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最後の選択

たとえ

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 そう直也なおやの元から去ろうとする。それを直也は腕を掴んで「待って」と止めた。
 「何?もうすぐ授業始まっちゃう。」
 「・・・爽。無理してない?」
 「してないしてない。」
 「本当?」
 「・・・あぁ。」
手を離した。「ごめん」と言って。爽は直也を見る。
 「俺は無理してたらちゃんと言う。それまで待ってて」
 「分かった。って待っててっておかしくないか?無理しない方がいいよ思うけどな。」
 「そうだな。じゃあ、俺は行くよ。直也。白斗はくと君と話な。」
 「いつもありがとう。」

 爽は何も言わずに廊下を歩いて行った。


 「な、直也君。」
 教室に戻るとある生徒が直也のそばに来た。いつも通り冷たい態度をとる。
 「なに?」
 「あのさ、この前の男誰かな?直也君守ってたみたいだけど」
 「はぁ。君に関係ある?」
 「なっ!関係あるよ。」
 顔を赤くして生徒は直也に言う。
 「関係ないよね?なんで君の一存で関係あることになってるの?」
 「それはっだって。」
 言葉に詰まる。 
 
 「そんな言い方ないんじゃない?」
 急に背の高い男が出て来た。
 「日女乃ひめのはこのクラスのみんなのために質問してあげるんだよ。」
 「そんなの俺に関係ある?」
 2人を通り過ぎて自分の席に座る。でも、追いかけてくる。
 「はぁ。日女乃さんだっけ?あの人は俺の大事な人だ。手を出そうとしたら俺はクラスメイトだろうが容赦しない。日女乃さんだけでなくてもね。」
 睨みつける。する時日女乃と言われた男は背の高い男の背に隠れた。
 「はぁ。弱いなら発言してこないで。」


 「お前、変わったよ。」
 「え?」
 前の席に座っている平凡な顔をした生徒に言われた。
 「前はあんな言葉遣いじゃなかっただろう?王子様の変貌ね~」
 「名前なんだっけ?」
 「えー、前の席だよ!もう11ヶ月ちょっと前にいた人だよ!しかも!お前とは小学生の時から同じだった実質幼馴染とでも言っていいほどだからな!」
 「幼馴染って言ったら同学年の人全員だろ。はぁ。一人一人名前を覚えできるほど俺は暇じゃない。」
 「そんなんだったけ?お前が小学生の時は・・・うぐっ」
 前の人の口を押さえる。
 「もういい。」
 「あー!もう。今度こそ覚えておけよ!俺は_____
 「はーい。皆さん授業を始めるので静かにしてくださいね。名前を覚えてられていなくてもそんな大声で言わなくていいよ~」
と。教科担任の先生により前の人は名前を言えずに授業が始まった。





 「はぁぁ。白斗ぉ。また会えるよ。」
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