裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~

あかる

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23階層と、声

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    亀肉のお陰かは分からないけど、おじいちゃんのおでこも艶々だ。

    秋休みに入って、うちの田んぼも今日は稲刈りだ。
    私も今日はダンジョンには行かず、稲刈りの手伝いだ。

    機械の届かない端の所とか、角の所は手で刈る。
    刈りたての藁のいい匂いは、大好き。
    手で刈った稲は、手ですく。プチプチ音を立てて籾が離れるのが、面白い。
    
「美優ちゃん、今日はダンジョン行かないの?」
「もう私に出来る事はないから、行くよ?」
  
    籾摺りは機械がやってくれる。身体強化をすれば米袋も持てると思うけど、無理に私がやる必要もない。

「そうだ。ホットプレートの魔道具出来たんだ」
「おお…なら、貝柱とかも焼いて食べられるね!」
「まあ…カセットコンロとフライパンがあるから、そこまで必要って訳でもないだろうけど」
「なら、次はやっぱり炬燵だよね!タマも喜ぶだろうし」

    タマは炬燵が大好きで、冬の間は炬燵の主になっている。
    ダンジョンに誘わなければ、ごはんの時以外、長くなって寝ているだろう。
「炬燵か…多分、出来なくはないかな…外側は買ってね」
「勿論」
    炬燵の外側、テーブルや足、炬燵布団や敷き布団。テントの下に敷いたアルミのマットもあった方がいいだろう。
    亜空間の床自体はそんなに冷たくは感じないけど、硬いよりクッション性があった方がいい。
    こういう時でもないと、お金を使う機会もないし。

    税金とか経費とか、全部を理解出来ている訳じゃないけど、ただ貯めておいても仕方ないし。

    長方形の家具調炬燵。お店で買って、お父さんが車に積んだのを、店員さんが戻った後で収納庫に入れなおす。
「その収納庫?テントとかも入ってるんだろう?まだ入るのか?」

「うん。便利な魔法だよね」
「そ…そうだな。お父さんも、魔法が使えたらな…」
「お父さん、剣の扱いだって中途半端なのに、他のスキル付く訳ないでしょ」
    仕事があるから仕方ないけど、レベルだって家族の中で一番低い。

「つい、ね。美優に任せておけば美味しい物は手に入るし、工場みたく月で決まった給料が手に入るのも大事なんだぞ」
    
    そうなのかな?私には分からない。
    でも、マジックバッグはみんなが持ったら要らないだろうし、そう簡単に壊れる物でもない。武器や防具に付ける付与は、知られていない。

    専業冒険者として生活していけるのは、中級冒険者以降らしい。20階層越えれば中級冒険者だから、私は既に中級冒険者。でも、そこからが難しいみたいで、上級冒険者は、全体の1パーセント位みたいだ。
    
    私はその1パーセントになりたい。30階層を越える冒険者に。
    ここのダンジョンだけでそうなれるかは分からないけど、どうしてか下層に行きたいんだよね…魔法だけでは難しいと思う。でも、協力してくれるペット達もいるもんね。

    迷路を進んで、突き当たりに宝箱を見つけた。…何か怪しい…よね?あからさま過ぎる。宝箱はボスを倒した時か、隠されているか。
    宝箱を見つけるポチも何の反応もしていないのが、ますます怪しい。

    よし!ロングハンドだ!
    私達は離れて、闇の手で宝箱を開ける。と、やっぱり偽物の宝箱だった!

    噛みつこうとする宝箱をそのまま押さえつける。

    鑑定    ミミック    宝箱の魔物。宝は持っていない

「はぁ…やっぱり」
    押さえつけたまま、燃やして終了。
    魔石は残ったし、まあいいや。

    あれも罠の一種なんだろうな。悪趣味。

    階段は見付からなかったけど、別にいい。どうせ次は食べられない魔物だろうから、全然急いでない。

    ん…耳鳴り?
    トントンしてみたけど、耳から聞こえているのとは違う気がする。
「んー?」
(どうしたの?美優)
「何か聞こえない?」
(別に聞こえないわ?)
「そっか…気のせい、かな?」

    地下何メートルか分からないけど、高山病の逆とかあるかもだし。今度海人君に聞いてみよう。

    時間的にも夕飯近いし、魔法石に触れて1階層を指定する。
    辺りはもう暗い。丁度海人君も出てきて、灯りをつける。
「ね、ダンジョンにも気圧的なものあるのかな?」
「は?何かあったのか?」
「何って訳じゃないけど、耳鳴り的な?」
「さあ…?でも何か影響あったら、50階層とか潜ってる冒険者はまずいんじゃ?」
「だよね…やっぱり気のせいか」
    ダンジョン内で救いを求める声が聞こえたら、ホラーだ。他に人の気配はなかったのに。

    まさか、お化け?!…ううん。そんな非科学的な。
    じゃあ、ゴースト?ダンジョンだからいてもおかしくないけど、亀に混じってゴーストがいるとは考えにくい。
    うん、違う…きっと違う。というか、ダンジョンに憑いているゴーストなんて、本物の…!

(どうしたの?何か怖いの?)
(お化けなんていないよね?そんなのいたら、夜にトイレ行けなくなっちゃう)
    それじゃなくても、うちのトイレは外にあるのに。

    手にライトの魔法をつけて、ダンジョン内を覗く。
「美優ー?夕飯よ!」
    大丈夫。魔物以外いないよ!
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