49 / 75
海ダンジョン6階層
しおりを挟む
私には要らないけど、海人君の両親は欲しがっていたみたいだ。水筒の魔道具。
「持ち歩きに邪魔そうだし、ましなの作ってあげたら?」
「ちょっと、水の魔道回路って面倒でさ」
微妙に自信なさげ。
「そっか。じゃあこの魔道具でいいんじゃない?マジックバッグも持ってるしさ」
「まあ。美優ちゃんちのダンジョンなら、ペットボトルの水があれば充分だし、ショップから離れる事は滅多にないだろうし」
そういえば、アドベンチャーショップは、年中無休だ。交替で休んではいるんだろうけど。
お客さんも少ないしね。
「でも、美優ちゃんとか僕のスキルは一部知られているから、田舎で暇でも、立ち位置的にはかなり重要らしい」
「…へえ?」
マジックバッグの注文は未だに絶えないし、海人君もポーション作り、結構頑張っているみたいだ。
まあ、今はどうでもいいかな。この水鉄砲エリアを抜けないと。
水鉄砲じゃなくて、水魔法だけど、水が飛んでくるだけだ。
でも、当たれば反対側の壁に叩きつけられるし、軽装では皮膚が切れる。
「うん。この程度なら、身体強化程度で抜けられそう」
「そうなのか?…けどセーフティエリアに着くまで長いからな」
「当然、途中休憩は挟むよ」
固定砲台だけど、全部は相手にしてられない。魔力も持たないし、時間も勿体ない。
タマは出たがらなかったけど、ポチとピヨちゃんは、並走してくる。
特にピヨちゃんが凄い。蹴爪の一撃で、砲台は消える。
休憩まで海人君の魔力が持たなかったので、余分に休憩は入れるようにしよう。
「はぁ…きっついな」
「マジックベリーのポーション、残り大丈夫?」
「んー。なくなりそうなら、貰いたい。ちゃんと返すから」
「そこは心配してないよ」
思ったより、時間かかってる。出入り口付近以外、冒険者の気配はないし、無理そうならピヨちゃんに乗せて貰おう。
「美優ちゃんて、運がいいの?」
「え?何で?」
「いやさ、結構な数水筒がドロップしてるし。普通は1日1本から2本位だよ?」
「まあ、貰えるならいいじゃん?」
結構いい値段で売れるし、そしたら休みを入れて、ネズミーランドで遊びたいし。
キャラクターの形の食べ物とか、結構お高めだけど、ちょっと食べてみたいと思ってたんだよね。
ピヨちゃんにも協力してもらって、どうにかセーフティエリアに着いた。初見の人が辿り着くのは、5階層から先は難しいと言われている。
集まった水筒は12本。ビールケースか!
「倒し方が違うのかな?」
因みにピヨちゃん達は1本も持っていない。
「魔法で倒したからとか?」
「有りかも」
まあ、どうでもいい。
「宝クジでもやってみたら?」
「いや、私小学生だし」
それに、魔法を使って倒したから出る確率が上がったのかもしれないし。
明日もあるし、もう寝よう。
「うーん…」
「どうしたの?やっと出た水筒をしげしげと眺めて」
「剛力のスキルを使ってやってみたら、出たからさ」
「おお…」
本当に魔力が鍵になっていたのかも?でも、今までの冒険者も、スキルを全く使わない訳はなかったと思うけど。
「でも、そこまでしてと思うんだよな…」
それでも確率が上がる程度だしね。
「なら、次は支援魔法でもかける?」
「水筒はもういいけど、スピードアップしたいから、かけて欲しい」
私も走ろうかな?ポチも喜ぶし。
(わーい!楽しいワン!)
地図は海人君が見てくれてるし、お陰で順調に行けた。
水筒は、最終的に私は24本。海人君は2本。両親へのお土産に丁度いい。
私は全部売却だ。1本1万だから、ちょっとした月収並みだ。
かなり驚かれたけど、運が良かったと言って誤魔化した。
「あれ?帰るの今日だっけ?」
「ううん!明日はあっち!」
勿論、ネズミーランドだ。
海人君のため息が深くなる。
「なら、ハマアサリを集めていようかな」
「ポチ、貸す?」
「そうだな…念話も覚えたいし、頑張ってみるよ」
迷子に間違われたりもしたけど、楽しかった!明日はお父さんの実家に行くから帰らないと。
海人君を迎えに行ったら、念話習得してて、驚いた。
動物と話せるのなんて、ファンタジー!うちの子達が只の動物かはさておいて。ね?
