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2階層と、収穫

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    レッドコークと、ホーンボア。美味しいお肉も結構手に入った。
    次は2階層だけど、みんな不安そうにしている。
    そんなに心配しなくても、私もあの頃よりは強くなってるし、レベルも上がったのに。

    シェーブルのミルクやチーズを集めて、魔力の花も摘んだ。
    魔力回復の速度を上げる魔道具も作れるけど、これを元にして、上級魔力ポーションを作るつもりだ。

    それでもあの力が回復するのに役に立つかは微妙な所だ。
    それでも、作っておけば安心だし、みんな自分の魔力を魔晶石に貯めるようにしているけど、私みたいに1個で回復しきれないかもしれない。

    安全の為の準備は、しすぎる事は絶対にない。
    私は深淵の森でも聖域周辺や、ダンジョン周囲位しか移動しないけど、ランスとヤブランは森中心にもどんどん入っていく。

    よし…!今回はちゃんと戦えてる!
    前回はここで…腕がバッサリと。考えてみたら怖いな…腕がくっついちゃうんだもん。
    あれ、ずれてくっつけたら、そのままくっつくのかな?手の平が後ろに…うわ。怖い。
    ユリースのお陰だって分かってるし、感謝もしてるけど…

    次に現れたのは、影の鹿、シャドウディアだ。
    影移動出来るのか…ランスみたいだな。
    でも、ランスの影移動の方が速いし、ランス相手に訓練してるよりも楽…でもないか。ランスとはパスが繋がっているから、色々と分かるけど、シャドウディアの行動は読めない。

    こういう時は、予見だ。タイミングを合わせて剣を振るうと、お肉になった。
「やった!美味しいかな?」
「面倒だったので、以前は避けて通った。済まない」
    そっか。ヤブランは最後まで行ってるもんね。
    流石にこれだけ強い魔物は実験に使えない。というか、分けて出せるか不明だから、普通に倒すだけにした。

    次は、見えていたけど、一つ目の巨人、サイクロプスだ。
    巨体から繰り出す攻撃は、持っている物が棍棒でも恐ろしい攻撃力だ。
    地面も抉れるし、岩も砕ける。こんなの、自然にいたら災害級の魔物だね。
    動きは遅いながらも自動回復があり、軽い傷なら見てる間に治ってしまう。

    自分にあるのはいいけど、相手にあると厄介なスキルだ。
    とにかく大きいから、まず足を切り取る。攻撃を避けつつ、目玉に剣を入れて、脳をかき混ぜる。流石に脳は再生しない。
    
    ドロップアイテムは、大きめの皮だ。これを集めてエリー姉様はドレスアーマーを作ったのだろう。丈夫で再生能力があるから、動きを妨げない。
「これを集めて、シュガーとフレイムの新しい鎧を作ろうか」
「でも、前に作って貰った服もすごいにゃ?正直、この鎧よりも」

    研究を重ねて作った服は、多分銃弾すら通さない。実際に銃がないから試せてはいないけど。
    衝撃緩和の付与はつけた。でも、幾分緩和される程度だ。
    ヤブランの鱗も材料に使ってあるから、防御力は最高と言ってもいい。

    私の作った服を着ていないのは、ヤブランだけだ。それは勿論、加工するよりも本物の鱗の方が防御力があるからだ。

    こういう力が強い系の魔物に相対する時は、ブーツのグリップ力がもっとあるといいかな…

    !あ、あの赤い花は…

    看破    命の花    滅多に見つからない花で、錬金術の材料になる

    まさか、こんな所でお目見えするとは。
    見かけはシロップの材料になる赤花とよく似ている。でも全くの別物で、鑑定がなかったらただの赤花だと思って見もしないだろう。

    おまけに赤花に混じって咲く事もある、紛らわしい花だ。
「メイ?わざわざ採取する物でもないの」

「これは別物!」
「え…?!もしかして!」
    それだけでフレイムには分かったみたいだ。

    それにしても、サイクロプスは体力のお化けだ。エリー姉様も、ドレスアーマーを作る位皮を集めるのに、苦労しただろうな…
    本人が気に入ってるし、性能には問題ないから、いい…と、思う。

「主…3階層まで進むのか?」
「もうちょっと自信がついたらかな…流石にドラゴンは私も怖いよ」
    ヤブランが、安堵のため息を吐いた。

「でも、魔法石には触れていくよ?」
    そうしたら、ボス直前の場所から始められるからね。

    ダンジョンから出て、ヤブランの亜空間に入った。
    中には大きなラグが一枚あるだけだ。だから、片付けもすぐに済んだ。

「よし…放つよ!」
    混乱しているレッドコークを、火を吐く前に倒すのは簡単だった。
    大型犬並みの大きさのレッドコークの肉、丸々1羽ゲット!

「成功だね!」
「ああ。だがどんな魔物でも、一人ではやらないでくれ。それは約束して欲しい」
「ミニスライムでも?」
「…あれを倒しても、緑豆にはならないと思うが」

    だよね。緑豆はたくさんあるし、一粒だけ手に入っても仕方ない。…というか、ダンジョンで一度に大量ゲット出来るから、そっちの方が断然いい。

「緑豆は冗談だよ。手に入れるなら、シジミーとか、ヌメヌメウナドンの方がいい」
「どっちも待つの。ヌメヌメウナドンはいつも冒険者でいっぱいだから、こっそりやるのは難しいの。それよりも、生息地を探した方がいいかもなの」

「どうやって…あ!冒険者ギルドとか、図書館か!」
「そうなの。普通はそうやって調べるの」

    忘れてた。そう…普通はそうだよね!チートな探し方ばかり目が行きがちだけど、それは普通の方法じゃない。
「なら、ギルドの情報は俺に任せて欲しい。フレイムは、図書館を頼む」

    妥当な配置だ。Aランクのランスが探したいと言えば、ギルドの協力も期待出来る。フレイムは、本を読むのも好きだし。
「そうだな…我はサンダーイールの捜索もしなければならないし、シュガーは…主の事、任せたぞ」

    そうだね。図書館ではシュガー、寝ちゃうだろうし、私が無茶しないように、任せたいのもあるんだろうな…そんなに心配しなくても大丈夫なのに…

「メイは夢中になると、ご飯を忘れちゃうにゃ」
    それは…反論できないな。

「分かった。了解。でもその前に、泥温泉に行こう?」
    その提案には、みんな大賛成のようだ。
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