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天空の塔ダンジョン 3
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土瓶蒸しを作ろうと思ったけど、普通、土瓶なんてないよね。作るのも難しそうだし。
という訳で、普通に茶碗蒸しだ。
香りを楽しむ為の物だし、数も作らないといけないから、とっても薄切りだ。
銀杏はないので、代わりに枝豆を入れてみた。あとは白身魚と、鶏肉と、アジタケ。
あとはフナマスの煮付けと、蒸し鶏のサラダ。
肉を希望されても唐揚げも、とんかつも入っているし、肉料理は常に切らさないようにしている。
そういえば、魔宝石も出荷した事なかったな。オージェも、これを見たら少しは認めてくれるかな?
そう。魔宝石といえば、役に立ちそうな魔術具があるんだよね。
例えば範囲結界。
広い物だと、小国1つを覆う位大きな結界を張れる物もあるとか。魔力を込めるのが凄く大変そうだ。
中には人の手によって造られた物ではない物もあり、それはそれだけの効果を周囲の魔素を取り込んで稼働している物もあるらしい。造ったのはオージェかな?
そこまでは無理だとしても、自分の手で魔宝石を作れるようになったから、単なる魔力タンクとしてだけじゃなく、役に立つ物を作ってみたいな。
色々調べていたら、茶碗蒸しが出来た。凄いいい香り!
1つは出荷箱へ。あとは今日、早速食べてみよう。
「これがレアキノコのタケマツの茶碗蒸しだよ。熱いから気をつけてね…えっ!」
最初は香りを楽しんでいたけど、アロカシアが茶碗を持ち、中身を一口で飲み込んだ!
「アロカシア!火傷してない?大丈夫?!」
「?特に何ともない。元々我は火炎ブレスも吐くから、この程度の熱さは気にならないし、この茶碗に入っているのだから、これは飲み物ではないのか?」
「…うわぁ」
「熱くてほんの少しずつしか食べられないにゃ」
「ボクもブレスは吐くけど…人化してるんだから、人に合わせないとだめなの」
「そうだな。人には耐えられない熱さだ」
「む…確かにそうだな。亜空間だからと気を抜いてはだめだな」
「胃の中も熱さは平気なの?」
「特に問題はないな。鍋料理等、今までにも熱い物はあったし」
そっか…アロカシアは食べるペースも速いもんね。
よい子は真似しちゃいけません。(出来ません)
さすが、最強の防御力を誇るだけあるね。
忘れないように、週末はアロカシアと一緒に寝る日だ。私が毛布を持って近付くと、尻尾をバタバタ振って喜ぶ。
寝やすい位置に、布団を敷いてくれる。
布団に座ってアロカシアのお腹の所に寄りかかり、薄手の綿毛布を被る。
滑らかな鱗は金色の部分が増えてきた。
大人になったから変わったと思っていたけど、アロカシアの話ではちょっと違うみたい。
私とずっと一緒にいる為の資格を得たとか、聞いても良く分からなかったけど、何がなくても眷属なんだから、ずっと一緒にいる事は決まっているのにね。
階段を見つけてなかったので、また8階層からだ。朝早くから頑張るねー。冒険者さん達。って、私達も冒険者だけど。
でも、私達は更なる高みを目指すのさ…なんてね。
階段も見つけた。今度はどんな食べ物かなー?
っと。魔物ね。うん…狸だね。ジビエ料理にするね!