「持ち歩きに邪魔そうだし、ましなの作ってあげたら?」
「ちょっと、水の魔道回路って面倒でさ」
微妙に自信なさげ。
「そっか。じゃあこの魔道具でいいんじゃない?マジックバッグも持ってるしさ」
「まあ。美優ちゃんちのダンジョンなら、ペットボトルの水があれば充分だし、ショップから離れる事は滅多にないだろうし」
そういえば、アドベンチャーショップは、年中無休だ。交替で休んではいるんだろうけど。
お客さんも少ないしね。
「でも、美優ちゃんとか僕のスキルは一部知られているから、田舎で暇でも、立ち位置的にはかなり重要らしい」
「…へえ?」
マジックバッグの注文は未だに絶えないし、海人君もポーション作り、結構頑張っているみたいだ。
まあ、今はどうでもいいかな。この水鉄砲エリアを抜けないと。
水鉄砲じゃなくて、水魔法だけど、水が飛んでくるだけだ。
でも、当たれば反対側の壁に叩きつけられるし、軽装では皮膚が切れる。
「うん。この程度なら、身体強化程度で抜けられそう」
「そうなのか?…けどセーフティエリアに着くまで長いからな」
「当然、途中休憩は挟むよ」
固定砲台だけど、全部は相手にしてられない。魔力も持たないし、時間も勿体ない。
タマは出たがらなかったけど、ポチとピヨちゃんは、並走してくる。
特にピヨちゃんが凄い。蹴爪の一撃で、砲台は消える。
休憩まで海人君の魔力が持たなかったので、余分に休憩は入れるようにしよう。
「はぁ…きっついな」
「マジックベリーのポーション、残り大丈夫?」
「んー。なくなりそうなら、貰いたい。ちゃんと返すから」
「そこは心配してないよ」
思ったより、時間かかってる。出入り口付近以外、冒険者の気配はないし、無理そうならピヨちゃんに乗せて貰おう。
「美優ちゃんて、運がいいの?」
「え?何で?」
「いやさ、結構な数水筒がドロップしてるし。普通は1日1本から2本位だよ?」
「まあ、貰えるならいいじゃん?」
結構いい値段で売れるし、そしたら休みを入れて、ネズミーランドで遊びたいし。
キャラクターの形の食べ物とか、結構お高めだけど、ちょっと食べてみたいと思ってたんだよね。
ピヨちゃんにも協力してもらって、どうにかセーフティエリアに着いた。初見の人が辿り着くのは、5階層から先は難しいと言われている。
集まった水筒は12本。ビールケースか!
「倒し方が違うのかな?」
因みにピヨちゃん達は1本も持っていない。
「魔法で倒したからとか?」
「有りかも」
まあ、どうでもいい。
「宝クジでもやってみたら?」
「いや、私小学生だし」
それに、魔法を使って倒したから出る確率が上がったのかもしれないし。
明日もあるし、もう寝よう。
「うーん…」
「どうしたの?やっと出た水筒をしげしげと眺めて」
「剛力のスキルを使ってやってみたら、出たからさ」
「おお…」
本当に魔力が鍵になっていたのかも?でも、今までの冒険者も、スキルを全く使わない訳はなかったと思うけど。
「でも、そこまでしてと思うんだよな…」
それでも確率が上がる程度だしね。
「なら、次は支援魔法でもかける?」
「水筒はもういいけど、スピードアップしたいから、かけて欲しい」
私も走ろうかな?ポチも喜ぶし。
(わーい!楽しいワン!)
地図は海人君が見てくれてるし、お陰で順調に行けた。
水筒は、最終的に私は24本。海人君は2本。両親へのお土産に丁度いい。
私は全部売却だ。1本1万だから、ちょっとした月収並みだ。
かなり驚かれたけど、運が良かったと言って誤魔化した。
「あれ?帰るの今日だっけ?」
「ううん!明日はあっち!」
勿論、ネズミーランドだ。
海人君のため息が深くなる。
「なら、ハマアサリを集めていようかな」
「ポチ、貸す?」
「そうだな…念話も覚えたいし、頑張ってみるよ」
迷子に間違われたりもしたけど、楽しかった!明日はお父さんの実家に行くから帰らないと。
海人君を迎えに行ったら、念話習得してて、驚いた。
動物と話せるのなんて、ファンタジー!うちの子達が只の動物かはさておいて。ね?
64
あなたにおすすめの小説
異世界の片隅で引き篭りたい少女。
月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!
見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに
初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、
さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。
生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。
世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。
なのに世界が私を放っておいてくれない。
自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。
それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ!
