裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~

あかる

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超特急で走り抜けよう

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    海ダンジョン7階層は、フナマス!
    白身の魚で、ちょっと顔が怖いけど、すごく美味しいんだ。それと一緒にいるのが、槍イカ。エンペラの所から、骨が槍みたいに鋭く生えている。

    どっちも美味しいから、今回はとっても楽しみ!
「痛っ…」
    槍も怖いけど、下足も痛い。無防備な手首から、血が出た。

    ダンジョン魔物にとって、魔力を含んだ血は栄養。しかも魔物からすれば、ここは狙いたい放題なんだよね。

    理由は、普通は壁である所が、海である事。この海ダンジョンで唯一、無理すれば1日で抜けられる所だ。
    そして、幅もジャンプで飛び越えられる位だ。

「一気に行きたい所だけど、階層登録さえすれば、いつでも来られるんだよな」
    確かに迷う。
「抜けてから、魚集めね!」
「おう…」

    身体強化して高くジャンプしていたら、みんな驚いていた。
    そんな驚かなくても、身体強化以外にも似たようなスキルはある。

    拍子抜けする程あっさりと着いてしまった。
「次の階層って何だっけ?」
「ええと…ボーンフィッシュだな。魔石が採れる」
    んー…中途半端な時間だし、槍イカと、フナマスを採って外で亜空間に入るか。

「あ、向かう先はやっぱりそっちか」
「魔石の方がいい?」
「いや…それに骨素材も別に要らないし」

    なら決まりだね!

    イカさし煮イカ、イカ焼きそば。
    フナマスは、やっぱり餡かけかな?

    ドロップアイテムだから半身しかないし、骨もないけどフナマスの骨は硬くて邪魔だから、丁度いい。

    夕ごはんは、ハマアサリの味噌汁と、イカさし。ブラックバイパーのレモン焼きだ。
「旨い!この肉は…」
「ブラックバイパーだよ」
「げっ…ああ。21階層か。蛇はちょっと苦手だけど、これだけ旨いなら、ありか」
「好き嫌いは良くないよ?美味しいんだから」

「海人君、フードプロセッサーの魔道具は作れる?」
「ん?…そうだな…中身だけ交換すれば」
「それは、刃への伝達とか大丈夫なの?」
「それごと交換すれば行ける。お陰で魔石も結構あるし」

「そっか…ありがと」
「出来てからお礼は言ってくれ。付与は美優ちゃんに任せるし」

    専門の付与術師なんて聞かないし、そんな人がいたらマジックバッグを作る人も増えるだろう。そして、転生者かもね?

    今の所私みたいに色々な魔法が使える人の話は聞かないけど、有名冒険者の強さはきっと凄いんだろうな…最深到達地点は、新宿の48階層らしい。

    これはあくまでも日本の話。世界にはもっと多種多様なダンジョンもあるし、最初からダンジョンで活躍してる人は10年を越しているだろう。

    家の裏ダンジョンも、20階層超えているんだから、充分に凄いダンジョンなんだろうな。10階層を超えないダンジョンも結構な数あるみたいだし、そういうダンジョンには、冒険者も行かない。そういう弱小ダンジョンは、早くに消滅するとか。

    
    次の日からは、8階層のボーンフィッシュだ。
    ドロップアイテムは、魔石か骨。骨は防具の補強や、軽くて丈夫な所を生かして、色々な人が試行錯誤している。

「魔石だけでいいよね」
    買い取り価格も安いから、みんな考える事は一緒だろう。
    海人君も頷いている。

    身のない残念な魚なのに、攻撃力は割と高い。とはいえ、私達のレベルも高いから、危なげなく進む。人気もないから、攻略する人もいない。
    人の気配がないのをいい事に、ポチとピヨちゃんを自由にさせてやる。
    因みにタマは、寝ている方がいいからと、出て来ない。

    杖に軽く魔力を流して、剣のように扱う。
    水面から出て攻撃をするタイミングもスキルのお陰で分かるし、この魔物と少し戦ったら、今日中に抜けられるように、スキルを使っていくつもりだ。

(何かあるワン!)

    ポチが、水路を見ながらてしてしと通路を叩く。
「んー…深いな」
    結界を纏えば、潜れなくはない。でも宝箱は小さいし、なら影で作った手かな。

    簡単に取れた割には罠がありそうだ。
(美優、あたしなら罠を壊せるわよ?)

    私でも壊せると思うけど、折角だからタマにお願いした。
    出てきて思い切り伸びをして、軽く毛繕い。

    小物入れ位の宝箱に、手をかざすと、漆黒の闇が出て、蓋が開いた。
「指輪だね」

    勿論鑑定してみる。

    鑑定    成長の指輪

「成長の指輪だって!私がつけてもいいよね?早く大きくなりたいし!」
「え…そっちの成長?」

    何の飾り気もないけど、左手の小指に通したら、輪が指のサイズに縮んだ。

「美優ちゃん、詳細な鑑定は見られないの?」
「それだけだよ?…いいよね?私、クラスで一番小さいし」
「それ…身長とは限らないんじゃ?」
「え?…でも身長の可能性もあるじゃん!」

    まあ、貰う権利は美優ちゃんにあるか。見付けたのはポチだし、美優ちゃんがいないと取れなかったし。
    …何より喜んでいるし。
  
「ステータスに変化はないの?」
「ないけど、すぐに大きくはなれないと思うし」
   
    ショップに依頼すれば、鑑定スキルを持つ人がいて、お金を払えば詳細鑑定もしてくれるみたいだけど、悪い効果を与える物でない事は分かる。
    しばらく様子を見てもいいんじゃないかな?
   
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