ブラックラクーンは、お泊まり実習の時にも倒して食べたね。
臭いからと、食べられない子もいたけど、私的には許せる範囲かな。しっかり臭みも取ったし。
お。モモ肉か。筋肉質の所は結構美味しいよね。
狸肉はあんまり売れないらしい。冒険者も少ない…と思ったら、先の採掘場所で、鉱石を採っていた。
でも、魔鉄は間に合ってるから要らないかな。
先に進むとすぐに階段があったから、みんなここに転移して採掘してるんだろう。
扉が閉まっているって事は、誰かがボスと戦っているのだろう。
暫く待つと、扉が開いた。
よし!突入!…なんだ。ホブゴブ君か。
宝箱が出た。中身は結界石だ。
売るか、ダンジョンの栄養にするか。
「このように多数の人が訪れるボス部屋でも宝箱が出るのは、とても運がいいのだろうな」
私には必要ないけどね。でも、買えばそれなりにする物なのかな?新しい魔道具じゃないからレシピは一般的な物だけど。
後で知った事だけど、宝箱は滅多に出なくて、出たとしてもポーション類らしい。
とにかく、やっと11階層だ。魔物はフォレストボア。
猪狩りだー!そういえば、暫く食べてないな、モツ鍋。
蒟蒻もあるし、久しぶりに作りたい…でも、落とすのは肉が多い。モツが食べたいなら、深淵の森に行けばいい。
フォレストボアは小型だけど、落とす肉は割と大きめ。外で狩った方が効率がいいけど、ついでだから、集めていく。
ふと、壁が気になった。
「どうしたにゃ?罠はにゃーよ?」
「んー?そうなんだけど…」
暫くその辺を探っていたけど、特に何もない。
「気のせいかな…」
コンコンッと、ノックしてみる。反応はない。もう一度。
『山』
…え?
「壁が喋ったにゃ!」
「罠か?!」
「か…川?」
『………』
「皮!」
ゴゴゴと音がして、壁が開いた。
「おおー。宝箱!」
中身は…確認しようとした途端、シュガーが飛びついた。
「ちょ…だめ!確認してから!」
この白っぽい蔓は…
看破 マタタタビ 一部魔物が喜ぶ植物。
タが1つ多いけど、マタタビだよね。
「亜空間に戻ったらね!」
喉を鳴らしてスリスリしてくるシュガー。
「うにゃ~、この気分は何なのかにゃー?」
「マタタビは初めて?珍しい物なのかな?」
「何でもいいにゃー。カミカミしたいにゃー」
「せめて階段は見つけようね?」
もう結構進んだから、そろそろ階段が見つかるかもしれない。
「シュガーの我が儘の為に中断してもいいのか?」
「いいよ。冒険者ギルドでレア情報とか、ちょっと知りたいし」
「確かに、それは我も気になっていた」
「だよねー」
まだ夕食には早い時間だから、店の2、3件寄れそう。
間もなく階段を見つけたので、魔法石に触れて、1階層に転移した。
という訳で、普通に茶碗蒸しだ。
香りを楽しむ為の物だし、数も作らないといけないから、とっても薄切りだ。
銀杏はないので、代わりに枝豆を入れてみた。あとは白身魚と、鶏肉と、アジタケ。
あとはフナマスの煮付けと、蒸し鶏のサラダ。
肉を希望されても唐揚げも、とんかつも入っているし、肉料理は常に切らさないようにしている。
そういえば、魔宝石も出荷した事なかったな。オージェも、これを見たら少しは認めてくれるかな?
そう。魔宝石といえば、役に立ちそうな魔術具があるんだよね。
例えば範囲結界。
広い物だと、小国1つを覆う位大きな結界を張れる物もあるとか。魔力を込めるのが凄く大変そうだ。
中には人の手によって造られた物ではない物もあり、それはそれだけの効果を周囲の魔素を取り込んで稼働している物もあるらしい。造ったのはオージェかな?
そこまでは無理だとしても、自分の手で魔宝石を作れるようになったから、単なる魔力タンクとしてだけじゃなく、役に立つ物を作ってみたいな。
色々調べていたら、茶碗蒸しが出来た。凄いいい香り!
1つは出荷箱へ。あとは今日、早速食べてみよう。
「これがレアキノコのタケマツの茶碗蒸しだよ。熱いから気をつけてね…えっ!」
最初は香りを楽しんでいたけど、アロカシアが茶碗を持ち、中身を一口で飲み込んだ!