己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。
※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。
ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。
こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく
規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜
ケイソウ
ファンタジー
チビで陰キャラでモブ子の桜井紅子は、楽しみにしていたバス旅行へ向かう途中、突然の事故で命を絶たれた。
死後の世界で女神に異世界へ転生されたが、女神の趣向で変装する羽目になり、渡されたアイテムと備わったスキルをもとに、異世界を満喫しようと冒険者の資格を取る。生活にも慣れて各地を巡る旅を計画するも、国の要請で冒険者が遠征に駆り出される事態に……。
神獣転生のはずが半神半人になれたので世界を歩き回って第二人生を楽しみます~
御峰。
ファンタジー
不遇な職場で働いていた神楽湊はリフレッシュのため山に登ったのだが、石に躓いてしまい転げ落ちて異世界転生を果たす事となった。
異世界転生を果たした神楽湊だったが…………朱雀の卵!? どうやら神獣に生まれ変わったようだ……。
前世で人だった記憶があり、新しい人生も人として行きたいと願った湊は、進化の選択肢から『半神半人(デミゴット)』を選択する。
神獣朱雀エインフェリアの息子として生まれた湊は、名前アルマを与えられ、妹クレアと弟ルークとともに育つ事となる。
朱雀との生活を楽しんでいたアルマだったが、母エインフェリアの死と「世界を見て回ってほしい」という頼みにより、妹弟と共に旅に出る事を決意する。
そうしてアルマは新しい第二の人生を歩き始めたのである。
究極スキル『道しるべ』を使い、地図を埋めつつ、色んな種族の街に行っては美味しいモノを食べたり、時には自然から採れたての素材で料理をしたりと自由を満喫しながらも、色んな事件に巻き込まれていくのであった。
薬屋の少女と迷子の精霊〜私にだけ見える精霊は最強のパートナーです〜
蒼井美紗
ファンタジー
孤児院で代わり映えのない毎日を過ごしていたレイラの下に、突如飛び込んできたのが精霊であるフェリスだった。人間は精霊を見ることも話すこともできないのに、レイラには何故かフェリスのことが見え、二人はすぐに意気投合して仲良くなる。
レイラが働く薬屋の店主、ヴァレリアにもフェリスのことは秘密にしていたが、レイラの危機にフェリスが力を行使したことでその存在がバレてしまい……
精霊が見えるという特殊能力を持った少女と、そんなレイラのことが大好きなちょっと訳あり迷子の精霊が送る、薬屋での異世界お仕事ファンタジーです。
※小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
天才魔導医の弟子~転生ナースの戦場カルテ~
けろ
ファンタジー
【完結済み】
仕事に生きたベテランナース、異世界で10歳の少女に!?
過労で倒れた先に待っていたのは、魔法と剣、そして規格外の医療が交差する世界だった――。
救急救命の現場で十数年。ベテラン看護師の天木弓束(あまき ゆづか)は、人手不足と激務に心身をすり減らす毎日を送っていた。仕事に全てを捧げるあまり、プライベートは二の次。周囲からの期待もプレッシャーに感じながら、それでも人の命を救うことだけを使命としていた。
しかし、ある日、謎の少女を救えなかったショックで意識を失い、目覚めた場所は……中世ヨーロッパのような異世界の路地裏!? しかも、姿は10歳の少女に若返っていた。
記憶も曖昧なまま、絶望の淵に立たされた弓束。しかし、彼女が唯一失っていなかったもの――それは、現代日本で培った高度な医療知識と技術だった。
偶然出会った獣人冒険者の重度の骨折を、その知識で的確に応急処置したことで、弓束の運命は大きく動き出す。
彼女の異質な才能を見抜いたのは、誰もがその実力を認めながらも距離を置く、孤高の天才魔導医ギルベルトだった。
「お前、弟子になれ。俺の研究の、良い材料になりそうだ」
強引な天才に拾われた弓束は、魔法が存在するこの世界の「医療」が、自分の知るものとは全く違うことに驚愕する。
「菌?感染症?何の話だ?」
滅菌の概念すらない遅れた世界で、弓束の現代知識はまさにチート級!
しかし、そんな彼女の常識をさらに覆すのが、師ギルベルトの存在だった。彼が操る、生命の根幹『魔力回路』に干渉する神業のような治療魔法。その理論は、弓束が知る医学の歴史を遥かに超越していた。
規格外の弟子と、人外の師匠。
二人の出会いは、やがて異世界の医療を根底から覆し、多くの命を救う奇跡の始まりとなる。
これは、神のいない手術室で命と向き合い続けた一人の看護師が、新たな世界で自らの知識と魔法を武器に、再び「救う」ことの意味を見つけていく物語。
異世界の片隅で、穏やかに笑って暮らしたい
木の葉
ファンタジー
『異世界で幸せに』を新たに加筆、修正をしました。
下界に魔力を充満させるために500年ごとに送られる転生者たち。
キャロルはマッド、リオに守られながらも一生懸命に生きていきます。
家族の温かさ、仲間の素晴らしさ、転生者としての苦悩を描いた物語。
隠された謎、迫りくる試練、そして出会う人々との交流が、異世界生活を鮮やかに彩っていきます。
一部、残酷な表現もありますのでR15にしてあります。
ハッピーエンドです。
最終話まで書きあげましたので、順次更新していきます。
転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流
犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。
しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。
遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。
彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。
転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。
そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。
人は、娯楽で癒されます。
動物や従魔たちには、何もありません。
私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる