裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~

あかる

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ボス戦と、新たなスキル

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    幼稚園が始まる前までには3階層に行くのが海人君の目標だ。
    槌でネズミを叩くと、呆気なく倒れて行くし、次に進んでも問題ないと思うけど、海人君のお父さんにしてみればまだまだっぽい。

    そのお父さんだけど、やっぱり9階層で止まっているみたい。
    壁を伝って行こうとしたり、足場の間をジャンプして進もうとしたりとか、工夫はしてても、なかなか上手く行かないみたい。
    海人君のお母さんもだ。お母さんもかなり強いみたいで、細身の剣を2本振るって魔物を屠る。

    私はといえば、9階層で満足してしまっている。だって、お魚美味しいんだもん。
    先に進めるルートは必ずあるって話だけど、私が魔法で連れて行く事は出来る。

    私の魔法の実力には海人君の両親も驚いていたけど、能力を公開するような事はしないと約束してくれた。
    その足場だけど、何パターンかあって日によって違うし、目に見えない足場もある事に気がついた。しかもフロア中央付近には、かなり大きな足場がある。
    私だけなら簡単に行く事が出来る。魔法で飛べるからだ。
    ペット達は私の影に入れる事が出来るからね。

    10階層はどこのダンジョンでもボス戦で、パーティー一組が入ると扉が閉まり、クリアするか、全滅するまで扉は開かない。私はちょっと迷っている。
    対魚との戦闘?でレベルも上がっているけど、無理してまで進む必要もないし、タマはともかく、ポチやピヨちゃんがボス戦に耐えられるか。

(危なければ、影に入れたら?)
    結界という手もあるし、新たなスキルも気になる。
    影に入れて、ボスとの戦闘をしなくても特別なスキルを得られるのか?

    家族には止められているけど、年長さんになる前に、挑んでみようと思う。


    お店の方にも、ぼちぼちお客さんが入り始めたみたいだ。
    今日はタマ達と4人。魚は狙わず、3人を影に入れて、ふわりと浮き上がる。

    そのまま加速して、階段の前に降り立った。
    軽く手を当てるだけで、重い扉が開く。
「行くよ!」
    魔物は巨大なバッタ…ビッグホッパーだ。
    大きくジャンプして、あっという間に距離を詰めてきて、口から毒液を噴射する。

    ピヨちゃんは普段餌にしているバッタの大きな姿に戸惑っているのか、攻めあぐねている。
    タマの焔がバッタの顔から全身を焼いていく。
    私も魔法で応戦する。やっぱり虫には火が有効だ。タマの焔みたいな持続性はないけど、ファイアーボールを幾つも打ち出して、ポチやピヨちゃんを守る。

    細い脚を狙って岩を落とすけど、上手く当たらない。動きを封じようと思ったけど、今までと同じようにファイアーボールで攻めた方が良さそうだ。

    燃えてるからポチもピヨちゃんも攻撃しにくいともいえる。
    羽根が焼け、ダメージを受けていた頭も何とか燃えた。

「はあ…疲れたね」
    魔石と銀塊を拾い、中央に現れた宝箱を開ける。

「…ポシェット?あ…これ、マジックバッグだ」
    猫又になったタマは二足歩行出来るので、持たせてみたら、タマのサイズにピタリと合った。
    サイズ自動調節の付与もついたバッグのようだ。
    時間は止まらないけど、遅延の効果はついているから、物が腐りにくくはなっている。

(可愛いわね。あたしにくれるの?)
「いいよ。私には収納庫があるからね」

    さて。11階層だ。どんなスキルが貰えるのかな?

    藤林美優(4)
    レベル    25

    スキル    魔術    鑑定    視認   
    棒術     魔力操作    魔力感知
    テイム    身体強化    魔力回復
    念話    投擲    命中    予見    隠蔽
    天啓

    お。これか…天啓?意味は家に戻って調べてみよう。
    タマ達は?

    タマ(5)
    藤林美優の従魔     猫又
    レベル    23
    
    スキル    威圧    感知    念話
    焔    縮小    隠蔽    見切り    回避     
    立体機動

    おおー。良く分からないけど、何か凄い。

    ポチ(1)
    藤林美優の従魔
    レベル    24

    スキル    咆哮弾    探知   強化   
    回避    空歩

    ピヨちゃん(1) 
    藤林美優の従魔
    レベル    24

    スキル    高速移動    穴掘り
    回避    時空魔法

    えええっ?!ピヨちゃんが魔法?!
「ピヨちゃん、魔法、何か使ってみてよ!」
「コッコッコ」

    うん…駄目だこりゃ。本人分かっていなさそう。

    魔物は…おお!オークだ。元の世界ではラビットの次によく食べられていた肉だ。
    二足歩行の豚。これが上位種になると武器を持ったりする奴もいて、厄介だった。…一番厄介なのは雌と見ると見境なしに襲ってくる所だけど、何故かダンジョン内に生息するオークにはその性質がないんだよね。

    うん…強さは前世で戦ったオークと同じ位かな。体力がある。

    タマの動きが変わった。得意のジャンプ力を活かして、魔物の体も足場にして上空からの猫パンチ!と、爪攻撃。

    ポチも空間に瞬間的な足場を作って大きなオークに対峙してる。

    ピヨちゃんは…相変わらずかな?穴掘りしてオークの足場を崩してくれるのはいいけど…魔法は?

    時空魔法…時間と空間に作用する魔法だ。私の使っている収納庫もその一つだ。
    ピヨちゃんはスキルを得たばかりだから、空間把握とか…それ位は出来ているのかも?
    ピヨちゃんの様子見てると、自分の変化にも気がついてなさそうだけど。

    蹴爪の攻撃はオーク相手には効いてなさそうだし、嘴での攻撃もそう。
    オークは今までの相手とは違うからね。


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