134 / 166
天空の塔ダンジョン 4
しおりを挟む
葛粉の入っていない葛餅をデザートに食べて、やっとマタタタビから離れられたシュガーのブラッシングを念入りにやった。
「折角綺麗な毛が、散々ゴロゴロしてたからグシャグシャだよ。女の子なんだから、身だしなみは整えようね」
「うにゃ。マタタタビで、我を失ってたにゃ…お手伝いも出来なくて、ごめんにゃさい」
「それはいいよ」
魔法って便利だけど、怖いね。しっかりイメージしないと、思いもよらない結果を招くから。
それにしても、ほぼ全ての人が使える生活魔法があると信じられているのに、敢えて水の出るコップを作る。そこには果たしてどんな意図があるのか?
まあ、これはどこかのダンジョン内の宝箱に、入れる事にしよう。こういう期待しててため息ついちゃうような宝箱もたまにはいいよね。
そう。例えば錬金術師の人が開けた宝箱にポーションが入っていたりとか。
錬金術師の人に戦う力は必要ないけど、魔力を上げる為には、レベルを上げる必要があるのだ。
だから護衛付きでダンジョンに入り、同パーティーには同じ経験値が入るというシステムを利用して、レベルを上げる。
いつものようにもふもふに埋もれて目を閉じたけど、なかなか眠れない。羊が一匹…羊が二匹…あー!余計眠れない!だってもふもふのモコモコが脳内を横切って行くんだよ?!平常心で眠るなんて、絶対無理!
却って難しい事を思い出した方が眠れる。森羅万象から数学の知識を読んでいたら、あっさり眠れた。
さて。12階層から始めよう。ダンジョンに向けて歩く人は多く、余計なトラブルを避ける為にも、ヤブランに抱っこして貰った。東京並みの人ごみだし、仕方ない…実際の東京がどんな混み方をしてたのか、そもそも数回しか行った事ないから分からないけどね。
魔物はグレーウルフ。ドロップアイテムは毛皮か牙だ。
手触りが良くない。ただ、防具の材料として売れるらしく、それなりの買い取り額は保障されている。だからか、一定数の冒険者はいるけど、態々気合いを入れてアイテム集めをする冒険者はいない。
私達も向かってきた魔物だけを倒して、階段を見つける事に集中する。
随分集まっているなと思ったら、銀鉱石の採掘ポイントがあった。
銀は魔道具を作るのに使うけど、ここで並んでまで採る必要はない。
みんな、余裕で倒しているけど、供給過多になったりしないのかな?
サクッと進んで13階層へ。
魔物はグリーンアナコンダだ。大型の蛇で、以前に倒した事があるけど、そんなに強くないし、体の大きくなった今なら、余計に危険はないだろう。
動きも遅いから、首を落とした時に落ちてきた首で二次被害に遇わないように…そういえば、倒せば死体の消えるダンジョンだから、そんな心配もないんだった。
あっさりとした味で、可もなく不可もない感じで、大きな体に合う肉の残り方だ。
「歯応えがないな…」
え?!食べたの?
良かった…違うみたい。手応えと言い間違えたんだね。
それなりに冒険者もいるから、生で食べたらびっくりさせちゃう。
肉が貰えるからか、みんなの気合いの入り方が半端ない。皮が出たりすると、あからさまにがっかりして、ちょっと笑ってしまう。
14階層に向かう階段を見つけたけど、まだ肉を集めたそうだ。
「まあ、肉ならダンジョンではなく、森に入った方が効率的だからな」
まあ、そうだよね。
14階層は、ワイルドマンティス。このダンジョンは階層が多いからか、魔物の強さの上がり方が緩やかだ。
でっかいだけのカマキリなんて、動きが読めていれば全然怖くない。
冒険者の姿もないし、気配もないからみんな、さっさと進む為に無双状態!人化は誰も解いていないけど、通路の先に向けて魔法を飛ばしてカマキリを全滅させたりしてる。
因みにドロップアイテムの大鎌は、最初の1本以外拾っていない。これも私の身長に合わないから、出荷箱行きだ。
もしかして、この鎌は草刈り用なのかも。
下草の生えてるダンジョンだし、10階層を超えてから草の背丈が若干伸びてる気がする。たまにハーブも見えるし、それも採取する対象なんだろう。
まあ、魔物の相手しながらまで集めなくても、農園で普通に生えてるから、要らないけど。
先にどんどん進みたいのは私も一緒だ。だって次は15階層だもんね。
階段を見つけた時は、思わず走ってたよ。
階段を登った先は、すごく明るい。そして、何故か畑が広がっていて、色々な野菜が…!
「これ!収穫してもいいんだよね!」
「待つにゃ…その野菜は魔物にゃ!」
それは想定済みだ。でも、それもまた楽しい。
カブを収穫したと思ったら、カブが噛みついてくる。結構痛かった。
コーンも近付くと、自身の身を削って粒を飛ばしてくる。
勿体ないのはスイカだ。自ら爆発するなんて。
でも、三角形に切られたスイカが残るから、種を飛ばしてかぶりついた。甘くて美味しい!
当然農園でも作れるけど、こんな風に面白い攻撃をしてくるなんて、意外性があっていい。
「メイ…野菜ならスマホで採れるのだろう?」
そうなんだけどね?スイカはいつ食べてもいいよね!
