裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~

あかる

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貝柱

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    海産物が採れるダンジョンだし、美味しい所は冒険者も多い。

    9階層は、空飛ぶホタテだ。かなりの大きさで、スピードも速く、硬い。
    ドロップアイテムは多少縮むけど、主に貝柱だ。極稀に真珠もドロップするらしいけど、貝柱が欲しい。

    火魔法でもいいけど、誤爆も怖いから、魔力を流した杖で殴る。
    この方法なら目立たないと思ったけど、たまにぎょっとした顔をされる。

(美優ちゃんの杖は玩具にしか見えないのに、当たると一発で貝が破壊されるから、驚かれて当然だと思う)
(あんな細い剣で戦っている人もいるのに…あ、でも破壊力はあんまりないのか)

    でも、意識しすぎも良くないよね。悪目立ちしそう。却って堂々としてた方がいい。魔物が出る所で話しかけてくる人もいないだろう。

    肉厚で美味しい貝柱ステーキは、ドロップ品の中でも群を抜いて人気が高い。直撃さえ気をつければ、与しやすい魔物とも言える。

    ただし、避け損ねると手痛いダメージを食らう。でもここまで来られる人は、きっと回避のスキルは持っているのだろう。
    
    私は、来る時が分かるから無くても大丈夫。
    避けなくても、杖が当たればいい訳だし。
    来るのが分かっていれば、問題ないのさ。

    貝柱を集めつつ、セーフティエリアまで来た。
    テントの中にペット達を出してあげて、フライパンで焼いたバター醤油焼きをあげる。
    海人君にもちゃんと焼いてあげた。
「はわ…ゎ」
    美味しさが、言葉にならない。
    口いっぱいに広がる貝の旨味に感動しつつ、他のメニューも色々と考える。

    トマトソースを使ってパスタもいいかも?それと、定番だけどスープもいいよね?
「えへへ…」

    その笑みを見つつ、それでも大量ゲットを心に誓う海人。
(ボク達も頑張るワン!)
(当然!生でも美味しいけど、美優がもっと美味しくしてくれるものね!)
(ピヨちゃんも気に入ったの!)
    雑食のピヨちゃんだけど、すっかりダンジョン産の物を気に入ってしまった。

    ポチもタマも、専用カリカリが減らなくなってしまった。
    それならそれで、同じご飯の味付けなしの物をあげればいいんだもんね。

    成長の指輪。海人君も欲しそうだったな…でも、男の子なら、中学生位にすごく成長するはずだもんね!
    家族を見てると、DNAには期待出来なさそうだから、マジックアイテムに頼りたくなっても仕方ないよね。

    今日もまた、朝から貝柱を集めつつ、進む。
「おおー!」
    初めて見た。ペットを連れて来てる人。
    大型犬。シベリアンハスキーだ。手で叩き落としている。
    でも、ドロップした貝柱を食べようとして、ご主人様に怒られている。

(ボクも出ていい?)
(スキルを使わないならいいよ?)
    あのハスキー君は、ポチよりかなり弱そうだ。レベルの差なのか、怪我も多い。

(ここは人も多いから、止めておいた方がいいかも?)
    周囲の冒険者もいい顔しないし、ハスキー君みたいにポチが邪魔にされたら嫌だし。

    犬パンチをする時に貝に当たったのか、ひゃいんって声が聞こえた。
    え。消毒して終わりなの?ハスキー君の足、痛そうだけど。

    飼い主は、構わず自分のペースで狩りをしている。

    見てられない。
    さっと近付いて、回復魔法をかけた。

(美優ちゃん!魔法がバレたら大変だよ!)
(分かってる…今回だけ)
    これからは、無理をしないように戦ってほしい。

    どうにか、夜には魔法石に触れる事が出来た。予定よりも遅い時間だ。

「疲れた…」
「かなり走ったな。夕飯はカップ麺にしよう」
    確かに、今から作るのは億劫だ。
    ガスコンロでお湯だけ沸かしてカレーめんを作った。

「何か、美優ちゃんとペットの関係とは違う気がした。あの人、ちゃんとテイムしてたのかな?」
「さあ…?私も別に、テイムした覚えはないんだけど?」
(多分、お互いに守るって気持ちが重要なのかも?アタシは、娘を守るのは当然だと思ったわ)
(ピヨちゃんのママはピヨちゃんが守るの)
(美優とは兄弟だと思ってた)

「凄い関係だな…でも、家族想いのいい関係だと思う」
「私も、みんな大好きな家族だと思ってるよ!」
    じゃあ、ペットは戦力だと考える人は、テイム出来てないのかもね。
    そうじゃない人もいるだろうけど、あのハスキー君は違ったのかな…怪我したらすぐに分かるはずだもんね!

    あの空飛ぶホタテは1メートル位あるから、混んでるダンジョン内で戦うのはペットにとっては結構大変だと思う。
    他人に害を与えたら絶対ダメで、そう躾られてきたなら、ハスキー君も気を使っていたはずだ。

(きっと、色々あるのよ)
(うん…)
「人によって考えも違うから、美優ちゃんが気にする事じゃないよ」
「うん…大丈夫」
    帰ればちゃんと手当てをしてもらえてたかもしれないし、幸せは人それぞれだ。
 
    明日はボス戦だし、早く寝よう。
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