「アロカシア!火傷してない?大丈夫?!」
「?特に何ともない。元々我は火炎ブレスも吐くから、この程度の熱さは気にならないし、この茶碗に入っているのだから、これは飲み物ではないのか?」
「…うわぁ」
「熱くてほんの少しずつしか食べられないにゃ」
「ボクもブレスは吐くけど…人化してるんだから、人に合わせないとだめなの」
「そうだな。人には耐えられない熱さだ」
「む…確かにそうだな。亜空間だからと気を抜いてはだめだな」
「胃の中も熱さは平気なの?」
「特に問題はないな。鍋料理等、今までにも熱い物はあったし」
そっか…アロカシアは食べるペースも速いもんね。
よい子は真似しちゃいけません。(出来ません)
さすが、最強の防御力を誇るだけあるね。
忘れないように、週末はアロカシアと一緒に寝る日だ。私が毛布を持って近付くと、尻尾をバタバタ振って喜ぶ。
寝やすい位置に、布団を敷いてくれる。
布団に座ってアロカシアのお腹の所に寄りかかり、薄手の綿毛布を被る。
滑らかな鱗は金色の部分が増えてきた。
大人になったから変わったと思っていたけど、アロカシアの話ではちょっと違うみたい。
私とずっと一緒にいる為の資格を得たとか、聞いても良く分からなかったけど、何がなくても眷属なんだから、ずっと一緒にいる事は決まっているのにね。
階段を見つけてなかったので、また8階層からだ。朝早くから頑張るねー。冒険者さん達。って、私達も冒険者だけど。
でも、私達は更なる高みを目指すのさ…なんてね。
階段も見つけた。今度はどんな食べ物かなー?
っと。魔物ね。うん…狸だね。ジビエ料理にするね!
ブラックラクーンは、お泊まり実習の時にも倒して食べたね。
臭いからと、食べられない子もいたけど、私的には許せる範囲かな。しっかり臭みも取ったし。
お。モモ肉か。筋肉質の所は結構美味しいよね。
狸肉はあんまり売れないらしい。冒険者も少ない…と思ったら、先の採掘場所で、鉱石を採っていた。
でも、魔鉄は間に合ってるから要らないかな。
先に進むとすぐに階段があったから、みんなここに転移して採掘してるんだろう。
扉が閉まっているって事は、誰かがボスと戦っているのだろう。
暫く待つと、扉が開いた。
よし!突入!…なんだ。ホブゴブ君か。
宝箱が出た。中身は結界石だ。
売るか、ダンジョンの栄養にするか。
「このように多数の人が訪れるボス部屋でも宝箱が出るのは、とても運がいいのだろうな」
私には必要ないけどね。でも、買えばそれなりにする物なのかな?新しい魔道具じゃないからレシピは一般的な物だけど。
後で知った事だけど、宝箱は滅多に出なくて、出たとしてもポーション類らしい。
とにかく、やっと11階層だ。魔物はフォレストボア。
猪狩りだー!そういえば、暫く食べてないな、モツ鍋。
蒟蒻もあるし、久しぶりに作りたい…でも、落とすのは肉が多い。モツが食べたいなら、深淵の森に行けばいい。
フォレストボアは小型だけど、落とす肉は割と大きめ。外で狩った方が効率がいいけど、ついでだから、集めていく。
ふと、壁が気になった。
「どうしたにゃ?罠はにゃーよ?」
「んー?そうなんだけど…」
暫くその辺を探っていたけど、特に何もない。
「気のせいかな…」
コンコンッと、ノックしてみる。反応はない。もう一度。
『山』
…え?
「壁が喋ったにゃ!」
「罠か?!」
「か…川?」
『………』
「皮!」
ゴゴゴと音がして、壁が開いた。
「おおー。宝箱!」
中身は…確認しようとした途端、シュガーが飛びついた。
「ちょ…だめ!確認してから!」
この白っぽい蔓は…
看破 マタタタビ 一部魔物が喜ぶ植物。
タが1つ多いけど、マタタビだよね。
「亜空間に戻ったらね!」
喉を鳴らしてスリスリしてくるシュガー。
「うにゃ~、この気分は何なのかにゃー?」
「マタタビは初めて?珍しい物なのかな?」
「何でもいいにゃー。カミカミしたいにゃー」
「せめて階段は見つけようね?」
もう結構進んだから、そろそろ階段が見つかるかもしれない。
「シュガーの我が儘の為に中断してもいいのか?」
「いいよ。冒険者ギルドでレア情報とか、ちょっと知りたいし」
「確かに、それは我も気になっていた」
「だよねー」
まだ夕食には早い時間だから、店の2、3件寄れそう。
間もなく階段を見つけたので、魔法石に触れて、1階層に転移した。
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