いい笑顔で収穫していたら、眷属達が苦笑した。
たまにはいいよね!私は今、収穫の喜びに燃えているのさ。
みんなが予想した通り、今日はここで終わりになった。
収穫量としては少ないけど、充分満足だ。
敢えて魔法石には触れない。明日もまた、収穫してから進もう。
「折角綺麗な毛が、散々ゴロゴロしてたからグシャグシャだよ。女の子なんだから、身だしなみは整えようね」
「うにゃ。マタタタビで、我を失ってたにゃ…お手伝いも出来なくて、ごめんにゃさい」
「それはいいよ」
魔法って便利だけど、怖いね。しっかりイメージしないと、思いもよらない結果を招くから。
それにしても、ほぼ全ての人が使える生活魔法があると信じられているのに、敢えて水の出るコップを作る。そこには果たしてどんな意図があるのか?
まあ、これはどこかのダンジョン内の宝箱に、入れる事にしよう。こういう期待しててため息ついちゃうような宝箱もたまにはいいよね。
そう。例えば錬金術師の人が開けた宝箱にポーションが入っていたりとか。
錬金術師の人に戦う力は必要ないけど、魔力を上げる為には、レベルを上げる必要があるのだ。
だから護衛付きでダンジョンに入り、同パーティーには同じ経験値が入るというシステムを利用して、レベルを上げる。
いつものようにもふもふに埋もれて目を閉じたけど、なかなか眠れない。羊が一匹…羊が二匹…あー!余計眠れない!だってもふもふのモコモコが脳内を横切って行くんだよ?!平常心で眠るなんて、絶対無理!
却って難しい事を思い出した方が眠れる。森羅万象から数学の知識を読んでいたら、あっさり眠れた。
さて。12階層から始めよう。ダンジョンに向けて歩く人は多く、余計なトラブルを避ける為にも、ヤブランに抱っこして貰った。東京並みの人ごみだし、仕方ない…実際の東京がどんな混み方をしてたのか、そもそも数回しか行った事ないから分からないけどね。
魔物はグレーウルフ。ドロップアイテムは毛皮か牙だ。
手触りが良くない。ただ、防具の材料として売れるらしく、それなりの買い取り額は保障されている。だからか、一定数の冒険者はいるけど、態々気合いを入れてアイテム集めをする冒険者はいない。
私達も向かってきた魔物だけを倒して、階段を見つける事に集中する。
随分集まっているなと思ったら、銀鉱石の採掘ポイントがあった。
銀は魔道具を作るのに使うけど、ここで並んでまで採る必要はない。
みんな、余裕で倒しているけど、供給過多になったりしないのかな?
サクッと進んで13階層へ。
魔物はグリーンアナコンダだ。大型の蛇で、以前に倒した事があるけど、そんなに強くないし、体の大きくなった今なら、余計に危険はないだろう。
動きも遅いから、首を落とした時に落ちてきた首で二次被害に遇わないように…そういえば、倒せば死体の消えるダンジョンだから、そんな心配もないんだった。
あっさりとした味で、可もなく不可もない感じで、大きな体に合う肉の残り方だ。
「歯応えがないな…」
え?!食べたの?
良かった…違うみたい。手応えと言い間違えたんだね。
それなりに冒険者もいるから、生で食べたらびっくりさせちゃう。
肉が貰えるからか、みんなの気合いの入り方が半端ない。皮が出たりすると、あからさまにがっかりして、ちょっと笑ってしまう。
14階層に向かう階段を見つけたけど、まだ肉を集めたそうだ。
「まあ、肉ならダンジョンではなく、森に入った方が効率的だからな」
まあ、そうだよね。
14階層は、ワイルドマンティス。このダンジョンは階層が多いからか、魔物の強さの上がり方が緩やかだ。
でっかいだけのカマキリなんて、動きが読めていれば全然怖くない。
冒険者の姿もないし、気配もないからみんな、さっさと進む為に無双状態!人化は誰も解いていないけど、通路の先に向けて魔法を飛ばしてカマキリを全滅させたりしてる。
因みにドロップアイテムの大鎌は、最初の1本以外拾っていない。これも私の身長に合わないから、出荷箱行きだ。
もしかして、この鎌は草刈り用なのかも。
下草の生えてるダンジョンだし、10階層を超えてから草の背丈が若干伸びてる気がする。たまにハーブも見えるし、それも採取する対象なんだろう。
まあ、魔物の相手しながらまで集めなくても、農園で普通に生えてるから、要らないけど。
先にどんどん進みたいのは私も一緒だ。だって次は15階層だもんね。
階段を見つけた時は、思わず走ってたよ。
階段を登った先は、すごく明るい。そして、何故か畑が広がっていて、色々な野菜が…!
「これ!収穫してもいいんだよね!」
「待つにゃ…その野菜は魔物にゃ!」
それは想定済みだ。でも、それもまた楽しい。
カブを収穫したと思ったら、カブが噛みついてくる。結構痛かった。
コーンも近付くと、自身の身を削って粒を飛ばしてくる。
勿体ないのはスイカだ。自ら爆発するなんて。
でも、三角形に切られたスイカが残るから、種を飛ばしてかぶりついた。甘くて美味しい!
当然農園でも作れるけど、こんな風に面白い攻撃をしてくるなんて、意外性があっていい。
「メイ…野菜ならスマホで採れるのだろう?」
そうなんだけどね?スイカはいつ食べてもいいよね!
いい笑顔で収穫していたら、眷属達が苦笑した。
たまにはいいよね!私は今、収穫の喜びに燃えているのさ。
みんなが予想した通り、今日はここで終わりになった。
収穫量としては少ないけど、充分満足だ。
敢えて魔法石には触れない。明日もまた、収穫してから進もう。
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
1,298
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる