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第2章:第二学院創設編
第22話:最強賢者は真実を見抜く
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四人は無事にノルマを達成した。
筋トレスペシャルセットと素振り一万回のコンボは初めてだったからか、疲労もかなりのものらしい。
しばらく横になって動けないでいた。
水を飲ませてゆっくりさせていると、四人はこそこそと内緒話を始め、俺とティアナのもとにやってくる。
リーナが四人を代表して何か言いたいらしい。四人は一斉に頭を下げ、
「まさか、ティアナがここまで強いなんて思わなかった。……疑ってごめんなさい」
「「「ごめんなさい」」」
エリス、レム、アミの三人も続いて謝罪の言葉を口にする。
「とんでもないですよっ! 私なんて全然……体力しか取り柄がないので! 疑われたなんて思ってないですから!」
ティアナはあたふたとして「どうしましょう!?」なんて言ってくる。
特に何をする必要もないと思うんだが、一言だけ言っておくか。
「じゃあ、ティアナを迎えるのに反対はしないってことでいいな?」
「もちろん……あんなの見せつけられてダメなんて言えないわ!」
よし、言質を取れた。
やれやれ、これで一件落着と言ったところか。
「で、ではみなさん……よろしくお願いしますっ!」
ティアナが改めて挨拶をすると、四人が寄り添い、握手を交わす。なんとも微笑ましい光景だった。
◇
「めでたくティアナが俺の弟子になったわけだが……一つ気になっていることがあってな」
「わ、私ですか!?」
四人の視線がティアナに集中する。全員が何か言いたげな表情をしていた。
俺は彼女の頭にポンと手を添える。
「こいつをちょっと魔改造すればかなりイイ感じになるんじゃないかと思うんだが、みんなどう思う?」
「ま、魔改造って何をするつもりなんですか!?」
「ティアナはちょっと黙っててくれ。――率直な意見を聞かせてほしい」
「ユーヤの予想は多分正解よ。別物になると思うわ」
エリスの意見は俺と同じ、と。
「私も凄く良くなると思う。……というより、今はちょっとアレすぎて良くなる未来しか見えない」
「レムと同意見ね。今より悪くなることはないと思うわ」
ふむふむ、今のところエリスとレムとアミが賛成派といった感じか。
何のことを話しているのか全く理解できていないティアナを他所に、俺は魔改造計画を進めていく。
「リーナはどう思う?」
「ふぇっ!?」
「リーナの意見を聞きたくてな」
「う、うん……私もエリスと同じ? かなぁ? 今より多分きっとおそらく良くなるかもしれないし」
なんだか話が噛み合ってないような……。俺の質問に対する回答としては不自然ではないような気もするが……。
「リーナ、一応聞くんだが、話の内容わかってるんだよな?」
「も、もちろんじゃない! 私を誰だと思ってるのよ!」
リーナは胸を張って答える。しかし、目は泳いでいるし、なぜか汗をかいている。
……ああ、こいつ知ったかぶりしてやがるな。
自分だけ話についていけていないのが恥ずかしくて、知っていることにしたいのだろう。
「ふむ、ではリーナにはさらに聞きたいんだが、俺たちはこれからどこに行くべきだと思う?」
「ええと……ま、まずはシャワーに行かないとダメだと思うわ! ほら、いっぱい汗かいたし、うん」
「まあそれもそうだが……その後はどうすればいい?」
「うーん……うーん……パスで」
「パス!?」
いつの間にゲームになってたんだよとツッコミを入れたいのだが、ここは我慢我慢。
「今話してたのは、ティアナの見た目を整えようって話だ。変えるって言っても髪を整えたりアクセサリーをつけるくらいしか校則上できないんだが、結構変わるんじゃないかと思ってな」
「あぁ……そういう話ね」
「ん、やっぱりわかってなかったか?」
「あ、いやそうじゃなくて! うんうんその通りだと思う! 素材はきっと多分良いから!」
いや、どっちだよ。……まあいい。
