、やんちゃ盛りの子供達の一部は外に魔物退治に出た。
「仕方ないな、メイ、外に…」
「先生、外に出たのは少数です。私が行きます!」
「絶対に林の方に行くなよ?メイは他の生徒のフォローな」
まあ、いいけど。ボード一人でも西の平原に出る魔物なら対処出来るだろうし。
「俺はこの雨どいの修理を受けた生徒の所に行く。メイは適当に廻ってくれ」
「はーい」
店の手伝いを選んだ子達の中にはエレンもいたから、任せて平気だろう。
排水溝の詰まりを直すのも、リリーがクリーンを使えば大丈夫。…今回はあんまり見る所はないかも?
リアが手紙の配達依頼を受けたから、迷子になったらまずいから一応ドローンを付けよう。
調理手伝いは見に行くか。
調理手伝いは、みんな調理場の片隅で芋の皮剥きをしていた。なかなか出来ない子も、ちゃんと指導してくれている。これなら安心かも?
「あなたもお手伝いなの?」
「いえ、私は級長なので」
「そう。ご苦労様…って、もしかして、味噌を教えてくれた子?」
「ええ…まあ」
「とても美味しいって話だから、ウチも作っているのよ。料理上手な子が手伝ってくれると助かるんだけどなー?」
「いえ…家族の方がフォローして下さるなら安心です。私は他に行かないと」
「そうよね」
ギルドの仕事は日雇い派遣のような物だ。最低ランクの仕事にそんな難しい物は頼めない。
リリーの所は…ああ。砂利はクリーンじゃ無理だね。
近所だし、ワープは必要ないな。
リリー達は、板で必死に砂利を集めている。
「あ、メイ…ちょっと砂利が多すぎて依頼無理かも」
「ちょっと待ってね」
排水溝の空間把握。詰まっている所を空間指定して、砂利を外に出した。
「えっ?!今、どうやったの?」
「魔法だよ。とりあえず流れるようにはなったから、成功でいいんじゃないかな?」
「どういう魔法なの?」
「魔法は想像力、だよ?」
あれこれと議論が始まったけど、凄くいい事だよね。
あとは、リアか…領主の孫だし貴族。それに加えてツンデレの、デレがなかなか出て来ない性格だから、なかなか打ち解けられないんだよね。
いつもはボードがしっかりガードしてるのに、今日は…多分私への対抗心なんだろうな。自分も魔物討伐出来るって見せたいんだろう。残念ながら外のグループにはトールもいたから活躍の場はないだろうけど、イレギュラーな魔物はたまに出て来る。
ええと、リアは…
鑑定 魔素の湯 疲れを癒し、傷の回復を促す。体内の魔素の流れも整える
辺りにいた魔物はアロカシアの威圧でお帰り頂いた。…強そうな魔物ばかりで正直今でもちょっと怖い。
というか、そんな怖い魔物も追い返してしまうアロカシア。最恐過ぎる…
珍しくシュガーもお湯に浸かっている。
「水に浸かるのは嫌なんじゃないの?」
「んー。この温泉に入ればにゃーはもっと強くなれるにゃ!」
意味不明。説明求む。
「いいからメイも入ってみなよ。多分分かるの」
「ん゛っん゛ー!」
変な声出ちゃったけど、それが気にならない位凄く気持ち良かった。下が土だから泥交じりだけど、全く気にならない。体中の汗腺から、停留していた余計な何かが全て出て行く感覚。正にデトックス効果?
