(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる

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    冬の間は、稲刈りをしたり、各地ダンジョンを巡って美味しい物を集めた。
    今年の冬の食事は豪華だ。好物がいっぱい。
「見て…私、モコモコよりも大きくなったよ!」
「そうだな。だが、攻撃力が弱いとはいえ、魔物に抱きつくのは止めてくれ」
    モコモコのパンチ位は、服が余裕で吸収しちゃうんだよね。服の所以外でも、モコモコはそんなに強くないから、痛くない。

    でもごめんね。ジンギスカンの為にお肉になってね!

    もふもふ達の国は全体的に魔素が濃いせいか、雪もそれ程積もらない。深淵の森程じゃないけどね。
    だから、魔物もお馴染みの種類が闊歩してるようだ。

    白い雪の中を歩く黄色いモコモコ。とっても目立つね!
    お、あの杖は…。
    もふもふ達が杖を手に、モコモコを狩ろうとしている。
    実はあの杖は、マジックキャンセルの効果を付与した杖で、エリー姉様に、もふもふ達に優先的に売るお願いをしている。

    価格は市場を荒らさない程度に。でもなるべく抑えて。

    似たような魔道具は、他にもあるけど、私が作った杖の方が断然性能がいい。
    
    私達は、別のを狙う。普通のモコモコより大きいし、ダンジョンでジンギスカンを堪能できる程肉を集めるのは大変だからね。

    ここの草原にはホーンブルもいるから、牛肉も手に入る。

    それに、雪遊びも楽しいよね!寒さの苦手なシュガーとフレイムは亜空間でお留守番だ。
    ハティのランスは、元気だ。ヤブランは、爬虫類な気がするけど、寒くても割と平気みたいだ。

     ドラゴンて…何類なんだろう?

     なんて事はどうでもいいか。これ位の雪なら、防水仕様のいつものブーツで充分快適だ。

    精霊視を使って見ると、辺りの微精霊が活発に動いているのが分かる。キラキラでふわふわで可愛いから、魔力食堂扱いも、気にしない事にする。
    これが国にとっていい影響になるかは微妙だけど。

「メイ、もう充分じゃないか?あまり長時間寒さを我慢していると、風邪をひく」
「ん?そんなに寒くないよ?」
「そうだな。これ以上は許可出来ない。獲物なら我々で集めておくから、亜空間に戻ってくれ」

    もう…本当に大丈夫なのに。
    でも、それなら美味しいものでも作ろうかな。春になったらダンジョン攻略だし、ゲートも開かないとね! 

    そういう訳で、方向を確認して、ドローンを飛ばす。途中、町を見かけたら、念のためにそこにもゲートを開いておく。

    見つけた。天空の塔ダンジョン。本当に天空まで届く高さで、雲を突き抜けている。近くには、大きな町もある。確か、バルト国の王都だっけ?

    おお…熱交換の煉瓦が敷いてあって、雪が溶けている。

    バルトはダンジョンのお陰もあって、人口も多いし、経済的にもかなり潤っている。
    だから王都から塔への道にも煉瓦を置いて、冬でもダンジョンに行けるようになっている。

    ただ残念な事に、近くにゲートを開ける所が見当たらない。雪はかなり積もっているようだし、この国は、深淵の森とも隣合っていない。
    でも、ちょっと遠いけど、海岸近くにいい場所を見つけた。

    海の影響か、崖の上は雪がない。取り敢えずここにゲートを開こう。

「メイ?どこか行くの?」
「新しいポイントにゲートを開いたから、ちょっと見に行ってくるだけ。1人で大丈夫だよ」
「だめ。ボクも行くの」

    開いたはいいけど、本当に崖の表面が出た所だから、足場が悪い。
(メイ、一旦亜空間に戻って)

    フレイムが元の姿に戻った。ブレスで周囲の雪を溶かすつもりらしい。

    少ししてから亜空間を再び開いて、驚いた。崖の上怖っ!落ちたら死んじゃうよ!
     崖の下の、人目につかない所に、改めてゲートを開いて、雪でまた埋まらないように熱交換の煉瓦を敷いておく。

「メイ、ここは魔素の薄い所なの。海岸はそれなりだけど、内陸の方は、強い魔物は生きられないの」
「そうなの?アロカシアとかには、きついかな?」
「ううん、メイが一緒なら大丈夫なの。不思議だけど、さっきよりも居心地がいいの」

    確かに、フェニックスは決して弱い魔物じゃない。一番弱いのは…うん。私だね。

    凄く不思議だけど、そういう物だと思うしかない。私は学者じゃないんだから、特に追及したいとも思わないし。

    姿を消して、翼の魔道具をつけると、フレイムも元の姿に戻って、姿を見えなくする。
    
    塔付近を旋回して、魔力が思ったよりも減っている事に気がついた。多分、魔素が薄いから自動回復も遅いのだろう。
    ダンジョンの中はどんな感じだろう?
(ね、ちょっとだけダンジョンに入ってもいいかな?)
(みんな揃ってからがいいと思うの。でも、一階層位なら)

    ダンジョンの周囲には誰もいない。魔法石に触れると、頭に声が届いた。
(ようこそ、4ヵ所のダンジョンマスター。マスター権限として、ダンジョン内での亜空間を許可します)

    コアの声だ…クリアしなくても、新しい権限が使えるみたいだ。勿論、クリアしないとマスタールームには行けないけど。
    
    塔の中は見かけよりも広い。スライムが、のんびりと草を食みながら、動いている。
    五のつく階層じゃなくても、草とか生えたりするんだ。
    それと魔素の感じは、他のダンジョンと同じ位?…不思議。

    蹴り飛ばしただけでスライムは倒れて、極たまに大豆か小さな屑魔石を落とす。
    草の方は何の効果もない、本当の雑草で、ポーションの材料になりそうな物もない。

    1階層だからこんな物なのかな?
「フレイム、もう帰ろうか」
    攻略するなら、みんな一緒がいい。今日は下見だけだ。

    ダンジョンから出て、ちょっとだけ名残惜しく感じて、ダンジョンを見上げる。
    また後で、今度は攻略に来るからね!
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