良いのか悪いのかは結果が教えてくれるとして、ここにティアナ魔改造計画は決定にした。
「となれば早速街に出るとしよう」
筋トレスペシャルセットと素振り一万回のコンボは初めてだったからか、疲労もかなりのものらしい。
しばらく横になって動けないでいた。
水を飲ませてゆっくりさせていると、四人はこそこそと内緒話を始め、俺とティアナのもとにやってくる。
リーナが四人を代表して何か言いたいらしい。四人は一斉に頭を下げ、
「まさか、ティアナがここまで強いなんて思わなかった。……疑ってごめんなさい」
「「「ごめんなさい」」」
エリス、レム、アミの三人も続いて謝罪の言葉を口にする。
「とんでもないですよっ! 私なんて全然……体力しか取り柄がないので! 疑われたなんて思ってないですから!」
ティアナはあたふたとして「どうしましょう!?」なんて言ってくる。
特に何をする必要もないと思うんだが、一言だけ言っておくか。
「じゃあ、ティアナを迎えるのに反対はしないってことでいいな?」
「もちろん……あんなの見せつけられてダメなんて言えないわ!」
よし、言質を取れた。
やれやれ、これで一件落着と言ったところか。
「で、ではみなさん……よろしくお願いしますっ!」
ティアナが改めて挨拶をすると、四人が寄り添い、握手を交わす。なんとも微笑ましい光景だった。
◇
「めでたくティアナが俺の弟子になったわけだが……一つ気になっていることがあってな」
「わ、私ですか!?」
四人の視線がティアナに集中する。全員が何か言いたげな表情をしていた。
俺は彼女の頭にポンと手を添える。
「こいつをちょっと魔改造すればかなりイイ感じになるんじゃないかと思うんだが、みんなどう思う?」
「ま、魔改造って何をするつもりなんですか!?」
「ティアナはちょっと黙っててくれ。――率直な意見を聞かせてほしい」
「ユーヤの予想は多分正解よ。別物になると思うわ」
エリスの意見は俺と同じ、と。
「私も凄く良くなると思う。……というより、今はちょっとアレすぎて良くなる未来しか見えない」
「レムと同意見ね。今より悪くなることはないと思うわ」
ふむふむ、今のところエリスとレムとアミが賛成派といった感じか。
何のことを話しているのか全く理解できていないティアナを他所に、俺は魔改造計画を進めていく。
「リーナはどう思う?」
「ふぇっ!?」
「リーナの意見を聞きたくてな」
「う、うん……私もエリスと同じ? かなぁ? 今より多分きっとおそらく良くなるかもしれないし」
なんだか話が噛み合ってないような……。俺の質問に対する回答としては不自然ではないような気もするが……。
「リーナ、一応聞くんだが、話の内容わかってるんだよな?」
「も、もちろんじゃない! 私を誰だと思ってるのよ!」
リーナは胸を張って答える。しかし、目は泳いでいるし、なぜか汗をかいている。
……ああ、こいつ知ったかぶりしてやがるな。
自分だけ話についていけていないのが恥ずかしくて、知っていることにしたいのだろう。
「ふむ、ではリーナにはさらに聞きたいんだが、俺たちはこれからどこに行くべきだと思う?」
「ええと……ま、まずはシャワーに行かないとダメだと思うわ! ほら、いっぱい汗かいたし、うん」
「まあそれもそうだが……その後はどうすればいい?」
「うーん……うーん……パスで」
「パス!?」
いつの間にゲームになってたんだよとツッコミを入れたいのだが、ここは我慢我慢。
「今話してたのは、ティアナの見た目を整えようって話だ。変えるって言っても髪を整えたりアクセサリーをつけるくらいしか校則上できないんだが、結構変わるんじゃないかと思ってな」
「あぁ……そういう話ね」
「ん、やっぱりわかってなかったか?」
「あ、いやそうじゃなくて! うんうんその通りだと思う! 素材はきっと多分良いから!」
いや、どっちだよ。……まあいい。
良いのか悪いのかは結果が教えてくれるとして、ここにティアナ魔改造計画は決定にした。
「となれば早速街に出るとしよう」
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