(噂には聞いていたが、想像以上だな)
ランスの綺麗な毛並みが泥まみれだけど、この気持ち良さから出したら可哀想。
アロカシアは竜の姿に戻っていて、去年、会ったばかりの頃は私と同じ位の身長しかなかったのに、今はランスと同じ位だ。
その成長ぶりを考えたら、あの食欲も仕方ないのかも。
少し温めの温度でも、長く入っていると体の芯から温まって、暑くなってきた。
ちょっと休憩。
近くにあった岩に腰掛けて、空を見上げる。
チラチラと雪が舞い落ちる。火照った体には気持ちいい。
(主、一度は追い払ったが、この温泉を求めて来る魔物は多い。警戒はして欲しい)
そうなんだよね。深淵の森だと忘れそうになる。
ゲジゲジっぽい奴にダークショットを当てて追い払い、もう一度湯に入った。
気配で、魔物が戻って来る事が分かった。
「そろそろ出ようか…フレイムは羞恥心を覚えて欲しいかな…」
みんなにクリーンをかけて、服を着た。また温泉に来たいな。
これが温泉効果なのだろうか?もふもふが超もふもふになっていた。フレイムも、人化して入った筈なのに、もふもふの羽根に磨きがかかっている。
「主…明日からまた学校なのだから、今日はこれから共に料理をする筈ではなかったのか?」
そうなんだよね…春休みは凄く短い。夏休みが長いのは嬉しいけど。
今日はみんなで餃子を作る予定だ。勿論メタルも一緒に。
通常の餃子の種以外にも、チーズや納豆など変わり種も入れる。
「メイの料理は美味しいけど、時々凄いのが入ってるの」
「…納豆は流石にな…」
ランスは鼻が効くから、納豆を混ぜて焼いても見分けられると思う…でも納豆餃子、美味しいと思うんだけどな。
「ボクは辛いのが苦手なの」
「キムチはそんなに辛くないよ?」
キムチは漬け方が分からなかったから、かなり失敗した。
「我は辛い方が好みだが」
アロカシアはたまに、味オンチなんじゃないかと思う。山わさびも平気でたっぷり使ってお刺身食べたりするし。
皮も大きめで作って、黙々と種を包む。
「シュガー、頑張って手伝って。食べられないメタルだって頑張ってるんだから」
私だって手を止めていいなら、みんなの超もふもふを堪能したいんだから。
それと平行して作っているのはウサギシチュー。モーモーが増えたので、余裕を持って料理に使えるようになった。
今年は更に実習が増えるみたいだし、そうするとますますみんなに会える時間も減ってしまう。
その日は、更にもふもふがグレードアップしたもふもふ達にぴったりと寄り添って眠った。
次の日は、いきなり実習 だった。しかも先生が選んだ物ではなくて、自分で選んで依頼をこなす事になっている。
塀の外はまだ雪が残っているので、殆どの生徒がお手伝い依頼だが、やんちゃ盛りの子供達の一部は外に魔物退治に出た。
「仕方ないな、メイ、外に…」
「先生、外に出たのは少数です。私が行きます!」
「絶対に林の方に行くなよ?メイは他の生徒のフォローな」
まあ、いいけど。ボード一人でも西の平原に出る魔物なら対処出来るだろうし。
「俺はこの雨どいの修理を受けた生徒の所に行く。メイは適当に廻ってくれ」
「はーい」
店の手伝いを選んだ子達の中にはエレンもいたから、任せて平気だろう。
排水溝の詰まりを直すのも、リリーがクリーンを使えば大丈夫。…今回はあんまり見る所はないかも?
リアが手紙の配達依頼を受けたから、迷子になったらまずいから一応ドローンを付けよう。
調理手伝いは見に行くか。
調理手伝いは、みんな調理場の片隅で芋の皮剥きをしていた。なかなか出来ない子も、ちゃんと指導してくれている。これなら安心かも?
「あなたもお手伝いなの?」
「いえ、私は級長なので」
「そう。ご苦労様…って、もしかして、味噌を教えてくれた子?」
「ええ…まあ」
「とても美味しいって話だから、ウチも作っているのよ。料理上手な子が手伝ってくれると助かるんだけどなー?」
「いえ…家族の方がフォローして下さるなら安心です。私は他に行かないと」
「そうよね」
ギルドの仕事は日雇い派遣のような物だ。最低ランクの仕事にそんな難しい物は頼めない。
リリーの所は…ああ。砂利はクリーンじゃ無理だね。
近所だし、ワープは必要ないな。
リリー達は、板で必死に砂利を集めている。
「あ、メイ…ちょっと砂利が多すぎて依頼無理かも」
「ちょっと待ってね」
排水溝の空間把握。詰まっている所を空間指定して、砂利を外に出した。
「えっ?!今、どうやったの?」
「魔法だよ。とりあえず流れるようにはなったから、成功でいいんじゃないかな?」
「どういう魔法なの?」
「魔法は想像力、だよ?」
あれこれと議論が始まったけど、凄くいい事だよね。
あとは、リアか…領主の孫だし貴族。それに加えてツンデレの、デレがなかなか出て来ない性格だから、なかなか打ち解けられないんだよね。
いつもはボードがしっかりガードしてるのに、今日は…多分私への対抗心なんだろうな。自分も魔物討伐出来るって見せたいんだろう。残念ながら外のグループにはトールもいたから活躍の場はないだろうけど、イレギュラーな魔物はたまに出て来る。
ええと、リアは…
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