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最後の選択

向き合う時

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 話し合い場を設けたいと直也なおやが改まって白斗はくとに言った。
 白斗も話し合いたいと言っていた。次の休みの日を使うことになった。


 「白斗。来月、男高で文化祭があるんだ。」

 白斗がリビングで洗濯物を畳んでいると直也が来て言った。
 
 「・・・良かったじゃん」

 急過ぎて白斗は反応が遅れた。
 
 男高は2年おきに文化祭をやっている。白斗が男高に来て初めての文化祭。

 「じゃあここら辺も騒がしくなるのかな」
 
 想像しているのかそう呟く。
 「誰かが勝手に入ってこないようちゃんと戸締りしないとね」

 「白斗。・・・文化祭、一緒に回ろう」
 
 「は?」と乱暴な返事してしまった。

 「待って待って、僕は男高の生徒じゃないよ。参加なんって。」

 「この日は抽選で当たった一般客も入ることができる。だから、バレないよ。」
 「そう言う問題じゃなくて。」
 「・・・だめ?」
 「ダメとかじゃ、ただこの体質は」
 「またあの薬処方してもらおう」
 「てんさんに悪いって。」
 「でも・・・じゃあ考えておいて」

 そう言って白斗の返事も聞かずにリビングからいなくなった。

 リビングに残った白斗は「無理だよ」と叫ぶが、聞こえていないふりをして自分の部屋の扉を閉じた。
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