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やっぱりこの学校は

どうすることも

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 白斗はくとは立ち上がった。立ち上がって、階段を上がって行ってしまった。俺に呼び止めるための勇気を持ち合わせていなかった。
 「ッ。」

 俺はソファを叩いた。


 「あちゃー。離れ離れになるかもね。」

 「真斗まさとさん・・いつから聞いていたんですか?」
 「んー、白斗と直也なおや君がリビングに来た時ぐらいかな?」
 「最初から聞いていたんですね・・。白斗が、直也君に嘘ついてたことも聞いたよ。でも、まぁ、校長側ってのは知ってた。」
 「いつ知ったんですか?」
 「七宮しちみや君だっけ?その子のことを先生に話に行った時の帰りにね。」
 「・・・白斗はこれからどうすると思いますか?」
 「校長の元に戻る。」
 「・・・意外ですね。真斗さんならお金払って、自分のものにするって言うと思っていました。」
 「俺でも、白斗の『ごめんなさい』は辛い。白斗が俺に『ごめんなさい』を言う時、俺は何をやってるのか分からなくなる。なんで目の前の息子は俺に謝ってるんだろうって。でも、だんだん自覚していくんだ。俺が白斗に謝らせてること。そしたら俺の中にある自尊心がどんどん削られていく。俺は、また白斗に謝らせる羽目に陥る。」

 真斗さんが力を込めて手を握った。悔しそうな顔だった。

 「真斗さん・・変わったんですね。」
 「いや、俺は何も変わっちゃいない。多分、今白斗と2人で暮らせばまた俺は暴力で白斗を支配する。それだけさ避けたかった。だから、白斗が直也君を選んでくれ俺は心から安心した。でも・・・今の2人を見ていると脆い。」

 真斗さんはそう、結論付けた。

 「そう、ですね。白斗は俺の元には残ってくれない。」

 白斗の部屋を見る。とても静かだ。
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