裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~

あかる

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東京防衛隊と、修行

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    とりあえず、少しでも階層を下る為に、新宿ダンジョンを目指す。なんと電車1本だ。一時間もかからない。

    1階層からしか進めないのは、私が新宿ダンジョンに初めて入るからだ。

    一般の、慣れない人もたくさん入るから人でいっぱいだ。だから進むだけ。
    2階層もそんな感じで、一切戦う事なく雑談しながら進む。

    3階層になると、さすがに一般人はいない。
    魔物がポップした瞬間、目が輝いた!
「モコモコー!もふもふっ!…ああ、愛が痛い」
    懐かしい羊の魔物、モコモコだ。こっちの世界では羊の魔物とだけ呼ばれているみたいだけど。

    新宿防衛隊のみなさんは呆れている。すぐ日野さんが、片手剣でモコモコを倒す。
「ああー…」
    笹で包まれた、羊肉。ジンギスカンだ。

「ミュウちゃんがもふもふ大好きなのは知ってましたけど、生きてる魔物に抱きつくとか考えられません!」
    怒られた。まあ当然だけど、レベルも結構高いし、防具も付与かけてしっかりした物だから、ダメージなんてない。だから抱きついていいって事はないけど。

    そう。ダンジョンネーム。私は色々考えて、ミュウ。あっさり本名に繋がると言われたけど、呼ばれ慣れてない名前だと、反応出来ない気がするしね。

「だって、可愛すぎる!」
「可愛くても、抱きつくのは勘弁な」
「ごめんなさい、まっちゃんさん」
「ん…さん?普通にまっちゃんでいいよ」
    いや、ピヨちゃんみたく、ちゃんまでが名前かなと。

    それにしても、この人はレベルいくつ位なんだろうな。雑談しながらでも、呼吸さえ途切れさせずに来る魔物を切っている。そして、その動きを目で追う事も困難な位。

    リーダーだけじゃない。一番若いカナタさんだって、他の人には多少劣るけど、下層で魔物を倒しているだけあって、実力は本物だ。

    サクサクと進んで行き、7階層に入った。
    あ…れは、
「アルパカー!」
    叫んで走り出す私を、並んで喋っていたまっちゃんが止める。

    く…悔しいけど、一歩も動けない。腕1本で邪魔されているだけなのに、まるで鉄板に阻まれているみたいだ。

    10階層のボス部屋だけ任せてもらった。
    魔法一発だったけどね。ちゅどーん、どかーんて感じで。カナタさんがすごく驚いていた。
    明日からは実力を図る為にたまに戦ってもらいたいと言っていた。日野さんも、戦闘するらしい。
「残念ながら私の実力だと、35階層までは行けないわ。でもゲンさんには釘を差しておいたから大丈夫よ」

    盾で守る職業の人だし、色々と気にかけてくれるけど、最初のアレで、ちょっと引いちゃうのは仕方ないよね。

    白猫さんは、弱い相手にはワイヤーのついた矢を使っている。消耗品だから仕方ないよね。

    次の日も、基本は急ぎ足で進む。素早い系、体力がある系と、まっちゃんが選んで私に倒させて見ている。
「魔力切れとか、大丈夫そう?」
「あ、全然平気です。魔力回復とかのスキルもあるので」
「ちょ…ミュウちゃん、スキルの話しはしちゃだめなのよ。個人情報だから」
    そうでした。だから私も、ドロップアイテムを貰っても、マジックバッグに入れるふりして収納庫に入れている。

「それでも、私とは基本魔力量からして違う気がする」
「カナタさん、毎日魔力操作やってます?それするだけで随分違うと思いますけど」
「そ…そうなの?…!帰ったらやり方を教えてもらっていい?!ちゃんと対価は払うから!」
    カナタさんの魔法は本当に初級。それで魔力切れしてたら絶対魔法職としてはやって行けないよね。

「日野ちゃん、ここまでだな。明日からはミュウちゃんは俺達に任せて」
    18階層に差しかかり、日野さんが、まっちゃんに戦力外通告を受けた。

「新宿ダンジョンは、他のダンジョンに比べて魔物も強力だからな。ミュウちゃんも、だめそうなら帰すから、パーティーハウスにいて貰って構わないけど」

「そう…ですね。元々最後まで付き会えるとは思わなかったし、新宿ダンジョンの怖さは私も知っているわ。まっちゃん、くれぐれもお願いね」
「多少は育てる事も視野に入れてるが、無理はさせない」
    頼もしい。そして判断も的確だ。

    その日はそこで切り上げて、パーティーハウスに戻ってご飯を食べる。
    みんなはビールとか飲んでるけど、二十歳になったばかりのカナタさんは、アルコールはあんまり好きじゃないみたいだ。
    それよりもと、魔力操作について聞いてくる。
「毎日10分位でも、違ってくると思います。やってみて下さい」

    私は、カナタさんの魔力を見ながらアドバイスする。
「もっと弱く、全身に巡回させるつもりで…指先や、髪の1本1本にまで通すつもりで」

「はあ…はあ。短時間でもすごく疲れる。ダンジョン内みたく魔力がないから?」
「それは多少ありますけど、あ…私は魔素って呼んでますけど。体外に放出させる訳じゃないんで、実際減っている訳じゃないですから。他の人もネズミーランドのダンジョンで貰える竹の水筒に魔力流して水、飲んでましたよね?技も全部元になってるのは魔力なんで、魔力操作は役に立つと思いますよ」
「え、マジか…ミュウちゃん!追加報酬出すから、俺達にもやり方とか教えてくれ!」
「…ええと、お酒飲んでいる時は止めた方がいいです」

    お父さんなんかもそうだけど、魔力が暴発する危険がある。まあ、地上では心配ないと思うけど。

    苦労してるカナタさんに、私から魔力を流してやる。感覚さえ掴めれば、あとは自分で出来ると思うしね。

    というか、お腹いっぱいになったから眠い。今日は電車もいっぱい乗ったし、ダンジョン内をいっぱい歩いた。
「日野さん…眠い」
「そ、そうね…じゃあ私も今日の所はこれで」

    私達が借りているワンルームアパートの一室に戻り、お風呂もそこそこに、速攻で寝た。


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